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The Grasshopper Set

2MC+1DJ+1MPCのThe Grasshopper Setが1stアルバム、「跳躍」をリリース。音楽を楽しもうとする姿勢が自然に溢れ出ている好盤を生み出した彼らに訊く、The Grasshopper SetのHIP HOP観とは?

インタビュー:高木晋一郎

HIP HOPって凄くシンプルな音楽だけど、
その中での展開力の重要性を感じてますね。
音楽は自由だし、その自由の中で俺らなりの楽しさを追求していって、
「The Grasshopper Setの自由さ」っていうオリジナリティを
意識しながら磨きをかけていきたいんですよね——バケラッタ

 現在活動休止中のトリカブトからバケラッタとSHINO、そしてmic.b a.k.a. 73 PIKE SET名義で“SOUL CLAP”のリリースや渋谷ORGAN BAR『朝焼け番長』で活動するMPCプレイヤー:mic.b、そしてDJのイーグル藤田(書いてみるとすごい名前……。バケラッタ命名)から成る2MC&1DJ&1MPCのグループがThe Grasshopper Setだ。彼らのデビュー作となる「跳躍」は、とにかく音楽愛に溢れた佇まいが印象的な作品として完成され、彼らの立ち位置が明確に表わされた一枚となって完成している。ほっと一息つける温かい作品だ。

■まずThe Grasshopper Set(以下GS)の結成経緯を教えて下さい。
SHINO(以下S)「2年半ぐらい前にトリカブトの活動を休止してからそれぞれソロ活動をしてたんですけど、俺とバケは現場が被ることも多くて、2人で曲を作ったりしてたんですね。で、2人でORGAN BARのイヴェントに出た時にmic.bに出会って、その流れでmic.b feat. バケラッタでの12インチ“SOUL CLAP”をリリースしたり、ASAYAKE PRODUCTIONのアルバムにも俺とバケで参加したりっていう経緯があったんで、じゃあちょっと組んでみようかって」
バケラッタ(以下B)「それで地元のバカすぎる後輩のDJ:イーグル藤田を社会的に更正させるために参加させて。やっぱりmic.bが生でMPCを叩いてライヴするっていうスタイルはトリカブトの頃でもあんまりやったことはなかったし、単純に面白いんですよね、この4人でやってるのが。だから、何か決意めいたものがあってGSを始めたと言うよりは、とにかくこの4人で組んでやることでメンバーみんな刺激を受けたから、面白いからっていう成り行きで続いてきてるって感じがありますね」
S「あとソロももちろん面白いんだけど、僕個人としてはMCのユニゾンだったり被せだったり、そういう掛け合いが好きなんですよね。それで組んだっていうのもあるかも知れない」

■MCの掛け合いだったり、MPCのリアルタイムな叩きとそれに被るDJというのは、お互いの出す“音”が有機的に絡み合うってことですよね。
B「バンドにも近い生の絡み合いっていうか、みんなで一個のライヴを組み上げるって感覚を一度知ると病みつきになるんですよね」
S「ただ、この形がGSのベーシックではあるけど完成型とは思ってなくて、もしかしたら次はもっとバンド的になるかも知れないし。だから、今回の形はとにかく顔見せですね」
B「うん。今回は現状で出来ることをとにかくフルに詰め込んだって感じですね」

■制作はどのように進めてったんですか?
S「ウチは4人が4人ともトラック・メイクをするんで、とにかく全員がトラックを持ち寄ってその中で選考して、その選ばれた曲を完成させてくって感じですね」
イーグル藤田(以下E)「トラックに関しては基本的に個々で組み立てて完成させるんで、あまりメンバー間でこうしてああしてって話はないですね」
B「ただ、ライヴで映える曲っていうのがベースにはあるかも知れませんね。ライヴを想像しながらGSの音楽は組み立てる場合が多いんで」

■確かにパーティ感は強いですよね。それは4人ともそういったセンスでトラックを作るんですか?それともGSでの作品という際にそういったセンスの作品を選ぶんですか?
S「俺はGSに関しては景気が良いことをやりたいんですよね。ジメジメしないで上がるモノをGSでは作りたいと思ってて。逆にそういう音楽が今は必要だと思うんですよね。シリアスでヒリヒリしたモノも良いけど、HIP HOPの根本はもっと楽しいモンなんじゃないかって」
mic.b「僕もパーティですね、根本は。実際常にクラブにいるし、それがインスピレーションになって制作にも反映されますから」
B「そういう話を改めてしたわけじゃないけど、そういうパーティ感みたいな所でGSの意思統一が出来てると思うし、そっちの方が楽しいですからね」
E「ただ、SHINO君はソロでやらせるととんでもなく暗いんですよ」
B「ほっとくとデロンデロンな曲ばっかり作ってくるから(笑)」

