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INTERVIEW[インタビュー] RSS

晋平太

インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)

「僕のHIP HOP観の総括というか、やっとそれが少し分かってきた。僕にとってHIP HOPは、苦しいときでも一緒にいてくれるモノだったり支えてくれるモノなんだな、っていうことに気付いて。それがなかったら今の自分はいないですしね。誰にとってもHIP HOPはそういう面を持ってると思うから、なるべくポジティヴな言葉をかけたいし、それを伝えたいですよね。ネガティヴな状況はコントロールできないモノかもしれないけど、感情はネガティヴなことがあったときこそポジティヴにコントロールしたいな、って」

 Zeebraに憧れ、がむしゃらにシーン内でのプレゼンスを高めようと、10年以上に渡って活動を続けてきた晋平太。そんな彼が、近年のMCバトルの隆盛に救われたラッパーのひとりであり、そこに自覚的で誇りも持っていることは、4年振りに完成させたニュー・アルバム「DIS IS REPECT」を聴けば明らかだ。自身のスキルをもって、過去10年のMCバトルのアートフォーム向上に大きな貢献を果たした彼は、バトルという現場で掴み、数えきれない程の勝ち負けを経て悟った人生観を、今作で全編に渡って惜しみなく表現している。
 
 近年は、『UMB』での司会業や全国各地で行なっているラップ講座の講師、そして『フリースタイルダンジョン』などTV番組での露出などを通して、ラップ/フリースタイルの啓蒙活動にも勤しんでいる晋平太。そんな彼が今考えるラップ/フリースタイル観、そしてもちろん本作について、たっぷり語ってもらった。
 
 
■ここ数年は、今作に向けての制作はもちろんのこと、ライヴ活動も活発にしていたと思うけど、目立つところだと『UMB』での司会や『フリースタイルダンジョン』などTVでの露出が挙げられるよね。
「この数年で、役割が急に変わっちゃったなあ、っていう。僕の周りを見てもそうなんですけど、下の世代が出て来たことによって、僕らの存在が『ロケット鉛筆方式』で押し上げられていくわけじゃないですか。そんな準備が出来てないまま、下から押し上げられていったタイミングで、たまたま『UMB』の司会になって。『オトナの仕事』って言ったら変ですけど、そこから今までやらなかったような仕事がいっぱい来るようになった。最初は、『え?僕っすか?』って感じでしたけど、『他にいない』って言われて考えてみたら、確かにいないかもしれないな、とも思って」
 
■TVの出演も、自分から出たいと思っても出れるモノじゃないから、「オファーされたから」出てるっていう部分もあるとは思うんだけど。
「そう言っちゃったら身も蓋もないですけど(笑)。僕は、以前は別の仕事をしながらラップしてたんですけど、誰よりもラッパーという職業に対する憧れが強かったと思うんですね。『ラップのプロ』というか。言い方は変かもしれないですけど、ラップでお金になるんだったら僕はなんでもやりたい。もちろん、いろんな意見があって当然ですけど、僕はラッパーになりたかったわけだから、世間の思うイメージと違ったとしても、ラッパーとしての依頼が来て、ラップをすることで仕事になるんだったら、ベストを尽くしたい。もちろん、『えー?』って思うような仕事もあるだろうし、実際そういうこともありますけど、その中で『じゃあ、どうしたらより良いモノになるか』という風に考えたい。僕がその仕事をやらなかったとしても、他の誰かがそれをやるかもしれないし、その誰かがやっつけ仕事をする可能性もあるワケだから、だったら僕が出て一生懸命やりたいな、と思ってますね」
 
■ラッパー=音源制作/ライヴ活動という範囲だけではなく、ラッパーという肩書きが活かせる仕事なら何でもやりたい、ということか。
「そうですね。僕というか、ラッパーにしか出来ない仕事って結構あると思うんですね。僕は言葉を操るプロだと自分でも思ってるし、例えばラップでCMを作るとかも、他の人には出来ないことだと思いますし。やっぱり、頼んできてくれる人がいるから成り立つことでもあるので、前向きに努力すれば次に繋がるし、で、次が来たら最高じゃないですか」
 

