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般若が語るUMB、MCバトル論(前編)

大変お待たせしました!昨年末大阪で行なわれた『ULTIMATE MC BATTLE 2008』の優勝者、般若のインタビューをUP!般若の目線から振り返られる昨年のUMB、そして彼の考えるMCバトル、そしてバトルMCのあるべき姿にまで話の及んだ超ロング・インタビューです!

インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)

「ぶっちゃけスキルとか内容的な面では俺は他に勝ってないと思うよ。俺より上手いヤツはゴマンといるよね。俺の意識的なモノ、要はハッタリで勝っちゃったんじゃないの?ホント冷静に考えてみたら、俺より上手いヤツ、マジでいっぱいいたじゃん?そこは今でも思ってるもん。でも、違ぇんだよ。みんな見えてないんだよ、その先が」

 6年振りのバトル復帰というだけでも相当なニュースなのに、初出場である『ULTIMATE MC BATTLE』(以下UMB)の優勝までかっさらうという、男気ありすぎな活躍を見せてくれた般若。昨年のチャンプ:GOCCIに続き、今年もチャンプに話を訊いた。相変わらずの、ボースティングに冗談、そして本音が入り交じる般若らしいインタビューとなったが、彼の発言の数々にはMCバトルの現状に対する鋭い問題提起に満ちている。般若のファンやリスナーはもちろん、現役でバトルに出場しているバトルMCにも是非読んで頂きたい。

■優勝しての感想は?
「うーん、残念なチャンピオンが生まれたよね……まあ、真面目に答えると、結果論としては『まあ、勝ててよかったよね』って。でも、思ったよりも実感ないよ、正直。今回はケジメのために出た部分があったから、そこに対してはよかったのかな、って」

■そもそも今回のUMBに出るに至った経緯は?
「ずっとどうしようかな?とは思ってて」

■2007年のファイナルでライヴをやったじゃないですか。
「漢とやったやつでしょ?あれの前にHIDADDYの『ひとり旅』があって。どうやら俺の収録が一番長かったらしくて、なんとなくHIDADDYに『俺、(UMB)出たら勝てるかな?』って訊いたら『イケると思う』って言われて。そのときぐらいから意識し始めたっていうのはあった。で、チッタのファイナルで漢と一曲演ったわけだけど——これは今だからオープンにするけど——出るか出ないかで迷っていたけど、『出る』って公言しちゃうなら今しかないな、って思ってあのときに『出る』って言っちゃったんだよね。そうすれば覚悟も決まるし。自分の中ではずっと負けると思ってたよ。あんま分かってなかったし、あの日の試合も埼玉でライヴがあったから観てないんだ。でも、言ったからには出るしかねぇな、って」

■最近のバトルの状況を般若君が把握していたわけではないんですね。
「分かるわけないじゃん。UMBのDVDは何本かもらってたけど、チラッとしか観てないし」

■最近はバトルに足を運ぶこともないでしょうしね。
「だいぶボケた状態で出たね。6年振りだったし」

■6年振りに出たバトルは感覚的にどうでしたか?
「(東京)予選はメチャクチャ緊張したね。あの日はもちろんルールも知らなかったし、前日ライヴがあって、そこから流れ込んでったようなモンだからさ……人数多かったモンね、出場者。『ちょっとどーしよう?』みたいに思ったけど(笑)、とりあえず流れに任せてみようかな?って。で、1回戦の相手がDOTAMAってヤツだったでしょ?アイツのディスが効いたのかもしれないね、正直。ヤツが一回戦で俺と当たったがためにこの流れになったっていうのはあるね。アイツ先攻だったでしょ?みんなは俺のことを知ってるかもしれないけど、俺はハッキリ言って誰のことも知らないし、俺は良い材料じゃん?俺も、数年振りに初対面のヤツにいきなり『「根こそぎ」以降良いアルバムは出してねぇ』とか『SEEDAにそっくりだ』みたいなこと言われて(笑)。あの瞬間『俺、マジメにやってきてなんでこんなガキに言われなきゃいけないんだ?』ってフテって『オメェ誰だ!?』ってなって。スッゲェムカついてたから『俺、負けた』って思ったんだけど、勝っちゃった。その後は完全に感覚を取り戻してった感があるな」

