DJ BAKU |
DATE : 2009/06/10 |
国内屈指のターンテーブリストとしてそのオリジナルなミックスでフロアを揺らしてきたDJ BAKUが、オフィシャルとしては初となるミックスCD「JAPADAPTA」をリリースした。タイトル通り、国産音源のみを使用した今回のミックスだが、核となっているのは日本語ラップ。12人の猛者たちをフィーチャーしたラップ・アルバム「THE12JAPS」の前に、まずコレを聴いておくべし!
インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)
「俺の中でHIP HOPってひとつだから、ちょっとイヤなのは、ジャズHIP HOPとか日本語ラップとか、分かりやすくするために話の中では使うけど、HIP HOPの中でいっぱい分かれちゃうのがあんま好きじゃなくて。それって俺にとってはどうでもいいことで色んなスタイルがあるから面白いんであって。そういう意味も込めて入れてる曲もありますね」
5月2日に国産HIP HOP、それもラップ曲を中心としたオフィシャル・ミックスCD「JAPADAPTA」をリリースしたDJ BAKU。7月末には、12人の日本人ラッパー(豪傑揃い!)を揃えた期待の最新作「THE 12JAPS」のリリースも控えている彼だが、そんな彼が今ラップ・ミュージックにこだわる理由とは?そんな部分にフォーカスを当ててインタビューを敢行した。「THE12JAPS」はリリース前から既に大きな話題となっているが、まずは彼の本分であるミックス作品を聴いて、アルバムへの期待を高めていってほしい。
■先日渋谷asiaで行なわれた『KAIKOO』で般若君のライヴDJを務めたみたいですけど、そのライヴが実現した経緯は?
「最初は山ちゃん(JACK HERER)がライヴDJで 『KAIKOO』に出てほしいって言ってたら、山ちゃんの都合が悪くて『じゃあBAKUさんやってみる?』ってなって。最初はやる予定がなくてそれぐらいのノリで。で、やるからにはもちろんちゃんとやらないとヤバいから2回ぐらいはスタジオ入って練習して。バックDJに徹して一からCD聴き直したりして」
■グループとしての般若(般若/RUMI/DJ BAKU)のライヴとか、今の子はほとんど観たことないだろうから、アンダーグラウンドの伝説として名前が一人歩きしてるところもあるじゃないですか。だから、結構話題になってましたよね。
「ああ、でもそれは嬉しいですよね」
■噂によると、ライヴ中にブレーカーが落ちたらしいですね。
「ライヴ途中で2回電気が落ちて。照明/マイク/音も全部落ちて。今までのヨシちゃん(般若)だったら帰っちゃうんじゃないか?って思ったけど、あの場ではもう彼がアカペラでどうにかするしかないって状況になって。でも、アカペラですごい盛り上げてましたね。一晩通して電気が落ちたのは般若のライヴのときだけで、ヤラセかって思われるぐらいで(笑)」
■DIS-DEFENSE DISCのサイトのBAKU君のメッセージで「最近 DJとMCの重要な関係性を改めて痛感している」って書いてありましたけど、これについて詳しく説明してもらえますか?
「結局今イヴェント打って来てくれる人たちが満員になるぐらいにはなったけど、そういうのって別に俺がひとりでやってきたからここまで来たってまったく思ってないので。やっぱり俺のDJでも最初の掴みはみんなの声を使って演ってるっていうのもあって、結局MCの人たちの力をすごい借りてるな、って思って。俺はクルーとかグループを持ってないですけど、MCの人と普段会ったりしてることがすごい重要なんだな、って思うから、DJだけでどうこうっていうのは思えないですよね 」
■以前はそこまでの考えには至ってなかった?
「そうですね。以前誰かに『お前はいつも周りに人がいるな』って言われて、それは良い意味で言ってたんだと思うけど、でも決してそんなことはなくて。俺は確かにMSCとかと仲は良いけど別に一員ってわけじゃないから、そういうクルーとかに憧れもあるんですよ。 俺は本当独りですから。 昔はDJだけで食っていくためにはどうすればいいか、ってことを考えすぎてたかもしれないな、って最近よく思いますね」
■今回のミックスも、今までのミックスに比べると「開かれてる」 印象が強いですね。
「俺の中ではSD JUNKSTAの存在がデカかったですね。あの手の雰囲気で歌詞の中身がしっかりしててカッコ良いって人たちが出て来たのは俺の中でデカかった。彼らのフットワークの軽さとか、そういうところからパワーをもらったというか」
■今回の「JAPADAPTA」のようなミックス作品は結構久し振りですよね。
「自主で『HYBRID B-BOY KILLA CUTS』っていう、ドラムンベースがいっぱい入ってるCDは出してたんですけど、2年振りかな。オフィシャルとしては初めてですね」
■今までアンダーグラウンドで何本もミックスを出してたのが、今回オフィシャルで出そうと思った理由は?
