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HIDADDY
ENTER THE CYPHER

韻踏合組合のHIDADDYが昨年末リリースした『ヒダディー一人旅』は、全国のフリースタイラーをHIDADDY本人が旅しながら訪ねるというユニークな内容で、近年のフリースタイル・ブームの影響もあり、大きな反響を呼んでいる。残念ながら2年連続1回戦敗退となってしまった『ULTIMATE MC BATTLE』出場を経て、改めて、且つ今だからこそ彼が訴えたいフリースタイル論とは?

インタビュー:浦田 威

MCバトルが流行ってるじゃないですか、
それでフリースタイルといえばバトルって風潮があるけど
「本当のフリースタイルってそうじゃないんじゃないか?」って
疑問を感じた所から始まったんですよね

 業界初、カメラ片手に日本全国フリースタイル行脚。そんな映像をDVD2枚組へと凝縮、一流のエンターテイメントならしめたのは、膨大な経験値とスキルの成せるワザ。「フリースタイル=自由形」、そんな言葉を地で行く日本屈指の凄腕フリースタイラーHIDADDY、自宅に招かれての完全即興型インタビューだ。
 
 
■まず、旅に出たきっかけを教えて下さい。
「MCバトルが流行ってるじゃないですか、それでフリースタイルといえばバトルって風潮があるけど『本当のフリースタイルってそうじゃないんじゃないか?』って疑問を感じた所から始まったんですよね。バトルだけじゃなくて、居酒屋で皆で飲んでる時なんかは、楽しい感じのフリースタイルになると思うんですよ。大会とかに出て闘う時にバトル・ライムをぶつけ合うのは分かるけど、いきなり会った知らない者同士が道端でディスりあうのはおかしいと思うんですよ。後で喋ってみたら普通やったり。それはリアルじゃないかなってのもあって、「真のフリースタイル」を求めてってのもあったし、それと一昨年FORKに(『ULTIMATE MC BATTLE』で)負けた後の気持ちとか、色々あって、気が付いたら旅に出てましたね

■フリースタイルをしていて喜びを感じるのはどんな時ですか?
「周りの人が喜んでくれた時かな、やっぱり結局はエンターテイメントやから客あってのものやし」
 
■逆に考えると、客がいない路上とかでいきなりディスを仕掛けるのって凄い事ですよね。
「そうなんですよ。皆、異常な事やってるんですよ。般若君も『俺だったらひっぱたいちゃうよ』って言ってたり(笑)、俺も実際、殴りかけた事はありますよ。けど、俺はそんな奴にも『言葉の重みを考えて言えよ』って感じで返すし、ラップで分からせたい。そいつがどうしても文句があるとかなら、俺はウェルカム・ディスやし、全然返しますよ。けど『お前喧嘩売ってるんやな?』って聞いたら『違います』ってのは一番嫌い。自分の吐いた言葉には責任を持たないと」
 
■音源とフリースタイルの違いとは?
「基本的には一緒なんですけど、フリースタイルの場合はよりダラダラと伝えられるっていうか、小節も限られてないし、DVDの中ではカットされてる部分もあるけど、実際の現場では夜から始めて朝日が昇るまでひたすらラップしてたり、酒を飲んで語り合うのと同じように、こっちも言いたい事が言えて、逆に相手の言葉もしっかり聞けるんですよね」
 
■ラップの方が伝わるって事でしょうか?
「そうですね、俺は喋るよりもフリースタイルした方が『こいつがこれまでどんなラップをしてきたのか?』とか分かりますね。北海道に行った時も俺、BOSS(THE MC)君には緊張して話せなかったんですけど、フリースタイルが終わった後にBOSS君から『ラップの方が素直に言えるよね』って言われて、『そうやな』って思いましたね」
 
■全国的にフリースタイラーのレベルが上がってるのは感じましたか?
「年々増えてるのは確かですよね。けど、大阪でもDJがインストかけて持ちネタをキックするみたいな、バトルの要素はないけどレゲエのラバダブに近い感じのフリースタイラーなら沢山いましたよ」
 
■若い子達も、こと「スキル」で言えば凄いレヴェルまでいってますよね。
「けどバトルは違うんですよ。スキルがないと勝てないけど、スキルがあってもそれだけでは勝てないんですよね、スキルとヴァイブス、即興性、全てが重なった上で勝敗は時の運ですね」
 
