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BIG RON

そのラージな体格から発せられるメロウな歌声でリスナーを魅了する“Mr. XXXXXL”ことBIG RONのニュー・アルバム「LIVIN' LARGE」がリリース。コアな層からポップ・フィールドまで幅広く支持される彼ならではのバランス感覚が活きた一枚となっている。11月21日(土)には横浜ででっかいリリース・パーティが開催されるぞ!

インタビュー:吉橋和宏

「コンピレーションみたいなヴィジョンを持って作ったんですよ。いろんな方向性にいけるように、ラヴ・ソングもあればへヴィな曲もあるし、その中間もあればクラブ・バンガーもある。要は、いろんな人が聴けるようにしたんですよね。HIP HOPが大好きな不良の兄ちゃんも聴けるけど、全然聴いたことがないような普通の人に『これ、良い曲だな』って思ってもらえるものもあるし」

 ちょうど2年前に監修を手掛けた(もちろんアーティストとしても参加している)企画盤「BIG RON presents... MUCH LOVE」では、日本のHIP HOPシーンにおいてタブー視されがちなポップなアプローチにあえて挑戦することで新規リスナー層を開拓せんとした、“MISTA XXXXXL”ことBIG RON。ハードコアさもキャッチーさも持ち合わせたHIP HOPシンガーという自らの立ち位置を正確に把握し、いち側面として徹底的に振り切った姿勢で臨んだ同作をステップに、そのキャリアは4枚目のアルバムとなる本作「LIVIN' LARGE」へと到達する。


■BIG RON名義作としては、「MISTA XXXXXL」以来約3年振りとなりました。
「この3年間、いろんな現場でいろんなアーティストといろんなことをやって、徐々にパワーアップした。こないだ『MISTA XXXXXL』を聴いたときには、やっぱりスキル・アップをするとこんなにも変わるもんなんだなって思いましたね。まあ、修行でしたね(笑)」

■スキル・アップということに関して言えば、監修された「MUCH LOVE」での経験も大きいのではないでしょうか?
「そうですね。(オリジナル作の)1stと2ndは、完璧にHIP HOP層にぶち当てたものだと思うんですよ。だからウェッサイっていうのも裏切ってないし。で、『MUCH LOVE』はいろんなアーティストにも参加してもらった企画モノとして、HIP HOPではない(R&B的スタンスの)自分を見せられた。そこからまた原点にも戻りたいっていうことで、今回のアルバムでは二面性を出したかったんですよ。これが今のBIG RONだよっていうのを見せたかった。『MUCH LOVE』ではがっちりポップなことをやったから、一度抜け出すためにはしっかりしたHIP HOPをやらないといけないし、ダークなHIP HOPとかイケイケな曲も出来るけど、(『MUCH LOVE』で経験したような)ラヴ・ソングも出来るっていう二面性が今回のコンセプトなんですよね」

■幅広さ、というよりも二面性ですか?
「まあ、幅広さも狙ってますよ。実際、コンピレーションみたいなヴィジョンを持って作ったんですよ。いろんな方向性にいけるように、ラヴ・ソングもあればへヴィな曲もあるし、その中間もあればクラブ・バンガーもある。要は、いろんな人が聴けるようにしたんですよね。HIP HOPが大好きな不良の兄ちゃんも聴けるけど、全然聴いたことがないような普通の人に『これ、良い曲だな』って思ってもらえるものもあるし」

■過去の作品で積み上げてきたいろいろなファン層すべての期待に応えられるようなアルバム、ということですね?
「そう、逃がさないようにしてます(笑)。そこは全部のファンを裏切らないように、ちゃんと全部見せたかったんですよね」

■強度のあるHIP HOPを聴かせたいという点では共通しているかと思いますが、4枚目ということも含めて意識的に過去作品と変えた点は?
「(リリックの)日本語を超増やしたっていうことですね。前までのアルバムは結構英語が多かったんで。今回は相当頑張って日本語を増やした。サビでは英語の響きを活かしてる部分もありますけど、ヴァースは日本語でがっちりやったかな。やっぱり聴いてもらう人に内容を分かってもらえないと意味がないし、俺が今回パワーアップしてるっていうこともちゃんと見せたかったんですよ。過去も含めて、同じ言葉はなるべく使わないようにするっていうボキャブラリーの部分もそうだし、ホントに気を付けてやりましたね。ノイローゼになりそうでしたよ、ホントに(笑)」

■個人的には、今回のアルバムでもTHA DSC(BIG RONもメンバー)をフィーチャーした“REP MY CITY”が特に印象的でした。全国各地に仲間がいるRONさんのキャラクターも出ているし、だからこそ“REP MY CITY”という言葉も活きてくるワケですし。
「みんなそうだと思うんですけど、それぞれ自分の地元があって、そこから発信することで世の中に出ていってると思うんですよ。だからアーティストである以上、自分がどこから来てるかっていうのは忘れてほしくない。実際問題、それを忘れちゃったら自分はアーティストじゃなくて、ただのお調子者だと思うんですよね。原点としてレップするべき場所をレップしてるからこそ結果が出せるし、街もいろんな意味でアーティストのケツを叩いて応援してくれる。俺の街はホントに俺を応援してくれてるんですよ。みんなが遊びに来てくれるし、いろんなことに協力してくれる。やっぱりそれをちゃんと表現しておきたかったし、そこに共感してくれる人も絶対いると思って。だって、そのおかげでいろんな街の人間とも繋がれるワケじゃないですか」

