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READ THE "LABELS"! VOL.2: 術ノ穴

インタビュー/写真:高木“JET”晋一郎

 
 kussyとdeiiからなるトラック・メイカー・ユニット:Fragment。そして、同時に主宰するレーベル:術ノ穴のレーベル・オーナーでもある。
 
 これまで術ノ穴は、彼ら自身の作品と共に、環ROYやDOTAMA、キリコといったラッパー、泉まくらやバクバクドキンといったフィメール・アーティスト、三回転とひとひねり、禁断の多数決といったバンド系や、エンヤサン、ゆーきゃんのようなSSW系まで、幅広いアーティストをリリースしている。もちろん、彼らの根底にはHIP HOPがあり、リリースされているアーティストも、ロック系も含めHIP HOP以降という部分を強く感じさせる作風のアーティストが多いわけだが、その意味では、彼らなりの角度から見たHIP HOPのイズムを体現しているレーベルということが言えるだろう。
 
 今回は、術ノ穴の原点からこれまでの動き、レーベルの行動原理やイズムなど、彼らがどのような意識で術ノ穴を動かし、どういった波紋を起こしたいと思っているのかを全般的に伺った。
 
 
■まず、レーベルとしての術ノ穴の立ち上げは、2004年とのことだけど。
kussy「ちょうど10年前ですね。でも、『レーベルをやるぞ!』って立ち上げたわけじゃなくて、Fragmentとして色んなレーベルにデモ音源投げてたんですけど、それがどこにも引っかからなくて。じゃあ、自分たちでアナログをリリースしようって思ったときに、レーベルとレーベル名が必要になったので『術ノ穴』って適当に決めて。だから流れで立ち上げたというか」
deii「それで『繋』っていうアナログを切った。だから、最初はFragmentを出すためのセルフ・レーベルとしてのスタートでしたね」
 
■ちょうどHIP HOPにも個人レーベルも増えてきた時期だから、他のレーベルに仲立ち的なこともお願いできたと思うんだけど、それはしなかったんだ。
kussy「友達がいなかったんで(笑)。そういう知恵もなかったし。だから、どうやったら出せるかってことしか考えてなかったんですよね」
 
■それは埼玉で活動してるっていう地域の問題もあるのかな。
kussy「かもしれないですね。東京に住んでたら、音楽の友達ももっと出来て、他のレーベルと繋がりも深くなったりしたのかもしれないけど。常に主流に乗れないし、その時期はかなりコミュ障な人たちだったんで(笑)」
 
■では、出すためのノウハウ、レーベルを立ててリリースにこぎ着けてっていう一連の流れは誰に教わったの?
kussy「インディのCDって、中に連絡先が載ってたりするじゃないですか。で、KOCHITORA HAGURETIC MC'Sの前身の、SEVEN CUPS OF CHAIってグループがいて、彼らのCDを買ったんだけど、何を思ったか『あんまりラップに個性がないと思います』みたいな、スゲェ生意気なメールをして(笑)」
 
■クレーマーだ(笑)。
kussy「完全に危ないヤツなんだけど(笑)、向こうも『ご意見ありがとうございます』みたいに反応してくれて。で、そのメールの相手が、当時はDJデルタケって名前でSEVEN CUPS OF CHAIのメンバーだった、その後にFILE RECORDSに行く桑田君だったんですよね。で、デルタケが当時、原楽器(インディの流通を手がけていた会社)にいて、『リリースしたいなら手伝うよ』って言ってくれて、僕らの最初のアナログからキリコの1st『僕は評価されない音楽家』ぐらいまでは、原楽器の流通でお世話になりました」
deii「だから、そういうノウハウは桑田君からかなり教わってますね」
 
■術ノ穴は、Fragmentのリリースの後には、bugficsのリリースに繋がるけど、これはロック・バンドだよね。
deii「術ノ穴自体、最初は自分たちがどこかのレーベルに引っかかるまでの繋ぎだったはずなんですけど、当時、近くにいたbugficsが彼らも全国流通リリースをしたいって言うことだったんで、じゃあ術ノ穴の“名前”と“銀行口座”を貸したという感じでしたね。その後(のリリース)が、ラッパーのキリコでした」

■その意味では、初期からHIP HOP/トラック・メイカーだけのレーベルという意識ではなかったんだ。
kussy「自分たちは元々ラップもバンドもやってたし、海外のNINJA TUNEやMO' WAX、anticonなどのレーベルを好んでたので、自然とジャンルレスな意識になってましたね」
 
