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Amebreak AWARDS 2011(7/8) BEST MITAPE ALBUMS


ISSUGIやS.l.a.c.k.といった他のDOWN NORTH CAMPの面々に比べると、ここ数年は活発な活動を展開していたとは言い難い仙人掌だが、その高いリリカル・センスを評価する人は多いし、本作も久し振りにまとめて聴ける仙人掌ということで、多くのヘッズに支持された。タイトル通り、疑似ライヴ的にラフな環境でレコーディングされたロウな聴感は正しくDNCフレイヴァー全開。B・ボーイ・メンタリティを強く感じさせるパンチラインの数々を繰り出すそのデリヴァリーは、否応無しに首を振らせる強い中毒性を持つ。(伊藤)
 
 

データのやりとりによっての楽曲制作は既に珍しいことではないが、ユニットの結成経緯や、その制作された楽曲もデジタル・リリースという、インターネットの有用性を体現したMCのLBとトラック・メイカーのOtowaによるユニット:LBとOtowa。打ち込みの強い現代的なOtowaのトラックと、それを軽やかに乗りこなすLBのラップのコンビネーションは、フリー・ダウンロードでもこれだけのクオリティを提示出来るという、新世代の矜持を感じさせるような作品。(高木)
 
 

毎週火曜日にフリー・ダウンロード楽曲を発表するという企画から派生したKOJOEのミックステープ・アルバム。NY叩き上げのノー・ギミックなバイリンガル・フロウは既に多くのリスナーの耳を圧倒しているが、ソウルフルな歌声も本作ではたっぷり披露されていて、その表現力の幅広さには感服させられる。フリー・ダウンロード界隈のキーマンが多数参加しているのもポイント。年末に発表されたVOL.2も是非!(伊藤)
 
 

環ROY/鎮座DOPENESSというラップ巧者のド注目タッグということで、発表から何日もダウンロード・アドレスがパンクしていた本作。聴きながら「あれ、この曲……●●じゃん!」と思ってニヤニヤしてたら、多くのトラックをJ-POP/歌謡曲からのサンプリングによって構成された快(怪?)作。CHERRY BROWNやMINTといったアーティストがJ-POPのビート・ジャックを散発的にアップロードしていたが、この作品もいろいろな部分がグレーゾーンであるネット・アップロードだからこそリリースできた作品だろう。(高木)
 
 

「MINT & Girlz N' Boyz presents SUPER FREE」「Girlz N' Boyz Presents sex, lies, and download file vol.1」をはじめ、フリー・ダウンロードの形態などでリリースされたMINTの楽曲を、J-POPなどの楽曲をリミックス/リエディットした楽曲を発表しているPsycheSayBoom!!!がメガミックスしたのが本作。原曲のラップを忠実に使うのではなく、素材としてチョップ/カット・アップし、エレクトロ・ビートに組み合わせ、圧倒的なダンス・ミックスとして完成している!(高木)
 
 

ベスト・ミックステープ

伊藤「ニュー・カマーの商業リリースが少ないのは、ミックス・テープ/フリー・ダウンロードに流れてるからっていうのは半分正解で、半分はまた違う要因だと思ってるんだ。正解という意味では、今の知名度で出してもそんなに売れないからまずは名前を売ろうってミックステープ制作に流れるっていうのがあると思う。それはLBとOtowaだったり、ランクに入らなかったけどKENTZみたいな人だね。でも、そこら辺の作品は、ビートジャックみたいな本能的な作品とは違って、ミックステープ/フリー・ダウンロードを使って何をするかってことまで考えた作品だったって部分もあるから、またそこにグラデーションがあるよね。一方で、ミックス・テープを『売る』って方向で作り続けてる人もいるわけで、そこも多様化してきてるよね。でも、ミックステープを売ろうとしてる人は、90年代志向だったり、オーセンティックなフォーマットを目指す人が多いのかな。それは仙人掌だったりKOJOEだったりSMITH-CNだったり。ISH-ONEが手掛ける『JP STATE OF MIND』はYouTubeで公開されたビート・ジャック物をCDにも入れたりしてて、フィジカルとフリーの良いとこ取りな仕様なのが毎回面白いね」

高木「絶対売り物に出来ないという意味ではKAKATOが面白かったな。懲役レベルのサンプリングで(笑)」

伊藤「こういう形のビート・ジャックもあるっていう提示をしてるし、捻くれてる(笑)。好き勝手やってるという意味ではミンちゃん(MINT)のラッパーとしてのオリジナリティはやっぱり凄いって『MMM』では思わされたね。来年以降のこのシーンはどうなるんだろう?『JPRAP.COM』がミックステープ・レーベルを立ち上げるって話もあるし、もっと奇抜だったり、変すぎて流通に乗せられないような作品が出てきたりすると面白くなるよね」

高木「あと、小林雅明さんのご執筆された電子書籍『ミックステープ文化論』はUSのミックステープの歴史が中心だけど、示唆するモノがスゴく大きいから、読める人は是非読んで欲しいな。ミックステープ・カルチャーにより興味が沸きました」