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RHYMESTER(前編)

祝!オリコン・ウィークリー初登場5位!RHYMESTERが最高の形で帰ってきた!結成20周年を迎えてもなお進化の歩みを止めようとしない彼らの最新ロング・インタビューをお送りしよう。「マニフェスト」が何故RHYMESTER、そして日本語ラップ全体にとって特別な作品となったのか、その理由をメンバーたち自らが語る!

インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)

「今回はジャンル外の人が聴いても『コレは世界で一線の人たちが作ってるアルバムだ』っていうのが分かるクオリティというかさ、実はアメリカのラップとかが悠々と超えているハードルを、日本のラップの中でもう一回再確認して、厳しくジャッジしないと次のレヴェルに達しないという思いがあった。で、俺らはそれをやらなきゃダメだよ、って。完璧な質の高いトラックに、しっかり質の高いラップを乗せるという、すごく当たり前なことをまだクリアできてないんじゃないか?って」——Mummy-D

 

 RHYMESTERのニュー・アルバム「マニフェスト」の評判がHIP HOPシーンの内外問わずすこぶる良い。で、筆者は“内”の方に属する人間だと思うので、何故このアルバムがここまでHIP HOPヘッズを感動させることが出来るのか、ということを考えながら聴いていた。

 このアルバムが彼らにとって新たなクラシックとなり得た要素はいくつかあると思うが、個人的に最も重要だと考えているのが、「彼らが長年のキャリアを通して培ってきた“原理”や“理論”の再定義に成功している」という点だ。RHYMESTERは必ずしも今作で飛び抜けて斬新なトピックに挑戦しているわけではなく、その多くは彼らが過去にリリースしてきたアルバムで直接的/間接的に歌われてきたことや、彼らの多彩な活動を通して示されてきた文字通りの“原点”だ。だが、それら「お馴染みのRHYMESTER像」を、90年代の彼らと比べると飛躍的に進化/洗練されたラップ・テクニックと、DJ JINや外部トップ・プロデューサーたちから提供された渾身のビーツで包んでリパッケージすることにより、これまで以上に自らの立ち位置や「彼らがラップすることの必然性」を提示することに成功したと思う。これは、活動休止期間を経て再始動した現時点でのRHYMESTERにとっても必要なプロセスだったと思うが、一方で多様化著しくあまりにラップという行為自体が日常的になってしまったため、時に「何故ラップという表現方法が優れていて、故にラップという表現を選んだのか」という根本的な意味を忘れがち(だと筆者は感じている)な日本語ラップ・シーン全体にとっても必要なプロセスだったと思う。

 もちろん彼らのスタンスだけが正解ではないと思うが、ここ日本においてラップすることの意味をこの作品以上に明解に示せた作品は今のところないと言い切ることは出来ると思う。そして、明解に理由を示せさえすれば、これだけコアなラップ作品でもマスは受け入れてくれる、ということも今回のチャート・アクション(オリコン・ウィークリー初登場5位)で証明してくれたわけで、そこに筆者は希望を感じる。本作を聴いて、RHYMESTERの向こう20年はもちろん、日本語ラップ自体の未来も更に楽しみになってきた。


■まずは昨年の動きを振り返りたいのですが、“ONCE AGAIN”が(シングルとしては)キャリア史上最高位であるオリコン初登場15位という結果でしたよね。
Mummy-D(以下D)「微妙な順位だな(笑)」

