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MONJU

SEEDA & DJ ISSOによる「CONCRETE GREEN」シリーズや、数々のフィーチャリングを通して着実に名前を売ってきたMONJUが遂にアルバムをリリース。古き良きアンダーグラウンドHIP HOPのヴァイブスを、現代流にストイックな姿勢で追求し続ける彼ら。「Black de.ep」に漂うディープな雰囲気はHIP HOP好きなら絶対体感しておくべき!

インタビュー:吸太

自分で聴いて一番いいBGMになるっていうのが到達点で、
今はそこに行くためにやってる。
生活のサイクルのまま音楽をやっていきたいってのがありますね——仙人掌

 既にに「CONCRETE GREEN」(以下CCG)や数々の客演で話題の仙人掌/ISSUGI/MR. PUG、そして謎のプロデューサー:16FLIPから成るトゥルーHIP HOPグループ、それがMONJUだ! まるで街を舞う言葉と路上の埃が化学反応を起こしたかのような、東京独特の“ニオイと誇り”を持つ彼らの音楽は、ここ数年激動の時を向かえた日本のHIP HOP界にとって失われた何かを取り戻す真の救世主となるだろう。最新作「Black de.ep」をリリースした彼らのHIP HOPに対する哲学などについて訊いてみた。
 
■MONJUも所属するクルー:DOWN NORTH CAMP結成までの話を聞かせてください。
仙人掌(以下S)「初めて生でラッパーに遭ったのがYAHIKOってヤツで、高校で初めて出会って『最近どうなの?』って言ったら最近の現状を廊下でラップしちゃう!みたいな。このYAHIKOってヤツ見てマジで衝撃的で。高1の15の春、初めてラッパーを目にして」
MR. PUG(以下P)「俺ら3人(ISSUGI/PUG/16FLIP)は同じ中学/高校で、ラップしてたのはこの2人(ISSUGI/PUG)。当時、誰かが見てたストニュー(『東京ストリート・ニュース』)に白昼夢(YAHIKOのグループ)と仙人掌が載ってたんですよ。その頃はDOWN NORTHと全然関係ないっすね」
S「俺がラップ始めたら速攻大っきいイヴェントとかでやらしてもらえるって環境にいきなり飛び込んじゃって。そしたら出てくる“上との付き合い”が超リアルすぎてヤラれちゃって。その当時ですけど、『俺は正直こういう中ではやれない。こんなんだったら同世代で近い奴らとやろう』って感じで、ISSUGIを誘ってメシアTHE FLY(JUSWANNA)君とかも誘って、吉祥寺のWARPで一緒にやってたんですよ。18か17くらいの時ずっと1年くらい、それ以上やってたかな? それがDOWN NORTH CAMPのちょっとした始まりですね。」
 
■今回の「Black de.ep」もそうですけどMONJUの作品からは“夜”を感じるんです。
S「なんか憧れがあるのかもしれないですね、夜に。あの頃の六本木NUTS前とかの、超ビルが建ってて夜中で外人とかが歩いてるイメージ。あの『病んだ東京の路上』みたいな路上感。ケルアックの『路上』とかTHA BLUE HERBの“路上”とかも。やっぱその路上って響きに結構ヤラれてるっていうか、そういう路上ボーイみたいなのが俺のスタイルですね」
ISSUGI(以下I)「最初から夜にしか集まってなかった。昔、仙人掌の家が凄い高層ビルの所にあって、そこでMONJU結成っていうか。俺はなんかあそこで変わったよ。ホントに毎週こいつの住んでた所に行って、そこにはメシアとか遊びに来てて」
S「初めはインストかけてひたすらフリースタイルしたり曲作ったり、MPC叩いてみたりするんですけど、結局外出ちゃうんですよ。メシア君とか来ると『ヤベー、スケボーやりにいこー』って、外行ったら1〜2時間帰って来ない。その内それが病み付きになっちゃたんですよ。20歳でもういい大人なのに、リュック背負ってその脇に小型のスピーカー付けてスケボーやりにいく、みたいな(笑)」
16 FLIP(以下16)「結構そこらへんが音楽に反映されてる」
 
■ラップに対するこだわりを教えてください。
S「空気感/雰囲気とかもあるんですけど、それ以前に俺はスキルっていう部分を重要視してて。実際によく遊んでいくうちに隣にいた人間がラップしてて超ヤバい、みたいなのがいいですね」
I「リリックはもちろん大事ですけど、スキルの部分で凄いヤバいなっていう瞬間でフィールし合える。ある時からかな? フロウのヤバさに気づいちゃって、それからは自分もラップしてて毎回フロウが変わっていくのが分かって。今はその成長段階ってのを感じてますね」
P「俺結構計算してハメるって方が好きなんですよ、理系なんで(笑)。フロウを先に決めてから言葉をハメちゃう感じですね。俺の勝手な解釈なんですけど、ラップって左右の振れだと思うんですよ、1小節の間に体重移動をどれくらい出来るかって。その左右の揺れが、ドラムのそのリズムと似てる感じで跳ねるのが一番気持ちいいんですよ。だから、無理矢理なハメ方とかも凄いカッコ良かったりする。あとはレゲエですね、声のテンションを上げずにどんだけ振れるかってのがレゲエの人上手いから」
 