■とは言え、大前提としてライヴや音源制作が軸にあるからこそ、今作が出来たわけだよね。
「それはもちろん、当たり前なことで。僕の場合は課外活動が多いから、どうしてもそっちが目立ちますけど、ラッパーの本業としてライヴをして曲を作るのは当然ですよね。だけど、ライヴや音源制作は課外活動に比べたら地道なモノですよね。日々進んでるか進んでないのか分からないような作業の繰り返しなんで」
 
■で、今作はオリジナル・アルバムとしては結構久し振りのリリースだよね。
「ベスト・アルバム『TODAY IS A GOOD DAY TO DIE』から3年で、フル・アルバムだと4年振りになりますね。アルバム制作についてはずっと考えてたし、作ってもいたんですけど、なかなかピースが揃わなかったというか。“世間知らず feat. J-REXXX”とか“ペーパートレイル feat. R-指定”とかは結構前から作ってた曲なんですけど、『コレだ!』っていう感触がずっとなくやってた感じです。この数年は、環境の変化がデカかったというのもあるし」
 
■晋平太君は、2000年代以降のラッパーだけど、2000年代の晋平太君と2010年代の晋平太君では全然印象が変わるね。
「かもしれないですね。今は2010年代以降の僕しか知らないリスナーばっかりだと思いますけどね」
 
■晋平太君のこれまでの道のりや背景を知っているか知っていないかで、今作を聴いたときの印象が変わるのかも、と思って。
「そうですね、最近は『スゲェ優しいヤツ』とか『良いヤツ』みたいに思われてる部分があるかもしれない(笑)」
  
■それはMCバトルでの振る舞い方からも感じてて。以前が「ディスる」感じだったとするなら、今は「諭す」感じになっているというか。いつの間にか「兄貴キャラ」になってるなあ、と。
「僕、ジェントルマンだと思われてますからね(笑)。よくそう言われることがあって、その度に爆笑しちゃうんですけど。昔は野獣みたいだったし、どちらかというと“クソガキ”が代名詞だったんですけどね」
 
■今作のタイトル「DIS IS RESPECT」は、捻ってるけどストレートなタイトルになってるよね。
「最初に頭にあったのはRHYMESTERのアルバム『リスペクト』で、素晴らしいアルバムだからあやかりたいな、と思って(笑)。あと、長年いろいろやってきたけど、やっぱり“リスペクト”が全てだな、と。あらゆる大事なことはリスペクトさえあればなんとかなる。MCバトルでも、今でも勝ちたい気持ちやスキルを見せたい気持ちはありますけど、リスペクトのないやり取りはしたくない。相手の粗を付きまくって、それがすごく的確なタイプ -- 呂布カルマみたいなタイプもいるけど、的確なことを言えるってことは、それだけ相手を見てるってことじゃないですか。それはもう、ラヴでしょ、って。リスペクトのない相手に対してはそんなに集中して相手のことを考えないと思うんですよね。僕のするディスにはリスペクトがこもってると思ってほしいし、相手のディスも『コレはリスペクトの気持ち(の裏返し)だよな』って思ってないと受け止めきれない(笑)」
 
■そういったことに気付いたのはいつぐらいから?
「司会するようになってからですね」
 
■じゃあ、最近なんだね。2005年に『BBOY PARK』で優勝したときや、『UMB』で二連覇したときは違う考えだった?
「あの頃は、とにかく勝ちたかった。出るからには結果がないと意味がないと思ってたから、勝つためにはどうするかを考えていたというか」
 
■確かに、5〜6年前の晋平太君は、バトルで勝つためのフリースタイルを極めに行ってたからこそのあの強さだったんだと思うけど、勝ちに向かうための計算高さが、逆にいやらしく映っちゃうこともあったと思うんだ。相手の先の先を読んでいる感じは、感心したと同時にちょっと引いたもんなあ(笑)。
「引くっすよね(笑)。それに、そこが出すぎると面白くないですよね」
 