■明るい曲を提供すればSHINOさんが暗い世界に沈まずに済むと。
E「更正されたのは僕じゃなくてSHINOさんだったんじゃないっすか(笑)?」

■その意味ではポップ・センスの高さがこの作品に通底してると思うんですが、その源泉はなんですか?
S「なんでも聴くからなんじゃないかな。色んな現場に行くし、ORGAN BARみたいな何でもかかるクラブで俺とバケはサイドMCさせてもらってるっていうのもあって、色んな音楽性を吸収できてると思うんですね」
B「ラップで言えば、ここ10年はラップを『上手くする』作業をずっとしてきたけど、それを一周して、すこし崩したり解りやすいラップをするって意識が生まれてきたんですよね。だからHIP HOPリスナーだけが解るんじゃなくて、どんな人にも引っかかるような言葉で書こうとは思いましたね。暗い世の中で嫌なことばっかだし、それは自分としても感じてるんだけど、GSの音楽を聴いてる時だけはリスナーに楽しくなってほしいし、自分たちもそういうモノを提供したいと思ってて。だから、必然的にリリックのサブジェクトはポップなモノになりましたね。それに、やっぱり現場ってそういうのが必要な世界だと思うんですよ」

■というと?
B「クラブの世界ってスゲー華やかに見えるけど、酒に潰れても次の日は仕事に行かなきゃいけなかったりするもの悲しさというか、そういう哀愁をみんな背負ってる気がするんですよね」

■背負ってる……そのクラブ観はヘヴィ過ぎるでしょ(笑)。
B「ガンガン盛り上がってるやつの方が真面目に仕事してたりするし……」
E「それはバケラッタだよね(笑)」
B「ガンガン呑んでるけどそのために必死で働いてるんだろうなとか……」

■深読みが暗すぎる!
B「人間が集まってるからそういう暗い部分ももちろんあるんだろうけど、クラブで騒いでる時間だけはハッピーなモノを提供したいんですよね」
S「あと、表に出て行きたいって気持ちがあるから、いわゆるHIP HOP的な歌詞よりも、もっと解りやすくして広げていきたいんですよ。もっとHIP HOPを普通にしていきたい」
B「引っかかる網は大きければ大きい程良いですから」

■例えば“レコブクロ”は非HIP HOPリスナーは音楽賛歌だと感じるだろうし、B・ボーイは宇田川的な匂いを嗅ぎ取りますよね。そういう間口の広さは感じました。プラス、いわゆるサグとか文系だとかっていう属性じゃなくて、純粋に音楽を志向してるようにも思ったんですけど、それは如何ですか?
S「そうですね。そのお陰でちょくちょく浮いたりもするんですけど(笑)。GSはHIP HOPの音楽性を高めたいって気持ちがあります。なんにでも刺激を受けやすいからかも知れないんですけど、何でも食ってそれを形にしてみたいんです。だからMCとしてもラッパーとしての上達と同時に、ヴォーカリストとしてももっと面白い表現が出来るんじゃないかなって思うし」
E「ラップに関して言えば、この2人のタッグはすごく安心感があるんですよね。ヴォーカルとしても色んなことが出来るのが解ってるから、トラック・メイカーとしても注文を出しやすいんですよね」
B「HIP HOPって凄くシンプルな音楽だけど、その中での展開力の重要性を感じてますね。音楽は自由だし、その自由の中で俺らなりの楽しさを追求していって、『GSの自由さ』っていうオリジナリティを意識しながら磨きをかけていきたいんですよね。まだGSは始まったばっかりだし、出来ることは無限にあるとGSだと感じられるんですよ。それは何が起こるか解らないハプニング性も含めて」
E「個々でも活動は続けてるんでそこも注目してもらいたいし、個々で得た経験をGSでも効果的に活かせればいいですね。そういうソロと平行している強みはありますね。あと、人間性がしっかりしてるから、仲が悪くならない限り面白いことが出来るんじゃないでしょうか」
B「最後の最後に人間性だなんて、すごい切り口の発言だね、それ(笑)」


“レコブクロ”のPVはコチラ
 
 
 
 

Pickup Disc

TITLE : 跳躍
ARTIST : The Grasshopper Set
LABEL : MUSTBUY BEATS/MBB-1001
PRICE : 1,575円
RELEASE DATE : NOW ON SALE