■16 FLIPの作るトラックは昔のレゲエやHIP HOPが持ってたロウでラグドな感触が残ってますよね?
16「『“一番ど真ん中のHIP HOP”をどんどん進化させてるヤツはいないのか?』みたいなのがあって、俺なら進化させれると思った。今のままだとHIP HOPのラフで粗い部分がどんどん削ぎ落とされていっちゃうっていうか。真面目な奴しか聴けない音楽じゃなくて、まぁ真面目なんですけど(笑)。似たような奴らに聴いてほしいっていうか、そういう奴らがアガる音楽でありたいですね」
 
■名前からしてスケートボードをやっていたんですか?
16「俺は中1からスケボーをずっとやってて、スケーターの"カルチャー"にやられましたね、とにかくスタイリッシュでしたね。映像的にも、(ヴィデオの)あの魚眼レンズん中にかなりヤラレちゃって。スケボーとの出会いがなかったらHIP HOPも知らなかった。ああいうのに合う音のほうが好きなんじゃないかなって感じで今に至る。いつかスケボーのヴィデオの音源とか上手く絡みたいですね」
I「俺もスケボーやってて。当時の秋葉原は黄色のSHOCKWAVEでキングギドラの『影』のTシャツとか着て、『空からの力』とか“大怪我”とかラップしながらスケートしてる奴がいたんですよ。それで日本のHIP HOPがあるってことを知って、『なんなんだこれは? 今までの日本のラップとは違う!』って。日本語のラップ聴いてラップやりたいかもしれないってなったのがありますね」
 
■CCGくらいから聴きはじめた人たちは、MONJUのスタイルは“今の感じ(流行のHIP HOP)”と比べると異質な感じがすると思うんですが?
S「俺はCCGの中で何を出したかったかっていうと、『ゼッテェにこういう感じの音楽性は俺たちしか出せない』っていう、ちょっと“違う感じ”で行きたかったんですよ。周りの人たちは純粋に素晴らしいと思うし、あんまりネガティブになってたわけじゃないけど……」
 
■『それ(流行のHIP HOP)の何がいいと思うの?』みたいな?
S「ホントそうですね。突き詰めてカッコ良く言っちゃうと“美意識”みたいな感じになるんですけど、『自分たちの音楽みたいなのは絶対にコレ(流行)で変えたらクソでしょ』とか思って、MONJUとしてDOG EAR RECORDSから出すっていう時に、『俺らはウケようがウケまいが“こういう感じ”でやってるから!』ってハッキリさせたかった。だから、全国流通にもしたし、ある意味ケジメなんですよね。俺の中で結構デカイ変化ですね。逆に、『“今の感じ”だったらもっとぶっ壊れちゃっておいんじゃないかな?』って、普通に耳にするHIP HOPとか聴いて思いますね。常に矛盾っていうか、『音楽的にいいモノ/皆が聴きやすいモノが作りたい』ってのと、反面『超イカレてて好きな奴しか聴けないモノを作りたい』っていう欲とがありますね。MONJUは結構しっかりやってると思うんですよ、見せ方として。ヴァイブスでなんとなくでも伝わってくれたらいいかなって。俺らのやってることがいいモノとは特別思わないけど、俺らはこういう感じ 、遊びの延長としてやってるってのを表現したいですね。自分で聴いて一番いいBGMになるっていうのが到達点で、今はそこに行くためにやってる。生活のサイクルのまま音楽をやっていきたいってのがありますね」

 音源でのヤバさもさることながら、彼らの真の魅力はライヴにある。スマートなONYXとでもいうか、各々が入れ替わるスリリングなステ
ージングはまさに必見だ! その姿は、彼らのデイタイム・レギュラー・パーティ『REFUGEE MARKET』や、各地でのライヴで確認してほしい。
 
 今回の「Black de.ep」のリリースを皮切りに、今後はYAHIKOのグループ:白昼夢のアルバムやクルーのアルバムなど、精力的なリリースを開始していくという彼ら。東京の/日本の/世界のHIP HOPが築き上げてきた“スキルで戦うHIP HOP”のDNAを持つMONJUとDOWN NORTH CAMPを要チェックだ!
 
 
※アルバム「Black de.ep」のメガミックスはコチラ
※“BLACKEEEP”のPVはコチラ

 

Pickup Disc

TITLE : Black de.ep
ARTIST : MONJU
LABEL : DOG EAR/DERCD005
PRICE : ¥1,890
RELEASE DATE : NOW ON SALE