■でも、記録を更新していってるのは事実なわけで。久し振りのシングルでしたが、出すにあたって「どう受け入れられるか」という意味で不安はありましたか?
D「いや、手応えがなかったら多分出してないし、その流れでアルバムも作ってなかったと思うんだよね。“ONCE AGAIN”を作ってみて『これなら勝算がある』とか、自分たちなりのある程度のハードルを越えた達成感があったからあの曲は出た。そりゃ不安って言ったら毎回不安だよ、リード曲的なものに関しては。でも、初めて外部のトラック・メイカーに振った曲だし、そういう意味では結構楽しみながらやってたと思うけどな」
宇多丸(以下U)「俺も曲が出来ちゃってからはそんな(不安は)なかったかな。割と早速評判が良かったし、すぐ(フェスなどの)ライヴで披露する機会が来てさ、そこでの反応が激良かったりもしたし。そういったところでむしろ『これは風吹いてる!』って。そりゃあ、ぶっちゃけ演りながら『アレ?手応えない』ってこともあるかもしれないけど、今回に関しては思ってた以上に手応えがあった」
DJ JIN(以下J)「最初、レコーディグ前の飲ミーティングで“ONCE AGAIN”のコンセプトが出て、『ふむふむ良いんじゃない?』って感じでいたのよ。で、BL(BACHLOGIC)のトラックをもらって、申し分ないなと思って。俺はレコーディングの現場には立ち会ってなかったんだけど、声の入ったヴァージョンを聴いたとき『キタな!』って気持ちがストレートに出て来て。出だしでいきなりそこに届けたのは当たり前だけどデカいな、って。良いところを狙ってっていう作業ではあったけど、それがちゃんと理解されて本当に形になった瞬間というか、それは安心したよね」

■内容的な手応えとそれが実際にどう人々に広がっていくかという商業的な手応えはまた別の話だったりするじゃないですか。今回の、その手応えを合わせることが出来たという感覚は、アルバムを作っていく上での自分たちの自信を深めるという意味でも大きかったんじゃないですか?
D「そうだね。それがしっかりHIP HOPシーンの外側に伝わる表現をしようっていうハードルを課してたし、それを狙っていたけど、それが形になったのは本当に嬉しいし、その後のアルバムの流れを左右するような出来事だったよね」

■アルバム・タイトル「マニフェスト」の意味を訊きたいのですが、ひねくれた僕なんかは、昨今の政治状況における「破られることが前提の約束」的な意味もかかってるのでは、と考えてしまったのですが(笑)。
D「かかってねぇよ(笑)。実はこのアルバム・タイトルは昔からあったアイデアだったんだよね。『ウワサの真相』ぐらいから。どっちかというと(GANG STARRの)“WORDS I MANIFEST”の方で考えてたんだけど、『リスペクト』出した後にカタカナ5文字ぐらいのタイトルがいいんじゃない?ってことで考えついたのが(実際は6文字だが語感は5文字の)『マニフェスト』だったんだ。その寝かせてあったタイトルが紆余曲折あって今回のタイトルになった」
「実は最後まで『午前零時』と競ってたんだよね。どっちになるかでまったくニュアンスが変わるよね」
D「3人とも両方好きで、『午前零時』は“ONCE AGAIN”の出だしのワードだけど、『何かが始まるときっていうのは意外と静かな、人の気が付いてない内に始まってる』っていう、朝じゃなくて夜半の内に始まってるっていう宇多さんのアイデアだったんだ。当初はポリティカル/コンシャスな題材も扱うかな、と思ってたんだけど、今回そういうテーマは曲に結実しなくて、結果的に結構HIP HOPの原理を歌う曲が増えてきたから、『再始動にあたっての俺たちの所信表明』と、『“WORDS I MANIFEST”=自分の立場や考えを言葉にして表明する』っていうテーマになって。(後者は)正にラップのことじゃん。『俺に言わせりゃ』みたいなモンで、そこが『第二の1stアルバム』っていう意味合いと重なるだろう、って」

■“ONCE AGAIN”に引き続き、Dさんが総指揮を務めているんですよね?
D「うん。どっちかというとアルバムのためにだけどね。俺は(活動休止中に)マボロシをやってたのがデカくてさ、その期間の俺はどっちかというと『マボロシの坂間大介』だったから、RHYMESTERというグループが他からどう見られてるのかとか、RHYMESTERのどの辺を気に入ってるのか、っていうのが逆に結構見えて。その客観性をRHYMESTERに持ち込もう、って思った。マボロシの活動の中で俺は色々試行錯誤してて。マボロシのときは、俺のヴァースの後に宇多さんが出て来そうな雰囲気の曲だったら、俺がマボロシをやってる意味はなかったわけで、自分ひとりで表現するならどんなラップがいいんだろう?っていうのを考えてたから、そのときに伝わった言葉と伝わらなかった思いっていうのが見えたんだ。どっちかというと、エモーションをダイレクトに乗っけて衒いなく打ち出した曲が意外と人に届いたな、っていう実感があって。今だったらストレートに乗せちゃえるし、ダサイものにはならないのでは?っていう勝算が俺の中に出来上がった。だから、今作に関してはそういう部分を課題にしてみよう、責任は俺が取るから、って提案をしたんだ」