■その後は比較的簡単に勝ち進めた?
「うん、そうだね、誰が何とは言わないけど、大体途中から分かってたよね。ちなみにMASARUとRUMIとのバトルに関しては言うことないよね。『何でコイツらと当たるんだよ』って思ったし、勝ったから言えることだけど当たっちまったモンはしょうがないからね……あと、東京予選に関して言うと、出番前にステージ袖に行ったら、出場者が一同に会して下向いて円になって順番待っててさ。で、それを見て俺は、言葉は悪いけど『あ、コイツらバカだ』って思った。なんでみんな一緒になってここにいなきゃいけないの?って。俺は他のヤツの試合も観てないし、ただ自分のコンディションを整えていたし。そこの意識が他のヤツより勝っていたと思うし、勝ってたのはそこだけだと思うよ」

■6年前に現役でバトルに出ていた頃と比べてバックステージの出場者の雰囲気とかに変化はありましたか?
「違ったかな。ひとつ言いたいのは、テンションが下がってお葬式みたいになるんだったらハナから出るな、って話だよね。俺は他人と何かを共有したいわけじゃないから。あと、一番デカイのは、俺は6年間何もしてなかったワケじゃない。6年の間、本当の意味でのバトルをやっていたワケだから。毎週のようにいろんなところ廻って全国行って、そうやって闘ってきた人間だから、そういうところはデカイよね。ステージングから何まで、細かいことになっていくと思うけど。ぶっちゃけスキルとか内容的な面では俺は他に勝ってないと思うよ。俺より上手いヤツはゴマンといるよね。俺の意識的なモノ、要はハッタリで勝っちゃったんじゃないの?ホント冷静に考えてみたら、俺より上手いヤツ、マジでいっぱいいたじゃん?そこは今でも思ってるもん。でも、違ぇんだよ。みんな見えてないんだよ、その先が」

■般若君がどういう部分において優れていたかってことを考えると、トータル的なパフォーマンス力だったと思うんですよ。そこにハッとさせられたし、一方でコレがバトルの本質的な部分であるべきだとも思いました。
「うん。あとは俺の中の計算抜きの部分も大きいね」

■般若君が見た目的に際立った部分としては、ファイナルで般若君だけセコンドを付けなかったというのもあると思うんですが。
「俺はなんでセコンドなんて連れてかなきゃいけないんだ?って思ったんだ。だって、戦うのは俺じゃん?俺はひとりで乗り込むつもりだったし。プラス、周りが東京から来そうな雰囲気があったから、みんなに『来ないでくれ』って言ったんだ。でも、誰とは言わないけど、それでも来るって言う人間はいて(笑)。気持ちはもちろんありがたいんだけど、俺が東京代表になった以上『任せた』って言ってくれた方が気持ち良いし、東京から来られると東京の人間が安く見られんじゃん?俺は東京背負って行くぐらいの気持ちで行ったからさ。他元に乗り込んでいくのにゾロゾロ連れて行くこと程カッコ悪いことってないじゃん?っていうのが俺の中であったから、やりたくなかったけど動画に撮ってYouTubeにコメントをアップしたんだ。で、いざ会場行ってみりゃみんな仲間をゾロゾロ連れてきてるワケじゃん?なんでみんな控え室で仲良しこよしやってんだろ?ってずっと黙って見てた。そのとき、『俺がおかしいのかな?』って思ったんだけど『そうじゃなくて、コイツらがおかしいんだ。なんでこんな仲良しこよしやってる○○○野郎に俺が負けなきゃなんねぇんだ』って思いの方がデカくなって。俺、スゲェムカついてたもん」

■大阪でもステージ裏は和やかな雰囲気だったんですね。
「そんな感じがしたよ。俺はずっとiPod聴いてたんだけど。大会側からは控え室から出るな、って言われてて、『一応平等にやんなきゃいけないのかな?』って思ったけど、あまりに周りが気持ち悪いから一回外出ちゃったしね。試合始まってからは結構会場にいたけど……ダメだね、俺から言わせりゃ。格闘技じゃなくてラップだけど、要は殺し合いなワケじゃん?言葉は悪いけど。(般若のサイト上の)ブログでもこの件については言ってるんだけど、そういうところを忘れないでほしいというか、そういう俺の遺伝子を誰か受け継いでいってほしいよね」

■ファイナルで戦った相手で印象に残っている人は?
「決勝のヤツ(Y.A.S.)。アイツに関しては最初負けたと思ったからね。結構ギリギリだったと思うよ」

■客席から観てても、決勝の最初のラウンドは、般若君があの日唯一追い込まれた瞬間だったと思いました。実際、延長戦になったわけですし。
「俺は彼のことは知らなかったけど、良いラッパーだと思ったよ。アイツは強かったし、アツかったから気持ちはスゲェ伝わったよ。あのバトルは僅差だよ。俺が今まで戦ってきた相手の中でも相当強かったね」