■だけど、“試合”として考えると、勝ち続けるために必要な技術でもある。
「でも、結局“ハート”がないと勝ち切れないんですよね。テクニカルな部分で言ったら若いときの方があったのかもしれないですけど、『最後の一勝をもぎ取る』っていうのは、多分テクニックの問題じゃないんですよね。昔の僕は“ハート”の方が強くて、そこからテクニックの部分を磨いていったんだけど、その結果陥ったのが、正に伊藤さんが言ってたようなことで。テクニック重視になりすぎて『本当はそっちじゃなかった筈なのにな……』って。『何で勝ちたかったのか』という部分を、勝っていく内に見失ってたと思う。『勝ちたい』というより『負けたくない』ってなっちゃってたんですよね。『負けないためにどうするか』っていうことを考えるようになるから、それって結構マイナス志向じゃないですか。2012年ぐらいの頃がフリースタイル的には一番キレてたと思うし、実際勝ってたけど、どんどん客が喜ばなくなってくるのが如実に感じられちゃって」
 
■で、その末に行き着いたのが「DIS=RESPECT」だ、と。
「やっぱりそっちだね、って」
 
■最早“悟り”だな……(笑)。じゃあ、今の方がバトルに出てて楽しい?
「勝つ確率は落ちてきて、それは悔しいんですけど、楽しいですね。今でもバトルに出るってなると、それに向けて集中したくなるけど、以前ほど『全てをコレに賭けてる』という感じでもないから、勝ったら『あ、運良かったな』みたいな」
 

■今作のアルバム資料を見ると「これまでのキャリアの総括」みたいなことが書いてあったんだけど、実際そういう意識で作っていった?
「いや、以前にベスト・アルバムを出してるんで、総括は既にそこでしてるんですよね(笑)」
 
■だけど、「内面の総括」は今作で試みてるのかな、とは感じて。これまでにあったことや、やってきたことを振り返るのではなく、これまでの過程を経てどう感じるようになったか、という部分においては“総括”なのかな、って。
「僕のHIP HOP観の総括というか、やっとそれが少し分かってきた。僕にとってHIP HOPは、苦しいときでも一緒にいてくれるモノだったり支えてくれるモノなんだな、っていうことに気付いて。それがなかったら今の自分はいないですしね。誰にとってもHIP HOPはそういう面を持ってると思うから、なるべくポジティヴな言葉をかけたいし、それを伝えたいですよね。ネガティヴなことを吐き出すモノでもあるかもしれないけど、僕はポジティヴな気持ちになりたいからラップをやってるし、聴いた人も同じ気持ちになってほしい。ネガティヴな状況はコントロールできないモノかもしれないけど、感情はネガティヴなことがあったときこそポジティヴにコントロールしたいな、って」
 
■直接的にラップやバトルについて語っている曲もあるけど、直接そういったことに言及していない曲でも、ラッパー的視点やラッパーとしての晋平太君がこれまでどう生きてきて、どう感じてきたかという感情がアルバムの大部分を占めていると思って。
「やっぱり、自分はラップに触れてる時間が長いですからね。『ラップで何が出来るか?』とか、『ラップをどう持って行こうか?』ということを考えて、それを仕事にするっていう脳ミソがずっとあるんです。僕にとって今、『生きる』っていうことは『ラップする』っていうことなんです。やっとそうなれた。だから、僕にとってはラップが何よりも大事なことだし、ラップのことばっかり考えてる。人生で一番、ラップのことを考えてますよ。33歳で『そんなことばっか考えてるのかよ』って思われるかもしれないけど、それが事実。『ラップをどう広めよう』とかも、自分にとって今すごく大事なことなんです。ラップを通してしか人生を表現できないっていうワケではないですけど……」
 
■例えば“世間知らず”も、ラップしてる内容は直接的にはラップと関係ないけど、コレはラッパーのメンタリティから発せられてる言葉だよな、って。
「そうですね。こんな言い方が正しいのか分からないですけど、僕は他人がどう考えてるか/他人からどう思われてるかっていうことに興味がなくて。それに、ラッパーなんで自分の考えていることを発したいじゃないですか。だから、今回『ラッパーとしての晋平太の考え』が出てるんだと思いますね」
 