「変化を付けたいっていうのもあったし、今まで通りの作り方だと簡単で同じかな、って思ったんですよ。もっと価値を上げたいって思ったんですよね。このCDに入ってる音源をちゃんとTSUTAYAで買えるとか、このCDはBEAMSとかにも置かれるんですけど、そういうところにもこういう曲があるっていう、それぐらいになってほしいなって思いがあって。メジャーでもいろんなミックスCDが出てるけど、俺はこのCDに入ってるHIP HOPも同じだと思ってるから、それぐらい盛り上げたいっていう」
■「JAPADAPTA」は普段のBAKU君のDJプレイらしい、ジャンルを越えた選曲ではあるけど、核として今回設定されてるのは日本のHIP HOP、それも日本語ラップと呼ばれてるものじゃないですか。こういうバランスにした理由は?
「まず、日本人の曲だけに絞ろうとは思ってて」
POPGROUP坂井田氏「いっぱい良い人たちが出て来たってことじゃない?昔だったらここまで選べなかったかもしれないし」
「そうかもしれないですね。いろんな人たちがいるのにもったいないな、とは思ってました。さっきも言ったけど、俺の中でHIP HOPってひとつだから、ちょっとイヤなのは、ジャズHIP HOPとか日本語ラップとか、分かりやすくするために話の中では使うけど、HIP HOPの中でいっぱい分かれちゃうのがあんま好きじゃなくて。それって俺にとってはどうでもいいことで色んなスタイルがあるから面白いんであって。MSC、SDP、般若、THA BLUE HERB、GAGLEが別にみんな同じイヴェントに出ててもいいと思うから、そういう意味も込めて入れてる曲もありますね」
■日本語ラップを扱うミックスCDは数多いけど、今回のCDのようにアート性が感じられるものはほとんどないので、そこが個人的にはアガりましたね。
「それは嬉しいですね。でも、自分的にはなるべく聴きやすくしようと思って、半拍ずらしとかもあまりしないようにしたり、くどくない程度にバランスは考えてはいるんですよ」
■確かに、昔のBAKU君のミックス・テープほど作品性の強いものではないですけどね。今回はどういう風に制作していったんですか?
「まずは何も考えないで入れたい曲をリストにして全部集めて。そこからひたすら自分の思うままにミックスするんだけど、今のHIP HOPってBPMの幅が広すぎるからスゲェ難しくて。でも、最近SCRATCH LIVEが出て来て、アレがあればピッチが大きく変えられるから、俺的には心強かった。で、結局構成は4部分とかに分かれちゃったんだけど、BPM90〜100ぐらいのパートとか4つ打ちぐらいの早さのパートとかがあって。どうしてもBPMが合わないから入れなかった曲もありますね。次に出すアルバムと同時に作ってたから結局制作に半年ぐらいかかっちゃって。オフィシャルだからクリアランスも大変でしたね」
■先ほどGAGLEの名前が出ましたけど、“雪ノ革命”のような旧譜も結構入ってますよね。
「そうですね。みんな進化早いなって思うから、これだけ昔の音源を出すっていうのもどうなのかな?とは一瞬思いましたけど」
■旧譜は使ってるけど、全員現役で活躍しているアーティストたちの旧譜ではありますよね。
「そうそう。だから、アルバムのインフォにも書いたけど『今一度おさらいと未来を予感させるミックス』っていう。例えば降神とか今観る人たちって、HIP HOPじゃなくて舞台とか劇みたいに思っちゃう人もいるかもしんないし、それはそれでいいんだけど、俺はもっと彼らのB・ボーイ的な要素のある曲を入れたかったんですよ。実は韻踏合組合のエローンと漢と降神が同じ曲を作ってたとか、あとダース君は日本語ラップのイメージがあるけど、実は英語のラップが出来るとか(RAYMONDGREEN)」
■リスナーの間の凝り固まった考えを柔らかくさせたいというか。
「そうですね。固まったイメージというのは残酷ですよ」
■7月にはニュー・アルバム「12 JAPS」がリリースされますね。参加予定のMCたちは錚々たる面子ですが、彼らとはどのように作業を進めているんですか?