■そういった最初期の儲けはどれぐらい?
kussy「アナログはトントンぐらいだったと思います。Fragmentの一枚目は、500枚売れたとかそういう世界で。そんな感じで、お金の面ではやりくりの仕方が分からずにかなり厳しく、最初の3〜4年は、年に一枚リリースするのがやっとでした」
 
■では、“レーベル”という意識が固まってきたのは?
deii「環ROY × Fragment『MAD POP』のリリースで、レーベルをしっかりやっていこうという意識が芽生えましたね。
kussy「やっとレーベルの運営がわかってきたんですよ(笑)。『MAD POP』のリリースを機に、レーベルとしてもノウハウが作れたり、メジャーとも仕事していけるようになって。仕事を辞めてレーベル運営に専念できるようになったのも、それ以降からなんですよね。まだまだ今も懐事情は不安定なんですけど、『MAD POP』以降、リリースの売り上げからマージンをもらってます」
 
■それは普通だよね(笑)。
kussy「今は、原盤制作費やプロモーションなどに関わる費用は、全てレーベルで持って、利益をアーティストと折半になるような形をとってます。レーベルがアーティストから搾取しすぎてダメになるケースなど沢山見ました。だからと言って、いちアーティスト/いちレーベルのレーベル不要論も分かるんだけど、アーティストとレーベルが50%同士の良い関係を築けるのであれば、お互いがプラスに活動を続けられるとは思っています、且つ、ウチのレーベルは、リリースに何が幾らかかったか、アーティストに全部見せるんですよ。それをやって、アーティストに理解してもらってるっていう、“信用”しかウチにはなくて。慎ましくやってるけど、お金かけてるところはかけてるっていうのが重要だと思うんですよね」
 
■事務所は大宮って聞いてたけど、実はその先の日進っていう駅で、更に駅からは結構距離もあって、その意味では事務所の家賃は相当安そうだけど。
deii「書いてもらっていいんですけど、3万円のワンルーム・アパートです」
 
■レーベルを立てますって言ったら、基本は都内に立てるよね。特に東京近県だったら。
kussy「でも、この場所に不満はないし、事務所の家賃に高いお金をかけるんだったら、アーティストのプロモーションにお金をかけたいし……どこでもいいんですよね、正直場所は(笑)。俺らのアルバムに『NARROW COSMOS 104』って作品があるんですけど、この部屋が104号室で、実際に狭い(=narrow)。でも、『アイディアさえあれば、無限の宇宙だよ』って気持ちです。アーティストが死に物狂いで作った作品で、裏方の人たちが六本木ヒルズに事務所構える意味ってないと思う。大げさな喩えだけど」
 
■レーベルを良い場所に構えるのは利便性もあるし、それによる信用性もあると思うんだけど。
deii「めちゃくちゃ売れてるレーベルだったらいいですけど、そこまで大きなお金を生み出しているわけではないし、術ノ穴は慎ましくいきます。せめて2Kかなと(笑)」
 
■話は変わるけど、レーベルとしてアーティストをピックアップする判断はどうやって進めているの?
kussy「基本的には“カウンター”ってことを意識してます。抽象的な表現だけど、“ど真ん中”がセンスとして苦手なんで、端っこにいるんだけど、俺らが助ければどうにかなるんじゃないかなって思うような人を手がけたいって思うんですよね」
deii「デモも、多いときには月に何十本も送ってもらうんですけど、その中にカッコ良い人はいっぱいいるんですよ。でも、王道のカッコ良い、何もしなくても売れそうなのは『これは他のレーベルで手がけた方がいいでしょ』って思っちゃう」
 
■うーん……それは“ビジネス”としては正しいかは分からないね。
kussy「だから、まだ原石だったり、流行りではなくても俺らと絡むことで光るのでは、と思えるアーティストを手がけたいんですよね。来年、トラック・メイカーのMichitaさんの作品をウチからリリースする話を頂いたとき、Michitaさんは大好きなトラック・メイカーなのはあるんですけど、『果たしてリリースするべきはウチなのかな』って戸惑いは一瞬あって。既に名前のある人だし、そのリリースは術ノ穴の今までの流れと整合するかなって。だから、Michitaさんには、『術ノ穴のカラーを込めて大丈夫だったらウチから出しましょう』って提示させてもらって、それでOKを頂いたんで、今進めようとしてるところですね」
 
■当然だけど、レーベル・オーナーとしてはレーベル・カラーのコントロールだったり、A&R的な動きは必要だよね。
deii「アーティストが思い描くイメージを大事にしますけど、レーベルのアイディアや意見を話し合いながら進めます。特に、泉まくらの作品はトラック・メイカーのチョイスが上手くいき、彼女の魅力を上手く引き出せたと思いますね」
 