■今までストレートな表現を避けがちだったという意識はあったんですか?
D「今までは(テーマに対して)更にひとひねり入れることによって表現を高めようとしてたと思うんだけど、じゃあRHYMESTERってストレートなグループじゃなかったのか?って言われたらそんなことはなくてさ。“B-BOYイズム”がみんな(の心に)に届いたときって、あの曲で歌われてることを本当に思って、それが分かりやすく歌詞/グルーヴに乗ったから届いたんだろうな、って。実はそういうスタンスをみんなRHYMESTERに求めてるんじゃないか、って再確認したんだ」

■前作「HEAT ISLAND」を作って見えたものとか、反省点はありましたか?
「『HEAT ISLAND』のとき目指したものと今回目指したものはもちろん違ってて、あのときはもっとエクストリームな表現というか。それはアンダーグラウンド的なエクストリームさじゃなくて、『世間に届けるにはエクストリームな表現だ』って思ってたんだ。(人々に)刺さるためにはより尖った表現/内容とか、ちょっとエグ目でもいい、ぐらいのことを考えてた。要するに、『外に届けよう』っていう気持ちがなくなったことは一度もなくて、そのやり方を今回はDが提案した方向でやってみた。Dからそういう提案がある前の段階で、俺も今回はストレートな表現でいくべきだと思っていたから、今回はそういうタイミングだったんだろうね」

■ストレートな表現を欲するようになったのは、キャリアの積み重ねの結果なのか、単純に今のモードなのか、それともシーンに対する義務感でしょうか?
「いや、義務感はないよね。例えば俺は『SRサイタマノラッパー』を観ていたく感動したわけで、それって俺だから感動するのかな?って思ったりもしたけど、実際はラップに興味がない人でも刺さってて。それってあの最後の場面で『本当に言いたいことがあった上で言う表現は、どんなに稚拙で笑われるような様であってもやっぱり感動的なんだ』って。『人を感動させること』ってイヤなことでもまったくないんだよ。なんで(世の中に溢れてる)“感動ソング”みたいのがイヤだと思うのかっていうと、『お前、本当にそんなこと思ってるか?』みたいな、どっかの誰かが言ってるようなことを繰り返してるだけだからであって、やっぱり……『良いものは良い』じゃないけど(笑)」

■自分たちがやることに対する必然性があるかどうか、ということですよね。
「そう。もちろんエモーションを届けるにはテクニックはいるんだけどね。後は、今のHIP HOPの流れとかもあって、今のHIP HOPの良い流れのマグマがあるとしたら、地表にドーンと吹き出させる“穴”が必要だし、それを作るのは俺たちの世代、特にRHYMESTERの仕事だろう、っていうのを強く感じたんだ。それは俺がラジオをやってきて感じたことでもあって、ラジオでアンダーグラウンドなラップをそのまま紹介しても、届くこともあるけどあの表現自体に拒否反応がある場合もあるしさ」

■そういう意味では日本語ラップのリーダー的視点なんですか?
「いや、リーダーじゃないよ。俺たちは境目にいるんだから、境界線にいる者としてやれること、義務じゃなくて。それは俺たちにしか出来ない、若い人たちにはないアドヴァンテージでもあるんだ。若い子たちに勝つための手段でもあるんだよ」