「今回は俺が思ってる、最高の技術/経験を持ってるラッパーたちを誘ってるから、彼らには『思いっきり自分のHIP HOPをやって下さい』としか言ってなくて。面白かったのは、『このトラックは絶対NORIKIYOでしょ』って思って渡してたら別のトラックがいいって言ってきて、BOSS君も同じような感じで違うトラックになったら、結局BOSS君とNORIKIYOのトラックが(当初想定していたのとは)逆になっていたっていう。人によって意外な選び方をしてきた人がいましたね」
■とすると、結構意外なアプローチの曲もありそうですね
「何曲かはそういう感じですね」
■全曲ラップ曲のアルバムって初めてですよね?
「去年、(ライターの)浅沼さんに『なんでBAKU君はそんなにラッパーの友達が多いのに(ラップ)アルバム出さないの?』って言われて、ちょっとそういうことは頭の隅にはあったかな」
■しかし、このアルバムは相当すごい面子が揃ってますよね……。
「そうですね。だから、当分(次作は)出せないつもりで作ってますね」
DJ BAKU 「JAPADAPTA」 TRACK LIST
01.“INTRO”
02.“TOCCATINA”/MOUSE ON THE KEYS + “WHAKHAKHA BREAKS (DJ BAKU CUT UP WORDS MIX)”
03.“WALKMAN”/DJ BAKU feat. NIPPS, K-BOMB
04.“ASTRO SOLDIERS (HARUMA`S DREAM) feat. EL DA SENSEI”/RAYMONDGREEN
05.“PUNK”/SHUREN THE FIRE”
06.“VIPERZ BEATS”/ILLMARIACHI
07.“RE REVOLUTION”/EL NINO (SHOUT OUT BY FREEZ)
08.“TOKYO AVANTGARDE”/Q-ILL feat. SD JUNKSTA (SHOUT OUT BY Q-ILL)
09.“DO MY THING”/NORIKIYO (SHOUT OUT BY NORIKIYO)
10.“ピエロスタイル”/JUSWANNA ( SHOUTOUT BY JUSWANNA)
11.“目覚めろ日本”/SILVER BUCK
12.“COAST TO COAST”/DJ BAKU feat. 漢, 般若
13.“REBUILD feat. 漢”/BES FROM SWANKY SWIPE (SHOUT OUT BY BES)
14.“LOST DOPE”/B.I.G JOE
15.“AKBAH ATTACK”/DJ BAKU + “アンダーグラウンドVS アマチュア
(ACAPPELLA)”/THA BLUE HERB”
16.“THE STALIN”/ロマンチスト
17.“放て!”/BORIS
18.“EVIL”/BLACK GANION
19.“NICKEL”/SAND
20.“CREATE THE ROOTS”/ STARTER + SHOWY
21.“SELF NAVIGATION”/TURTLE ISLAND
22.“THIS IS NORANEKO”/ZAZEN BOYS
23.“お尋ね者 feat. エローンざ尋, 漢”/降神
24.“巡回 feat. MSC”/漢
25.“新宿U.G.A REMIX 03'”/MSC
26.“MAKTUB feat. 茂千代”/EVISBEATS
27.“WORLD GO ROUND”/BRON-K feat. OJIBAH (SHOUT OUT BY BRON-K, OJIBAH)
28.“GARACTIC MELLOW - GROOVEMAN SPOT MOUNTAIN MIX”/CRO-MAGNON + “街”/SHUREN THE FIRE AND BAND
29.“SKIT”/SENNA
30.“KARMA MAY COME UP TO THE WINDOW”/NOIZD PHANK feat. G.RINA
31.“内外”/降神
32.“HESO-CHA”/RUMI
33.“HUNGRY GHOSTS”/FILASTINE feat. WIRE MC AND ECD
34.“手鏡に映る手紙”/TRIBE ROCK
35.“未来は俺等の手の中”/THA BLUE HERB
36.“DHARMA feat.いとうせいこう(ACAPPELLA)”/DJ BAKU + “BACK TO CHILL”/GOTH-TRAD
37.“RHYME44”/C.I.A. (SHOUT OUT BY CIAZOO)
38.“GOLDEN TEETH (45 MUG)”/YOYO-C
39.“FLY”/般若
40.“アウトレットブルース~蛇の道をゆく〜”/NORIKIYO
41.“雪ノ革命”/GAGLE
42.“STEPS”/太華+DJ BAKU feat.PUSHIM (ACAPPELLA) + “THINK TWICE”/DJ BAKU
INFO
DJ BAKU 初のフィーチャリング・アルバム「THE12JAPS」特設ウェブサイト公開中!
7月22日のリリースまで毎週1回、7週にわたって収録曲の試聴や、DJ BAKUのコメント、ミュージック・ビデオなど、この特設ページでしか手に入らない情報を公開!
DJ BAKU 『THE 12JAPS』特設ウェブサイト
http://www.pop-group.net/12japs

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