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INTERVIEW[インタビュー] RSS

INGLORIOUS BASTARDS

インタビュー:高木“JET”晋一郎

「全体のトーンとしては映像的というか、映画的に作りたかったんですよね。だからそういうのが感じるような流れや構成にしようっていうのが最初のコンセプトでしたね。そしてそこに笑いあり涙あり格闘ありみたいなモノを込められればなって」——TONO

 RAMB CAMP(福岡)/MEDULLA(東京/松本)/CIAZOO(東京)の3グループを中心に、福岡からBOOTY(GENOCIDE CANNON)、北海道生まれながら東京に活動拠点を持つACE a.k.a 少年A (CHOCOLATE FACTORY)など総勢14名で構成されるINGLORIOUS BASTARDS。アンダーグラウンド・コネクションの産物とも言えるこのグループの生み出した1stアルバム「inglorious LP」は、整頓することや管理することを破棄したかのような、野蛮で混沌とした、不穏で逞しい世界観に彩られた一枚。はっきり言って、全てのリスナーが理解できる、感情移入できるような作品ではないだろう。しかし、野放図でコントロールされない表現欲求をそのまま吐き出すという、アンダーグラウンドの存在理由をしっかりと表わす作品だ。
(今回のインタビューにはRAMB CAMPよりFREEZ、CIAZOOよりHI-DEF/TONO/LILMERCY、MEDULLAの所属するMID NIGHT MEAL RECORDSよりdaiche、そしてBOOTY、ACE a.k.a 少年Aが参加)


■まず、INGLORIOUS BASTARDSの成り立ちは?
FREEZ(以下F)「RAMB CAMPが東京に行ったときにイヴェントが一緒になったり、よく遊んでたのがMEDULLAとCIAZOOで、そこで遊びまくってたらいつの間にかこうなったというか」
TONO(以下T)「で、MASS-HOLE(MEDULLA)がコンピを出すときにマイク・リレーを入れたいって言ってて、そこでRAMB CAMPとMEDULLA、CIAZOOで録ったんですね。それが思いの外スッと出来ちゃって。それもあって俺らが福岡に行ったときに録ったり、RAMB CAMPが東京に来たらまた録ったりってしながら、自然な流れで今の形になっていったっていうか」

■こうグループが横断的に組む場合、活動拠点が近いグループ同士が組む場合が多いですけど、INGLORIOUS BASTARDSはかなり活動拠点がバラバラですね。
T「ただネットを介してデータのやり取りが出来るんで、そこは気にしてないですね」

■昨年末にリリースされたシングル「inglorious EP」は流通を通さない、ゲリラ的な売り方でしたね。
T「ライヴでLIL MERCYがそう言っちゃったんですよね。だからやるしかなかったっていうか(笑)」
HI-DEF(以下H)「宣言しちゃったモノはしょうがない(笑)」
LIL MERCY(以下L)「でも面白いやり方だと思うし、自分たちで頭ひねって枠に囚われないことが出来るのはひとつの武器だなって。それに、自分たちでショップに卸しに行くと、実際の声が聞けるし、アーティストとレーベルとショップが上手く組み合った形で出したかったんですよね」

■今回の制作はいつ頃から?
T「5月の半ばぐらいですね。FREEZさんとはその前から『7月ぐらいにはアルバムを出そう』って話をしてたんだけど、みんなそれぞれのグループで動いてて、気付いたらその時期になっていて“これはヤバい”って(笑)」
H「2月にはその計画は決まってたと思うんだけど、いつの間にかそうなっちゃって」

■先に延ばすって発想はなかったんですか?
L「それやったら一生アルバムは出来ないと思って(笑)」
T「ギリギリの状態で本領を発揮する人ばかりなんで。『不可能じゃないか?』ぐらいのスケジュールがちょうどいい(笑)。そういう瞬発力で良いモノを出す人間が集まってるんじゃないっすかね」

■実際の制作はどのように?
F「TONOとLIL MERCY がメインになって動きましたね、今回は」
T「俺としては『このトラックはHI-DEFとBOOTYの組み合わせで』みたいに決めさせてくれたんでやり甲斐がありましたね」