■JINさんが手掛けた2曲以外は外部プロデューサーのトラックなわけですが、今までなかった布陣だけに、制作の流れも今までと違ったんじゃないですか?
D「みんなが頼みたいプロデューサーを挙げていって。最初は他ジャンルのプロデューサーにHIP HOPトラックを作ってもらうっていうのも面白いんじゃないか、って意見もあったんだけど、復活第一弾だから『HIP HOP IS BACK』に聴こえないとダメだよな、って思ったから、今をときめく日本のHIP HOPプロデューサーたちにお願いした。お願いした人たちには『こういうトラックが欲しい』っていう要請はしないで、取り敢えずトラックを集めていって、その中で俺たちが歌いたいことやトラックからインスピレーションが浮かんだものから録音していった。基本的に、レコーディングにトラック・メイカーは立ち会ってない。仮で録ったものをブラッシュアップしてもらって、そこに更に付け加えてって感じで進んでいったね」

■“ONCE AGAIN”は一曲入魂スタイルで提出されたトラックですが、他の曲は?
D「テーマ先行でトラックが出来ていったのは、他には“K.U.F.U.”ぐらいかな」
「RHYMESTER用に作ってもらったトラック+ストックのトラックをドサッともらって」
D「200曲ぐらい聴いたよ。EVISBEATSだけで60曲ぐらい来たりするから(笑)。あとは、『どうやらRHYMESTERが外注してるらしい』という情報を聞きつけたトラック・メイカーからも来たりしたし」
J「光栄なことに、お願いしたトラック・メイカーたちもRHYMESTERと演れるっていうことで気合いを入れてくれて、短期間にみんな集中して更に(トラック数を)上乗せして送ってくれたね。で、その上乗せされたトラックから選ばれてる率は高いかも。みんな一様に『RHYMESTERと曲を作れて本当によかった』って言ってくれたりするのは嬉しかったね」

■これまでのRHYMESTERは文字通りセルフ・コンテインドなグループだったわけで、それがこういう形で外部にアルバムの半分を委ねるということに対する不安はなかったですか?
D「まあ、最終的にトラックを選ぶのは俺たちで、そこで俺たちの好みは出て来るし、とっちらからないように俺が総指揮を取るという態勢も取ってあったから、不安はなかったね。だって、間違いない人しか頼んでないし、間違いない人の間違いないトラックだけを使ったから、スゲェ楽しかったね」
「選んでるときも何で悩むって、『こんなに良いトラックばっか渡されても困るんですけど!』っていうところだったしね」

■特に印象的だったトラック・メイカーは?
J「色々いるね。例えばBACHLOGICとかは何年も前からお願いしたいと思ってて、それは何でかって言うと、サウンド的にはイケイケ/バキバキな印象があると思うんだけど、ちゃんと音楽を掘って他の人より深く知ってるような人が聴いても、『あ、コイツなんか違うな』っていう面白いネタの引き出し方とかしてて、質実剛健なところがあるんだよね。あと、みんなそれぞれにカラーがある中で個人的にはMONKEY SEQUENCE19は年齢も考えると際立った存在感があると思うけどね(笑)。楽しみだよね、世代が交わりようがないぐらいの完全に異なる世代だし。(彼は)余裕で平成生まれだからね」
D「BLとDJ WATARAIはアルバムのカラーを決定付けてくれたよね。後、触れておきたいのはMITSU THE BEATSという男。この男はやっぱ世界レヴェルだと思った。ブラッシュアップが並じゃないんだよ」
「アルバムに入ってる曲は、レコーディングした段階と全然違うんだ、完成度というか飛躍度が。ベースになっているのは同じなんだけど、上がってきたものを聴いてビックリしたよ」
D「一曲にかけるプロ根性というか、絶対にあるレヴェルを超えたところじゃないと納得しない。簡単に言うと自分の中でのOKラインが高いんだろうね。最後まで責任持ってみてくれて、頼りがいある男だったね」

