出張@hiphop_hype 外伝 |
DATE : 2011/12/31 |

2011年も色んな出来事があったヒップホップ・シーン。その流れをまとめるのは容易ではないですが、超大雑把に10項目をピックし、振り返ってみました。それ以外にも、このAmebreak内での連載「出張HipHop Hype」のスタートやラジオ番組「Inside Out」への参加なども我らHHH的にはありましたが、その辺の出来事は割愛。またベスト・アルバムやベスト・ソングなどの類いは、構成員の各々の意見もありますので、これまた割愛いたします~。2012年も引き続きよろしくお願いいたします☆
選&文:TRIPLE H MAFIA(@hiphop_hype)
01:メイバック・ミュージック(Maybach Music)

メメメ、メイバック・ミュージック!2011年のオーバーグラウンドなヒップホップ・シーンはメイバック・ミュージック(MMG)の年だったと言っても過言じゃないでしょう。初となるクルー・コンピ『MMG Presents: Self Made Vol. 1』から"Ima Boss"や"Tupac Back"といったストリート・ヒットを生み、両曲でリード(?)をとったミーク・ミルがスーパー・ブレイク。そのミーク・ミルやピル、ティードラ・モーゼス、スターリーとともに今年MMGへ新加入したワーレイはいち早く移籍第一弾アルバム『Ambition』をリリースし、好セールス&リアクションをゲット。
その"Ima Boss" や"Tupac Back"、さらにはリル・ウェイン“John”、DJキャレド“I’m On One”など今年を代表するヒット曲に軒並み絡んでいたハッスル・ハードなリック・ロスは、移動中の飛行機内から病院に緊急搬送されるなんて事件もありましたが、無事に復活。その影響で年末リリースがアナウンスされていた最新作『God Forgives, I Don't』は来年に持ち越しとなったものの、全部新曲って噂の最新ミクステ『Rich Forever』も間もなく発表、と新作リリースへ向けて再びエンジンをかけ直し始めているご様子です。
その反面、ちょい忘れられがちだったのがトリプル・Cズの面々でしたが、一番人気なガンプレイはワカ・フロッカ・フレイムとのコラボ“Rollin”(実際の発表は2010年末ですが)をスマッシュ・ヒットさせ、最新ミクステ『Bogota』もカミングスーンと、来年はこちらの動きにも注目したいっすね!
02:ヤング・マネー・キャッシュ・マネー・ビリオネアーズ(YMCMB)

MMGとともに今年(も)絶好調だったYMCMB。2010年末に先行曲“6 Foot 7 Foot”が発表されたリル・ウェインの「Tha Carter」シリーズ最新第4弾となる新作『Tha Carter IV』は、8月についに発表され、リリース前の数々の楽曲リークにも関わらず、初週で100万枚近いセールスを記録。直前にリリースされたジェイ・Z&カニエ・ウェスト『Watch The Throne』が作ったiTunesの初週セールス記録も4日間で更新するほどの勢いで売れまくり、また、収録曲“Its Good”でのジェイ・Zへの口撃(ジェイ・Z&カニエ・ウェスト“H.A.M.”でジェイ・Zに揶揄された返答)したり、新たなクロージング・ライン「Trukfit」をスタートさせたり、引退を匂わす発言をしたり、とウェインは多くの話題を2011年も提供してくれました。
また、その『Tha Carter IV』にセールス的には及ばないものの(それでも初週約64万枚のセールスで早くもプラチナをゲット!)、ドレイクは"Marvins Room"や“The Motto”といったストリート・ヒットも生み、ジャンルレスで注目を集めた新作『Take Care』をリリース。ニッキ・ミナージは来年リリース予定の新作『Pink Friday: Roman Reloaded』から新曲“Roman in Moscow”と“Stupid Hoe”を、バードマンは来たる新作『Bigga Than Life』からの先行曲としてウェインとニッキをフィーチャーした"Y.U. Mad"を各々発表。さらにバウ・ワウやタイガ、リル・トゥイストらも新作へ向けて新曲やPV、ミクステを発表し、2012年も引き続きYMCMBとしての猛攻は衰えなそうな予感であります。
03:オッド・フューチャー(Odd Future Wolf Gang Kill Them All)