■泉まくらの話が出たので、所属するアーティストの参加理由について聞きたいんだけど、泉まくらはどのような流れで術ノ穴に合流することになったの?
kussy「術ノ穴が出してる『HELLO!!!』というコンピにデモを送ってきたのが最初で、光るモノは感じたけど、このまま誰も手掛けなければ埋もれちゃうのかな、と。環境を与えれば光るのかな、と思い声をかけました。その意味では、所属としてマネージメントしてるのは泉まくらとDOTAMAだけですね。他のアーティストに関してはお手伝い程度というか。本当はマネージメント機能もやりたいんだけど、現状では手が回らないんで。もうひとり雇えれば、それは出来るのかなって思うんですけど」
 
■DOTAMA君も泉まくらさんも、リリースしたときはまだほとんど未知の存在だったわけだよね。言い方は悪いけど、術ノ穴のアーティストは、ほとんどそういうタイプだと思うんだけど、そういった、ほぼ無名のアーティストを出すのは何故?
kussy「そうじゃないとワクワクしないっていうか。泉まくらも、たまたま売れたけど、リリースのときは誰も知らない女の子だったし。環ROYと『MAD POP』を出したときも、彼は(当時)ダメレコの所属ではあったけど、そこまで注目されてなかったと思うし、一枚目の作品を聴いて『ROYが光るのはこれじゃないよな』って生意気にも思ったんですよね。それで、『MAD POP』で僕らの考える、ROYが光るイメージをぶつけたら、数字(売上)も出たし、HIP HOP以外の場所からの評価も得れた。あのタイミングで『俺らのセンス、間違ってないじゃん』って思ったんですよね」
deii「ドンピシャだったなって自信も持てて」
 
■それがモティヴェーションになったと。
kussy「そうですね。もちろん、レーベルとして大きくなりたい/したいっていう野望はあるし、それもモティヴェーション。だけど、それが変な力だったり、納得のいかないもの、自分たちの流儀を曲げるようなものでステップ・アップはしたくないなって。もちろん、10年前よりは大きくなったし、デモの数から考えると、アーティストからも支持は受けてると思うんで、このまま進んでいけばいいのかなって。その中で、また新たな才能と出会えるかもしれないし」
deii「まくらの一枚目を出したときに、最初はオーダーなんて微々たるもので。だけど、それがどんどんバック・オーダーで売れていって、そのときに、『良い音楽は売れる』って改めて確信が持てたんですよね。この時代でもそれはちゃんと通用するんだって再確認して。どの作品も自信を持って出してるし……」
kussy「ちゃんと見つかれば売れるだろうなって思ってますからね」
deii「そこは信じるしかないよね」
 

LtoR:kussy/deii

 
■11月にはMACKA-CHINのアルバム「静かな月と夜」も出るけど、その繋がりも興味深いよね。
kussy「NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDはすごい好きだったし、その中でもMACKA-CHINさんの大ファンで。MACKA-CHINさんのトラックって、テクノや実験音響っぽい部分があったりして、『Fragmentのセンスと近いな』って勝手にシンパシーを覚える部分があった。出会いは、たまたまサービス・エリアで飯食ってたら、ニトロの一行に会ったんですよ。そういう偶然が最初で」
deii「『MAD POP』を出したタイミングだったんで、それをMACKA-CHINさんに渡したら、MySpace経由でお褒めのメールを頂いたんですよね。そういう流れで繋がりが深くなり、僕らの作品で“調整 feat. MACKA-CHIN”生まれました」
kussy「この事務所にもちょくちょく遊びに来てくれます。最近、レーベルの機能がしっかりしてきたのは、MACKA-CHINさんに権利のことなどを教わったからなんです。『知識がないと、何かあったときに対等に戦えないよ』って。そうやってホントに育ててもらったと思いますね。しっかり恩返ししていきたい」
 