■ではイニシアティヴはTONOさんが取られた感じですか。
T「そうっすね。でも、それは今回はって感じで、もしかしたら次はMEDULLAがそういう役割を担うかもしれないし、FREEZかもしれない。そこは自由にしておきたいなって。全体のトーンとしては映像的というか、映画的に作りたかったんですよね。だからそういうのが感じるような流れや構成にしようっていうのが最初のコンセプトでしたね。そしてそこに笑いあり涙あり格闘ありみたいなモノを込められればなって」
ACE a.k.a 少年A(以下A)「リリックの書き方的にはホント、その場のノリって部分も強いっすね。東京に住んでるグループは揃って録るときが多かったんですけど、その場でリリック書いて、フックは思いついた奴が作ってみたいな。だから『うわー、どうしよう』みたいに悩んで作るっていうのはなかったと思いますね」

■そうやって自由に作っていくのがINGLORIOUS BASTARDSの持ち味と。
A「だから8小節って言われてたけど、16小節書けちゃったらそれでいいみたいな」
H「それでモメたりもしました(笑)」

■よく言えば創作意欲を削らないで作れるというか。
T「譲れないところは譲らないって人間ばっかりですからね」
L「だから、内容よりも日程とかを決める方が難しいですね。今回のアルバムにしても、もう『7月に出すんで』って完全にケツを決めてから制作を進めていって。そうじゃないと絶対できない予感がしたんで」
F「MERCYとTONOがとにかくみんなのケツを叩きまくって」
H「時間に追われて意思の疎通どころの話じゃない(笑)」
F「だから、みんな解り合ってる途中です(笑)」

■アルバム出したのに(笑)。
T「そういう混沌としたのもいいかなって」
F「色んな方向で遊ぶっていうか」
A「でも、共通してるとしたら『良いモノを作って黙らせたい』みたいな感情なのかもな」

■それはリスナーに対して?
A「もそうだし、メンバーに対してもそう思うから、INGLORIOUS BASTARDSで作ってるとすごく向上心が湧いてくる。それでシーンを活性化させたいって気持ちもありますね」
BOOTY(以下B)「このアルバムが突破口になれればいいですよね」

■それは自分たちにとって?
B「そうっすね」

■でも、RAMB CAMPもMEDULLAもCIAZOOも、アンダーグラウンドでの評価は高いですよね。
H「いや、それで全然満足してないから。その状況に納得してないっていうのは共通してると思う」
F「もっと売れないとっていうのは思うし、アンダーグラウンドで立ち位置を作るならもっとリリースを続けないとなって」

■今回のジャケットも相当インパクト強いですが、これはDAICHIさんのデザインですね。
DAICHI(以下D)「そうっす。この元ネタをTONOが持ってきて」
T「LAKESIDEの『PARTY PATROL』ってアルバムのジャケを元にDAICHIにデザインしてもらって」
D「元のジャケよりかなり人数は増えてるんですけどね」

■『北斗の拳』感と『狂い咲きサンダーロード』感が一緒にある感じで、これは狂ってるなーと。
T「AKIRA的な感じでもあり」

■はっきり言ってこのジャケからどんなグループなのか全然分からないし、ジャケから音が全く想像できないっていう(笑)。
B「でも聴くとなんか納得できるんですよね(笑)」
A「K-BOMB(THINK TANK)さんに見せたら『変態なの作ったな〜、大変だよ〜、変態だな〜』ってずっと言ってましたね(笑)」

■そういった部分も含めて、色んな部分で匿名性が高いグループではあると思うんですね。でもアルバムを聴けば、すごくそれぞれのキャラが立ってて、その化学反応が面白いなって。
F「全員“人”が出るラップだったり音を作れるメンバーだと思うんですよね。態度が声やサウンドに出るっていうか」

■その個性は強いですよね。全方向にキャラクターがいるというか。且つ、そこを一定の方向に摺り合わせるんじゃなくてバラバラなモノはバラバラなモノとして提示してますよね。
T「“INGLORIOUS BASTARDS”でHI-DEFは“死ぬことに意味はない”って言ってるのに、ACEは死にに行くっていう(笑)。目茶苦茶っちゃ目茶苦茶ですよね」
H「でもそこが重要なんじゃないかな」
A「そこが個性だと思うし、結末を決めて書くっていうのはなかったですね。逆に“SNAKEING MISSION”はHI-DEFがある程度のストーリーを決めて、オチだけBOOTYに任せるっていう」
H「オチだけ丸投げして(笑)」
B「電話があって“とりあえずコンビナートまで物語を進めたんで、ラスト・ヴァースで爆発させるなり殺すなりして下さい”って(笑)」
T「だから俺らもドキドキしながら“BOOTYどう出る!”みたいな(笑)」