(上の動画は削除されてるのでこちらをどーぞ)
既に以前からコア筋の間で注目を集めていたLAのコレクティヴ、オッド・フューチャー・ウルフ・ギャング・キル・ゼム・オール(OFWGKTA)が、その名を一躍広めたのは、この「Late Night With Jimmy Fallon」でのタイラー・ザ・クリエイターらのパフォーマンスがキッカケだったような気がします。
その後のクルーの活躍は多岐に渡りすぎていて簡単にはまとめられませんが…首謀者のタイラー・ザ・クリエイターはPVも大きな話題となった"Yonkers"や“She”を収録したソロ作『Goblin』をリリースし、ゲームやプッシャ・Tらの作品にも参加。
その“She”に参加していたシンガー/ソングライター、フランク・オーシャンはミクステ『Nostalgia, Ultra』も話題となって、デフ・ジャムと契約。結局2011年内でのリリースは実現しませんでしたが、ジェイ・Z&カニエ・ウェストやビヨンセらの作品へ参加し、海外でのソロ・ツアーも実現。
ホッジー・ビーツとレフト・ブレインのユニット、メロウハイプは2010年リリース作『BlackenedWhite』をオフィシャル・リリースし、シド・ザ・キッドとマット・マーシャンによる注目のユニット、インターネットはデビュー・アルバム『Purple Naked Ladies』を発表。そしてドモ・ジェネシスやマイク・Gらも個々で作品を発表、とメンバーごとの活動も盛んで話題に事欠かない一年でありました。
オッド・フューチャーとしても、世界各地のフェス、ショウで圧倒的なパフォーマンスを披露し、SUMMERSONICではまさかの来日が実現。ソニー傘下の配給会社REDとレーベル契約し、まずは個々のソロ・ワークスも含めた初心者向けクルー・コンピ『12 Odd Future Songs』を配信で発表しましたが、2012年はクルーとしての新作リリースと再来日に期待したいっすね!
04:エイサップ・ロッキー、フレンチ・モンタナ、バスタ・ライムス、ミスティカル…
(A$AP Rocky、French Montana、Busta Rhymes、Mystikal…)



次々とトレンドが移り変わり、それに伴って展開も目まぐるしく変化していくヒップホップ・ゲーム…ということで、今年も色んなアーティストのビッグ・ディールが話題になりましたが、中でも“Peso”や“Purple Swag”などのヒットで名を売ったエイサップ・ロッキーの、RCA/ポロ・グラウンズとの300万ドル(≒約2億3000万円!)ディールはラージな話でしたねー。エイサップ・クルーのレーベル、エイサップ・ワールドワイドごとの契約って話もあるし、RCA/ポロ・グラウンズ(日本だとSONYさんですかねー)からのエイサップ関連のリリースに期待したいところです。まずはドープなミクステ『LiveLoveA$AP』のデラックス版?
エイサップ以外だと、“Choppa Choppa Down”(a.k.a. ちょぱちょぱだん)や“Shot Caller”のヒットで知られるフレンチ・モンタナはMMGやカニエ・ウェスト率いるG.O.O.D.ミュージック入りが噂されていましたが、まさかのディディ率いるバッド・ボーイと契約し、ワカ・フロッカ・フレイムとコラボした“Wild Boys”が日本でも人気なマシン・ガン・ケリーも同じくバッド・ボーイへ。また、“Gucci Gucci”のヒットやリック・ロスとのビーフで注目を集めたオークランドの女性ラッパー、クレイショーン(Kreayshawn)もSONYと契約、とアンダーグラウンド/ストリートでは色んな動きがありました。
他にもバスタ・ライムスとミスティカルのキャッシュ・マネー入りやショーティ・ロー(D4L)のG/ユニット入りなんてニュースもありましたが、果たしてこの中でどれだけのアーティストが2012年中の新作リリースを実現出来るのか、ってのも興味深いところであります。
05:ウィーケンド(The Weeknd)

ちまたではあの井川遥さんもレコメン、ってネタもバズってるカナダのR&Bユニット、ウィーケンド。3月に唐突にドロップされた初となるミクステ『House Of Balloons』以降、8月に『Thursdays』、12月に『Echoes of Silence』、と発表された作品はどれもダビーでアンビエントな佇まいの高水準な内容でヒップホップ・フィールドでも大きな話題になりましたが、来年にはその3部作にボーナス・トラックを付けてリマスタリング&パッケージ(CD?)・リリースするとか。やばす!
また、ウィーケンドはその登場をサポートした同郷ドレイクの最新作『Take Care』への参加を始め、レディ・ガガやUKのインディー・ロック・バンド、フローレンス・アンド・ザ・マシーンのリミックスを手掛けたり、カナダのヒップホップ・デュオ、エアプレーン・ボーイズの作品へ参加したり、と活動も少しずつではありますが活発化しており、謎に包まれたそのベールの奥も2012年はもう少し明らかになるのかも…?
06:OG・ロン・C(OG Ron C)