■禁断の多数決の「エンタテイメント」収録曲“ちゅうとはんぱはやめて feat.泉まくら”は、術ノ穴からリリースする禁断の多数決、リミックスを手がけるTomgggは所属ではないけど、maltineからのリリースもあるアーティストで。その意味では、術ノ穴/maltineっていう、注目度の高い新進の、且つ複数アーティストの所属するインディ・レーベルが顔を揃えた作品になると思うんだけど、そういった他のレーベルとの連携は考えてる?
kussy「DOTAMAがmaltineからリリースしたり、tofubeatsが術ノ穴コンピ『HELLO!!! Vol.2』に参加してたり、PARKGOLFが来年ウチからリリースを予定してたり。そういう、レーベルを横断した繋がりや親和性はあるんですけど、そんなに共闘的なイメージはないですね。僕らは彼らほど頭が柔らかくない(笑)。ただ、良い才能は囲い込まず、共有しなきゃダメだなと思う。ウチから出してるアーティストに対しても、『もっといいレーベルから声がかかったらどんどん行きなよ、それでダメだったらまた戻ってくればいいからね』って言ってて。『所属!』みたいな強い意識が大事なときもあるけど、可能性を狭めるときもある。メジャーが正解ではないけど、橋渡し出来るぐらい僕らも力つけたいですね。バクバクドキンもウチから今は出してますけど、メジャーでも注目される才能だと思うし、ウチからリリースすることで、そういう橋渡しをしたいと思いますね。どのアーティストにもその意識は持ってますね」
 
■バクバクドキンは、元々TEI TOWAさんのところにいたんだよね。
kussy「そこを離れたときに、リリースで悩んでたんで、じゃあ、ウチのレーベルでよければ協力するよって、それで『バクバクドキン』をリリースしたんですけど、そこもタイミングでしたね。でも、とにかく彼女たちはやってることが狂ってるし、相当尖ってる。才能が爆発してるし、アンダーグラウンドな評価だけじゃなくて、私立恵比寿中学のシングルのカップリングで“チュパカブラ”って曲もやらせてもらったり、メジャーでも通用してて。だから、もしかしたら、ヒャダインに近いぐらいの作家になれると思うんですよね。メチャクチャ気合いも入ってるし、良い才能をサポートできて良かったなって」
 
■基本的に、カウンター的なアプローチのアーティストが多いと思うんだけど、それはレーベル・カラーにも通じる?
kussy「そうかもしれないですね。主流に対するカウンターってメンタルはずっとある。それは屈折でも嫉妬でもあると思うんですけど。だから、Amebreakも昔は大嫌いだったし(笑)。もちろん、認められたい欲はスゴくあるんですけどね。般若さんにFragmentのビートを“ジレンマ feat. MACCHO (OZROSAURUS)”で使ってもらったときは、HIP HOPのシーンから少しは認められたって思えましたね」
deii「だから、アイドルのリミックスやプロデュースをさせてもらったときも、相手に合わせるんじゃなくFragment色全開で行かなきゃなって」
kussy「だから、真ん中がもっと強ければ強いほど、俺らもやる気が出るんですよね。真ん中っていう意味では、R-RATEDはめちゃくちゃイケてるし、尊敬すべきレーベルだと思うけど、当然だけど自分たちはそこを目指すべきではないなって。それから、HIP HOPのレーベルよりも、成功例としてお手本にするのは、HIP HOP外のレーベルの方が多いかなって。例えば曽我部恵一さんのROSE RECORDSみたいな、アーティストが社長もやって、しっかりと運営できてるレーベルを目標にしてますね」
 
■では、アーティストを選ぶ際の一定の“基準”的なモノは?
kussy「バンドの人たちや、他のジャンルの人たちが聴いて、カッコ良いと思うモノっていうのは、判断基準としてありますね。僕らも、フジロックとかフェスに出させてもらうようになって、それを強く感じるようになって。そこで感じるのは、HIP HOPのイメージ通りのHIP HOPアーティストは、多分そこではウケないだろうなってことなんですよね。事実、PSGとか鎮座DOPENESSはしっかりロックするから。そのポイントってスゴく大事なことだと思うし、そういう『ジャンルを飛び越える力』は、レーベルとしてはかなり意識してますね。逆に、三回転とひとひねりはバンドだけど、泉まくらとかポエトリーに興味がある人にも響くと思ってるし。そういうジャンルを跨げる人が意識としてありますね。そうやって全部を『グチャッ』とさせたいんだと思います」
 
■Frragmentとして、トラック・メイカーとレーベル・オーナーの二面があるわけだけど、その塩梅ってどれぐらい考えてる?
kussy「割とそこは客観的だと思いますね。Fragmentが主流のトラック・メイカーではないし。でも、禁断の多数決を出すから、リミックスさせてもらって、レーベルのカラーを出しつつ、自分たちもちょっと参加させてもらおうかな、とか。そこら辺はバランスですね」
deii「Fragmentが中心になってっていうのは、Fragmentの作品でいいから、そこは状況によってですね。並べてみたときに『ここにFragmentが入ってた方が面白いかな』と見えれば入るし」
kussy「まくらの作品も、イメージ通りやると寒い感じになるかもと思って、マニアックなビートを入れるなら、俺らがやろうかなって。だから、ある程度の全体像が見えてからFragmentが加わる方が多いです」
 