■90年代HIP HOPを想起させるオマージュや、既聴感あるサンプリング・トラックが多いのも今作の特徴だよね。
「最近、趣味でまたレコードを買うようになったんですよね。昔の日本語ラップのレコードとかスゲェ買ってるんですよ。で、いろいろ聴いてるとやっぱりカッコ良いし、あったかくてクオリティも高い。自分がドンズバで好きだったときに味わった気持ちみたいなのを思い出すことが、最近多くて。それは、『高校生RAP選手権』を見ててもそうだし、声かけてくれる若い子や『UMB』にエントリーする12〜3歳の子とかを見てても思う。『俺もそうだったなあ』って思い返すことがすごく多い数年だったんです。もちろんHIP HOPはずっと聴いてるんで、KOHHみたいなスタイルも理解できるし好きですけど、そういうアプローチで全曲やるかって言われたら違うし。僕は懐古主義者ではないので、単純に僕が消化してきた音楽を、現代の形にアップデートして伝えたいというのがありましたね」
 
■数ある名曲の中からMAKI & TAIKI“末期症状 feat. Mummy-D, Zeebra”をカヴァー(“末期症状2015 feat. R-指定 (Creepy Nuts)”)しようと思った理由は?
「僕が最初にハマった日本語ラップって、“ICE PICK”(DJ HASEBE feat. Zeebra, Mummy-D)だったんですよ。“初期衝動”って曲でもラップしてますけど、当時中学生の僕にいろいろ教えてくれる友達がいて、“ICE PICK”を教えてくれた流れで“末期症状”も教えてくれたんです。そんなことはずっと忘れてたんですけど、また日本語ラップ・クラシックを聴くタイミングで“末期症状”を聴き返したら、やっぱりカッコ良いな、って。この曲で歌ってることって、僕の今の気持ちや僕が今やってることと一緒だな、っていうシンクロ感がハンパなくて。で、その時期にDJ TAIKIさんと会う機会が多かったし、R-指定はMummy-Dさんを特別なラッパーと思ってるようだし、僕もジブさんありきなんで」
 
■名曲をカヴァーすることに対するプレッシャーはなかった?
「プレッシャーを感じてたらやらないですよね。先のことまで考えるタイプじゃないし、『好きなんでいいっすか?』っていうか。僕は今でもジブさんみたいになりたい、って思ってるし。もちろん、まったく一緒になろうとは思わないし、なれないですけど」
 
■ラッパーとしての晋平太君から生まれた考えがベースにあるアルバムなのは確かだけど、一般のリスナーが共感できるような描き方で書いてるな、とも思ったんだけど。
「今回、特に意識したのは『ストーリー性』と『状況が浮かぶこと』なんです。だから、僕から見てる視点だし、気持ちなんだけど、感情というよりその場面/景色が浮かびやすいリリックかどうかが、伝える際のカギになるというのが分かっていた。一時期、日本語ラップの難解さにぶち当たったことがあるんですね。『コレ、俺は内容分かるけど、リスナーはスッと入ってこないだろうな』って思うことがすごくあった。韻を踏むにしても、踏んだことでイメージが倍増しなかったらあまり意味がないじゃないですか。例えば『砕け散った夢のかけら/拾いに行ったクラブ・チッタ』(“初期衝動”)っていうラインがあるんですけど、ちゃんと意味があって、ストーリーにもちゃんと沿っている韻を意識しました。僕から見た目線/ストーリーではあるんだけど、そういう意味で“感情的”というより“情景描写的”なのかもしれない」
 
■“NJ〜ナゾノジシン〜 feat. MR Q from RAPPAGARIYA & 呂布カルマ”と“NOMAN NOPERFECT feat. SHINO”という、真逆のテーマを並べて入れているのが、すごく晋平太君らしいと思って。ステージ/バトルに立ってるときは自身マンマンに振る舞っているけど、その反面、コンプレックスや挫折も感じるという、相反する感情を素直に出してるな、って。以前よりもそういう部分を意識的且つ冷静に出しているような印象を受けたんだ。
「そうなのかもしれないですね。批判に晒されることも、周知される数が増える程多くなるし、その一方で応援してくれる人もいる。僕らは“千敵”って言ってるんですけど、『千人味方がいれば、千人敵がいる』って。それはどうしようもないことなんですけど、敵に好かれようとして好きな人に背中を向けるんじゃなくて、好きになってくれる人を増やしたいな、っていう想いがすごくあります。自分が完璧じゃないことぐらい分かってるし、自分も他人に完璧さを求めようとはしない。僕はやはり、MCバトルから得ている部分が多いし、どうしても自己批判的になるというか、最初に自分の弱点を晒しちゃうっていうのはバトルを戦う上での定石としてあるんですよね。それはリリックを書く上でも反映されてて、『言われる前に言っちゃう』っていう感じなんです。過去の曲だと“時代遅れ feat. 般若”とかもそうで、そういうことが出来るようになってきたんですよね」
 