■これまで以上に緻密に練られた上で作られたアルバムに思えるので、そういう意味では、実はRHYMESTER史上最も“NEW ACCIDENT”とは遠い位置にあるアルバムなのでは、と思ったのですが。
D「ああ、そうだね。まあ“NEW ACCIDENT”は“原理”を歌ってる曲だから、ちっちゃいアクシデントやマジックを積み重ねていくということはやってるけど、今の俺たちにラップを始めた頃の破壊的なパワーがあるわけじゃないからさ」
「(キエるマキュウの)“ナンジャイ”みたいのが“NEW ACCIDENT”だよ(笑)」
D「あの曲は出てしまったこと自体がアクシデント(笑)。まあ、今回はそういう“原理”は歌ってるけど、アルバム自体のテーマはハッキリ言って“ソフィスティケイト”だよ。“ソフィスティケイト”されたものを恐れずに作るっていう、どっちかというとそっちの覚悟だよね。特に『HEAT ISLAND』とかそうだったけど、意識してとっ散らかったものを作ってしまえ、ってときもあって、“オモチャ”を作りたいときもあるんだ。だけど、今回はジャンル外の人が聴いても『コレは世界で一線の人たちが作ってるアルバムだ』っていうのが分かるクオリティというかさ、実はアメリカのラップとかが悠々と超えているハードルを、日本のラップの中でもう一回再確認して、厳しくジャッジしないと次のレヴェルに達しないという思いがあった。で、俺らはそれをやらなきゃダメだよ、って。トラックに対するジャッジもスゲェ厳しかったし、俺が今回トラック作ってないのは、今の俺にはそのレヴェルのトラックが作れないっていうジャッジを下したから。完璧な質の高いトラックに、しっかり質の高いラップを乗せるという、すごく当たり前なことをまだクリアできてないんじゃないか?って。そこはHIP HOPだから荒っぽいのが良いっていう意見とかもあると思うけど、例えば今HIP HOPシーン内で注目されてる若手がいるとして、端からその人のラップを予備知識なく聴いて『スゲェクオリティのヴォーカル・テクニックだ!』って思えるようなレヴェルに達してるかっていうと、全部が全部そうじゃないと思うんだ。確かに自分たちが最初にラップを聴いてカッコ良いと思ったトラブル/アクシデント/衝動/ラフネスも大事なんだけど、やっぱ本場のラップの持つグルーヴ感やヴォーカル・テクニックは俺たちが超えなくちゃいけないレヴェルを優に超えてるものなんだよ。そのジャッジの厳しさを自分たちの楽曲にも当てはめないといけないな、って。言い訳抜きで『コレは凄いものだ』って思わせるクオリティに持っていきたかったんだ」

■「超えなければいけないハードル」を具体的に言うと?
D「それぞれ違うと思うけど、さっき言った『ストレートに言う』ってところだったり、言葉を届けるためにどういう譜割でラップすればいいかとか、そういうところは二人で共通していたと思う」

■譜割ということで言うと、最終的に目指したところは二人とも同じでも、そこに辿り着くまでの表現の仕方は今回ハッキリ分かれてるんじゃないかな、って。「マニフェスト」では、これまで以上に二人の特性の違いが顕著になったな、って思うんです、あくまで聴感上の話ですが、Dさんはフロウ面を強化しているのに対し、宇多さんはデリヴァリー面を強化しているような印象を受けましたが。
「俺はデリヴァリーとか、そういうことに凝るのはむしろやめようというスタンスだったりはしたんだけどね。そういう技術の方向で凝るんじゃなくて、出来るだけ自然に聴いてスッと分かるようなラップでありたいな、って。構成とか、言ってることの順番を理解しやすいように」

■今それを言われて思いましたけど、それって活動休止後の数年間にDさんと宇多さんが辿ってきた道がそのままスタイルの違いに反映されたということですよね。
「そうだね。正にその集積なのかもしれないね」
D「宇多さんは確かに人に伝わるような譜割みたいのは注意してたと思うね。ただ、そこから先はコンセンサスが取れてれば後はお互いの違いが魅力なわけであって、自分のヴァースのクオリティを高めることに関してはそれぞれ手口は違うよね。もしかしたら宇多さんは論理的にしていくから、そういうデリヴァリー方面に行くのかもしれないし、俺はどっちかというと叙情の方向に行くからフロウ方面に行ってるのかもね」


 
 
 
 

Pickup Disc

TITLE : マニフェスト
ARTIST : RHYMESTER
LABEL : NEOSITE DISCS/KSCL-1546(初回生産盤)
PRICE : 3,200円(初回生産盤)
RELEASE DATE : 2月3日