■なるほど。術ノ穴としてはレーベル・パーティである『ササクレ・フェス』も運営しているけど、イヴェントをやるのは何故?
deii「レーベル・ショウケースではあるけど、それだけではない、色んなアーティストが観れるフェスにすることによって、ウチのアーティストを見つけてもらいたい。大きなステージっていう体験も貴重だし、それが良いモティヴェーションに繋がってくれるといいなって。集客も増えてるし、手応えもあります。ただ、スポンサーをどこも付けてないんですよ。だから、コケたら俺らがモロにヤバい(笑)。普通はそれを回避するために、色んなスポンサーを取りにいくと思うんですけど、俺たちはノー・スポンサーに美学を感じちゃうんですよね」
deii「それに、そこに頼ると、俺らはだらしないから、スゴい甘えちゃうと思うんですよね」
kussy「それよりは胃がキリキリしてる方がいい(笑)。そのサボれないスリルがいいんですよね、俺らは」
 
■でも、それってやっぱりレーベルの発想じゃなくてアーティストの発想なんだろうね。組織維持よりも個人の快を求めてるって事だろうから。
kussy「でも、それ故に、草の根的な活動が出来てきたし、それでいまだに続けていけてるのかなって」
 
■では、これからの術ノ穴の動きは?
kussy「来年頭に術ノ穴10周年のベストを出します。新しいアーティストのリリースは、トラック・メイカーのMichita、ラッパーのKMC、人力でベース・ミュージックを奏でるDALLJUB STEP CLUBってバンド。トラック・メイカー/ラッパー/バンドが決まってるということで、その意味では、今までの流れからブレずに、且つ拡げられる人たちかなと」
deii「あと、Fragmentとしてのリリースが止まってるんで、来年は出したい。フジロックなどの大型フェスや、香港/韓国でもライヴが出来たんで、海外に目を向けたステップ・アップも出来ればって思ってますね」
kussy「それから、来年からトラック・メイカーに焦点を当てた、術ノ穴とは違うレーベルを立ち上げます。そこで海外と日本をもっと繋げるような動きが出来るようにと思ってますね」
 
■最後に、10年を迎えた感慨はある?
deii「10年やってきたことで、少しは術ノ穴というブランドは出来てるかなと思うんですね。MACKA-CHINさんがウチのレーベルから作品を出すなんて、10年前は考えられもしなかったことだし、そうやって認めてくれる人がいるのは嬉しいし、レーベルを続けてきた意味があったなって。でも、10年続けてきて、やっと最初の通過点を超えたかなって。色んな交渉だったりなど、しっかりした話をちゃんと出来るようになったのは最近だし。でも、初心は忘れずに、泥臭く足を使って、しっかりコミュニケーション取ってっていう、丁寧さは今後も忘れちゃダメだなと思ってますね」
kussy「『10年やるぞ!』ってヴィジョン立てたわけではなく、ガムシャラに目先しか見ずに気がついたら10年経ってたんですよね、そして今に至るというか。10年前とは業界も僕らも変わったけど、昔よりアイデアは沢山あるし、今までの10年とは違う、強い意志での次の10年を目指していけたらなと思います」
 
 
EVENT INFO
ササクレフェス2014

日時:11月15日(土)14:00開場/21:00閉演
場所:渋谷WOMB
料金:前売り 3,000円/当日 4,000円(各ドリンク代別)
LIVE/DJ:KIMONOS/鎮座DOPENESS/寺嶋由芙/バクバクドキン/テンテンコ/MACKA-CHIN/三回転とひとひねり/ノッツ/クリトリック・リス/ラブリーサマーちゃん/DOTAMA/エンヤサン/オカザえもん/食品まつり/ONIGAWARA/DALLJUB STEP CLUB/USOWA(SIMI LAB) × SUNNOVA/呂布カルマ/KMC × STUTS/ほうのきかずなり(禁断の多数決)/加奈子(禁断の多数決)/水蓮寺・J・さひろ(禁断の多数決)/コッテル/Y.I.M/DJ APRIL/KAZUHIRO ABO
VJ:大島智子/leno/GraphersRock/yasudatakahiroとセーラーチェンソー/らくださん/ knzdp(WiFi MAFIA)/kazuya Ito as toi whakairo/blok m
 
プレイガイド:
e+(イープラス) http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002134798P0030001