■MCバトルを人生の縮図とまで捉えてるかは分からないけど、あの現場を通して見えた人生観や人生経験は相当あるんだろうね。自分の弱点や強みについて、他人と闘うからこそ向き合わざるを得ないというか。
「僕にとってはかなりありますね。どうせ、刺されるんで。でも、それを恐れててもしょうがないですよね。MCバトルの素晴らしいところは、『言われたくないことを言ってくれる』っていうことだと思うし」
 
■司会業やTVなどに出ることが増えて、以前より“代弁者”的なスタンスを意識することはある?
「僕たちがシーンで台頭していく上で何を増やせていけたかというと、今MCバトルに来てる普通な感じの子とかが増えたことで。僕らが若かった頃には、あり得なかったことなんですよ。例えば、全然垢抜けてなくて、クラスでも目立った存在じゃないけど、『ラップやってみよう』って思ってくれる子たちがすごい増えてきて、そこには少なからず僕の影響はあると思ってる。でも、僕みたいな人間がラップをやってると、周りから『不良っぽい』とか『危ない』とか言われがちで、それってイヤじゃないですか。僕はラップが好きでやってるワケで、別に犯罪を犯してるワケでもない。でも、『ラップってそういう感じでしょ?』とも言われる。もちろん、そういう面もあるし、そういうところから派生してるモノがあるのも分かってますけど、もうちょっと次の次元に行きたい。オトナがやってても認められるモノ、子供がやってて『あ、いいね』って言われるモノになってほしいし、そういうことを示せる人間が必要だと思うんです。僕が適任かと言われたら、それは分からないから『代弁してる』とまでは言えないですけど、少なからずそういう風に伝えようとしているっていうのはありますね」
 
■今作はMCバトルに出ているからこそ生まれた視点や感情がベースにあるという意味では、「バトルMCのアルバム」と敢えて言ってもいいよね。最近のバトル・シーンの流れについてはどう考えている?
「最高じゃないですか。ラッパーが増えることほど嬉しいことはない。しかも、フリースタイル/MCバトルから始めるラッパーが増えてますよね。思ったんですけど、ラップって小難しいモノじゃないんで、『じゃあ、自分の考えを詞として書いて、作品にするのがスタートじゃないとダメだ』なんて、僕の中ではありえないんです。なんとなくそういうパラダイムが日本語ラップにはあったと思うんですけど、そんな小難しいモンなのか?って。誰かがやってたからマネするとか、僕なんか正にそうだったし、そこからで全然いいじゃん、って。最初からフリースタイルが出来るようになっても損することは絶対にない。ラッパーとして曲を作るっていうのは、そこから先じゃないですか。全員それをしなければいけないなんて、僕は思わない。サッカーとかと一緒で、ちょっとでもやれば、より好きになると思うんですよね。で、そこからちょっとでも本格的にやる人数が増えれば、未来に大天才が産まれるかもしれない。僕は『ラップ講座』をいろんなところでやってるんですけど、大したことは教えてなくて、その場所にいる全員がなんとかその日の内にラップできるようになって帰ってもらいたいだけなんです。2小節でも人前でラップできたら、続きがフリースタイルで出て来るかもしれない。事実、そういう人がいる。そういうポジティヴな環境は、自分から作り出せてると思うし、それを山ほど見てるから、そこは誇らしいですね。僕を見てラップを始めたって言うヘッズに会うことも少なくないんですけど、それほど嬉しいことはないですよ」
 


 
 

Pickup Disc

TITLE : DIS IS RESPECT
ARTIST : 晋平太
LABEL : UMB
PRICE : 2,700円
RELEASE DATE : 2月6日