■HIDA君の考える理想のフリースタイルとは?
「僕のフリースタイルの原点として外せないのがERONE師匠。昔、僕がまだ駆け出しやった頃に、SATUSSYとERONE師匠と一緒にライブの練習してたんですよ。曲順決めて(DJ)KAN君がインスト繋いでマイクが何周も回ってきて、詰まったら割って入られて、みたいな。当時の俺は『この人ら凄いな』って、練習からラップを楽しんでやってるし、コレがラッパーのあるべき姿なんかなって思いましたね。今回の旅の中で言えば、『この人上手いな』って思ったのは般若君、『この人一番熱いな』って思ったのはGOCCIさん」
 
■水戸編で、海岸でGOCCIさんが喋ってる場面は凄かったですが。
「『俺達の思い出の海岸がなくなってくのはあそこの発電所のせいなんだ、だけど俺は今からあそこで仕事なんだ』て、アレは内容が最高でしたね。最初は暗いのに段々と明るくなってきて、『どんだけラップすんねん』って感じで、あそこは名場面でしたね。しかも水戸は今回の旅で最後に行ったから、僕もあんまり体力が回復してないままボスに会ったから、勢い負けしてしまったかな」
 
■ではGOCCIさんの優勝した昨年のUMBはいかがでしたか?
「悔しさ以外はないですね。スキルはあったと思うけど、ヴァイブスが足らなかったんかな。まあ相手は誰でも関係なくて、要は自分がイケてたかどうかなんですけどね」
 
■今年も出場しますか?
「やりますよ、やりゃあいいんでしょ(笑)、太字で書いといてください。なんばHATCHで決勝って言われたら辞めれないじゃないですか」
 
■ではそうした大会において、MC以外には実感し辛い部分なんですが、「持ちネタ」のみで勝利する事は可能なんでしょうか?
「そいつが勝てるんだとすれば、それだけネタが沢山あるって事やし、それはそれで凄いですよ。けど結局は『その場の空気をどうもっていくか』って事で、大事なのは『ネタかどうか』ってとこじゃないんですよね。バトルではないですけど、例えば皆でフリースタイルしてて、その内容が『ビッチがどうのこうの』ってなってる時に、『戦争が~』とかやる奴がいたら違うじゃないですか、その状況に被せて自分の持ってるビッチのネタがあるんやったらそれをキックして、場が盛り上がったらそれはそれでいいと思うんですよね」
 
■NORIKIYO氏がインタビューで、「レコーディングするだけなら中学生でも出来る。プロなら即興でラップくらい出来ないと」と言ってたんですが、HIDA君はこの意見についてはどう思われますか?
「それは勿論でしょ、バトルに出ろとまでは言わんけど、ラッパーとしてやってるならその場に応じて即興でラップくらい出来なあかんと思う。やっぱ本物は全員出来てるんですよ、D.Oとか全然バトルとかやらんけど、DVDに収録されてない部分でも全然やってたし、DABO君にしてもさらっと状況に合わせてキックしてくれたり、その辺に関してはNORIKIYOと同意見です。『ずっとラップやってるんやったら普通にできるやろ?』とは思いますね」
 
■今後の展望を教えてください。
「まずは2月27日、僕らのイヴェント『ENTER』のDVDが出ます。2枚組で片方はバトル、もう片方はゲスト・ライヴやPVとかが入ってます。そして4月11日、韻踏合組合名義で5枚目のアルバム・リリース。後は東京のヴァイオリン弾きのゲンさんって人、MACCHO君のツアーなんかでもオーケストラを率いてたりする人なんですけど、その人とAKIO BEATSのトラックを中心にした、これまでにない形のコンピを作ります。それとDJマッカーサーのMIX CD VOL. 2が2月14日発売。あとDJ HIDADDYによるミックスCD『ヒダ天国』も既にプレス済み、2月22日発売です」
 
■それでは最後に、Amebreakに対するフリースタイルを即興でお願いします。
「う~ん、『伊藤編集長、メタボリックは長生きしません』(笑)。これでいいですかね?」
 
■バッチリです。ありがとうございました。

 
 
 
 

Pickup Disc

TITLE : ヒダディー一人旅
ARTIST : HIDADDY
LABEL : IFK/IFKDVD-001
PRICE : ¥3,500
RELEASE DATE : NOW ON SALE