■なるほど。パブさん(DJ PMX)のビートにMACCHOさんを迎えた“BAY BLUES ROCKERZ”もある意味で地元を象徴した曲ですね。
「新しいでしょ、あれ(笑)。俺はアルバムにお約束として必ずクラブ・バンガーを一曲は入れるんだけど、ああいう不思議な感じの曲は絶対誰もやらないだろうと(笑)。で、そこにドンピシャでハマるのはMACCHOしかいないと思って。俺は俺でラップのフロウなんだけど、歌じゃないですか。自分はHIP HOPシーンの中でやってるから、ラップっぽい曲もやりたかったんですよね。パブさんも、DS(455)ではやらないことをやってくれてると思う。新しいものも取り入れたビートで、俺が持ってる“BIG RONワールド”をいろいろと引き出してくれた感じ」

■クラブ・バンガーと言えば、以前ageHaの『KUROFUNE』に遊びに来てらっしゃいましたよね?いわゆるウェッサイ系と言われるRONさんは、ああいう日本語ラップのクラブ・プレイを見てどう感じましたか?
「最初からずっと思ってたんですよ。『ここは日本なのに、なんで日本のHIP HOPをクラブでかけないんだ?』と。USでもそうだけど、やっぱりいろんなところでDJが流してくれるからこそ、それを知らないヤツの耳にも入って『いいじゃん、これ』って思うじゃないですか。だからずっとしつこく言ってたんですよね、『もういい加減、誰かやった方がいいよ』って。じゃないと浸透しないじゃないですか。やっと最近少しずつかかるようになってきたけど、やっぱり盛り上がる。やっぱりそこにニーズがあるんですよね、日本だから。だからそこはすごくいいことだと思いますよ。もっとやってほしいですね」

■逆に、今回のアルバムを制作するに当たってそういう点は強く意識されましたか?
「それはもちろん。それこそさっき言った“BAY BLUES ROCKERZ”とか“REP MY CITY”とか、ああいうちょっと派手めな曲は全部かけてもらうことを意識してますね。実際かけてもらえるとも思ってるし、ZEEBRAに全部送りつけようと思ってますね(笑)」

■スタイル関係なく、日本のHIP HOPにとっては間違いなく良い流れですね。
「うん。ほら、みんなが仲間だから。みんなちゃんとHIP HOPをしてるし、裏切ってない。だからこそちゃんと繋がってると思うし、それはこのシーンがもっとデカくなっていくには必要なことですよね。みんなちゃらんぽらんじゃなくて真剣にやってるから、アーティスト同士もお互いをリスペクトしてる。だからだんだんよくなってるし、ここからもっと良くなるんじゃないかなって思うんですよね」

 時を同じくして、BIG RONはKSRからリリースとなった新世代コンピ・アルバム「XXXXXL Inc. presents NEX ST☆RZ」のスーパーバイザーを務めている。本稿冒頭でも触れた「MUCH LOVE」しかり、メインとなる自らの動き以外にもこういった活動を欠かさぬ彼は、国内のHIP HOPシーン全体を見据えている。その人柄も含めて“ユニティ”を積極的に体現していく彼のラージな気概は特筆すべき点であると思う。
 
 

EVENT INFO
DE-LUXE Mobile presents
HOOD SOUND NIGHT SPECIAL
BIG RON 「LIVIN’LARGE」 RELEASE PARTY
 
日時:11月21日(日)18:00開場〜21:00 CLOSE
場所:横浜BAYHALL(神奈川県)
料金:前売り 3,000円/当日 4,000円(各ドリンク代別)
出演:
LIVE

BIG RON feat. AK-69, DS455, G.CUE, HI-D, HOKT, JAMOSA, KOZ (S.T.M), LA BONO, MACCHO (OZROSAURUS), pukkey, RICHEE, SAY, SILVER BUCK, U-PAC (TAGG THE SICKNESS), ZANG HAOZI, 大地, 山口リサ, 籠獅
OPENING ACT
G.CUE/HI-D/TAGG THE SICKNESS & pukkey/ZANG HAOZI & 籠獅/山口リサ
DJ
DJ☆GO/DJ TIGHT
(問)HOOD SOUND INC.:045-226-3437
プレイガイド:
チケットぴあ http://t.pia.jp/(Pコード:122-386)
ローソンチケット 0570-084-003/http://l-tike.com/hoodsound(Lコード:70297)

 
 
 
 

Pickup Disc

TITLE : LIVIN' LARGE
ARTIST : BIG RON
LABEL : BAYBLUES RECORDZ, Village Again/VFS-029
PRICE : 2,600円
RELEASE DATE : 10月13日

TITLE : XXXXXL Inc. presents "NexSt☆rz”
ARTIST : V.A.
LABEL : KSR/XNKC-10016
PRICE : 2,500円
RELEASE DATE : 10月20日