スクリュー・ミュージックの第一人者として、かの地(テキサスとか)では畏敬の念を抱かれていたベテランDJ、OG・ロン・C。
ここ最近はウィズ・カリファやドレイク、ケンドリック・ラマー、ビッグ・ショーンといったミックステープ・スターらの作品をスクリュー・ミックス(チョップド・ノット・スロップド・ミックス)し、好事家の間では話題となっておりましたが、チルウェイブやらのトレンドの流れもあって2011年は一気にその名を広め、ドレイク『Take Care』のスクリュード版『Chop Care』やジェイ・Z&カニエ・ウェスト『Watch The Throne』のスクリュー版『Chop The Throne』を始め、ウィーケンドやフランク・オーシャン、ティティ・ボーイ a.k.a. 2チェインズ、スモークDZA、テラス・マーティンら、話題の作品を次々とスクリュードし、一大スクリュー・ムーブメントを巻き起こして(やや大袈裟)、ついにはかつてスウィシャハウスでタッグを組んでいたDJマイケル“5000”ワッツやボス・ホッグ・アウトロウズのDJミスター・ロジャース、DJキャンドルスティックらのスクリュー職人(スクリューワー)とともに新レーベル、チョップド・ノット・スロップド(Chopped Not Slopped)・エンターテイメントを設立するなんつーナイスな展開に!
今後もエイサップ・ロッキーの『LiveLoveA$AP』やマック・ミラー『Blue Slide Park』、ウィーケンド『Echoes Of Silence』あたりのスクリュー版リリースが噂されており、スクリュー人気はさらに過熱していくのではないかと!
07:テック・ナイン(Tech N9ne)
>カンサス・シティを拠点に、インディペンデントのシーンで長きに渡って活動を続けているテック・ナインの最新作が、ビルボード・アルバム・チャートのトップ5入りしたという出来事も2011年の重要なトピック。テック・ナインは客演としてもリル・ウェインやE-40、トラヴィス・バーカーらのメジャー・フィールド作品へ参加し、BETの名物企画サイファーではビッグ・K.R.I.T.、ケンドリック・ラマー、マシン・ガン・ケリー、B.o.B.といった新世代の注目連中とともにマイクを握ると言う大役をゲット。
また、自ら率いるレーベル、ストレンジ・ミュージックからもウェストコーストの注目ラッパー、ジェイ・ロックのデビュー・アルバム『Follow Me Home』に、かつてノー・リミットに所属し、新たに契約したヤング・ブリードの久々となる新作、レーベルのショウケース的な企画アルバム『Welcome To Strangeland』などをリリースし、着実に勢力を拡大している模様で目が離せませぬな。
08:ウィズ・カリファ(Wiz Khalifa)

続々とニュー・スターが生まれていることもあり、かなり前の出来事のように感じてしまいますが…(拙者だけ?)、ウィズ・カリファのメジャー・デビュー曲“Black And Yellow”が全米ナンバー・ワンを獲得したのも2011年の話(発表されたのは2010年)。
その後に発表されたカリファのメジャー・デビュー・アルバム『Rolling Papers』も、ブリトニー・スピアーズに続いてアルバム・チャート2位にインするヒットを記録し、2011年上半期のカリファの猛威はスゴかったすね(下半期は恋人のアンバー・ローズとのアレコレが目立ってた気がしましたが…)。
そしてカリファの率いるクルー、テイラー・ギャングの勢いもハンパなく、構成員のニーコやシェヴィー・ウッズらはコンスタントに作品をドロップ。驚きだったジューシー・J(スリー・6・マフィア)の電撃的な加入劇や女性ラッパー/ビデオ・ヴィクセンのローラ・モンローとの契約なんてニュースの他にも、スヌープ・ドッグとの現代版「チーチ&チョン」なスモーキー・タッグでの映画「Mac and Devin Go to High School」(先日リリースされたサントラも最高でした!)もあったりと、ウィズ~テイラー・ギャング周辺は2012年もシーンを盛り上げてくれるんじゃないでしょーか。
またロストラムのレーベル・メイト&同郷のマック・ミラーの大ブレイクも、ミックステープ・スターとしてメジャーでの成功の道筋を作ったカリファの存在ありき、だったのかもしれないっすね。
09:ジェイ・Z&カニエ・ウェスト(Jay-Z & Kanye West)

2011年初頭に発表されたファースト・シングル“H.A.M.”以降、話題をかっさらいまくったジェイ・Z&カニエ・ウェストのタッグですが、8月にリリースされたアルバム『Watch The Throne』が各音楽誌/ウェブなどの各メディア&識者が選ぶ2011年のベスト・アルバムに、収録曲の"Niggas in Paris"(や“Otis”あたり)がベスト・ソングに各方面で選出。あらためて、その影響力の強さを再確認した方も多いのではないでしょーか。拙者も、です。ざっしっくれい!
10:R.I.P. …


記憶に新しいブリック・スクワッドのスリム・ダンキンを始め、今年も多くの訃報が届いてしまったヒップホップ界ですが、中でも"Now That We Found Love"や“Is It Good To You”などのヒット曲で知られるヘヴィー・D、"The Next Episode"や“Bitch Please”などドクター・ドレーやスヌープ・ドッグらの作品には欠かせない存在だったシンガー、ネイト・ドッグ、また、ヒップホップ・シーンとも縁の深いギル・スコット・ヘロンやエイミー・ワインハウスの急逝は大きな衝撃を与えました。あらためてご冥福をお祈りいたします。。
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