■だから、聴く人によって感じ方が全然違うアルバムでしょうね。
F「そういう部分はリスナーに委ねてますね」
T「ちょっと思ったのは、FUNKADELICみたいな異物感というか。結局『ファンク』を作りたかったんですねよね」

■それはすごくこのアルバムを象徴してるかもしれないですね。微に入り細に入り説明するよりは、とにかく聴いてどう思うかが重要というか。
F「今回、こういうモノがTSUTAYAとかタワーレコードに並ぶのを考えると面白いですよ。これを聴いて俺ら回りのアーティストを掘り下げてもほしいし」

■今、アンダーグラウンドではフリー・ダウンロードやフリー・ミックステープって形でアピールするアーティストが多いですけど、INGLORIOUS BASTARDSのメンバーはCDリリースや音源のリリースが多いですよね。
F「(ネット・リリースの)やり方が分からない(笑)」
H「そういう世代だからじゃない?今もし自分が高校生とかだったらがんがんやってると思うし、そういう文化を通ってきてないだけって思いますけどね」
L「でも、CDというパッケージで表現したいモノはCDでっていう思いはありますね」
T「自分がピンと来るタイミングがあれば、フリー・ダウンロードもやると思うし。みんながやってるからやるって発想はないっすね」
A「見せ方も合わせてカッコ良いと思えることが出来ればって」

■この面子も現場で出会ったと思うんですが、そういうコミュニケーションはやっぱり重要ですか?
「(口々に)重要だよね」
H「それも世代っていうのもあると思うけどね、他の方法を知らないし。それに携帯カチカチやってるよりクラブに遊びに行く方が話が早いっていうか」
L「“あいつ面白そう”って雰囲気はやっぱり会わないと感じないかなって思うし」
F「イングロは全員遊び人っていうのもあると思うけどね」

■ではINGLORIOUS BASTARDSの次の展開は?
T「やっぱり集まって作りたいですね。そうやって作れる環境を作れるのが次の目標かなって。データのやりとりもいいけど、一緒に楽しみながら作りたいから」
F「一週間合宿とかできたらもっとヤバいのが出来ると思うし。あとはツアーですね」
H「この場でブッキング募集したらいいんじゃないですか?」
F「えー、15人ぐらいの大所帯ですがブッキングお待ちしてます(笑)」
A「でも、『こんなの見たことない』ってライヴを見せる自信はありますね」

■各々のグループではどうですか?
T「CIAZOOは2ndの制作にかかろうかなと」
L「トラック・メイカーのBUSHMINDがアルバム『GOOD DAYS COMIN'』を(8月3日に)出します」
F「RAMB CAMPは活動を停止してるんで、BOOTY’N’FREEZで9月11日に『O.D.B THE ALUBUM』を投下します」
A「僕はWENODとかで『FUCKIN BOOT EP』って作品を置いてもらってるのと、年内にはソロ・アルバムを出せればなと」
D「MEDULLAはMidNightMeal RECORDSでミックスCDを連続して出すのと、アルバムも動き始める予定です」

■INGLORIOUS BASTARDSはこれから人数が増える予定とかは?
T「どうだろう?でも勝手に名乗る奴とか出てきてほしいかも。いつの間にか増えてるみたいな(笑)」
F「あと、今風邪ひいてるんで、医者のメンバーがいるといいな(笑)」
B「あと弁護士(笑)」

追記 : インタビュー翌日の早朝、ROCKASENのISSAC/TONANがINGLORIOUS BASTARDSに加入。


EVENT INFO
DEVIL'S PIE
 
日時:8月27日(土)23:59開場
場所:吉祥寺WARP
料金:2,000円(1D) w/FLYER 1,500円(1D)
LIVE:INGLORIOUS BASTARDS/DOWN NORTH CAMP/RHYDA/ABC/ADAMS CAMP/KKK
DJ:BUSHMIND/MARCUS/MS-DOS/BISON 他
詳細:http://midnightmeal.blog46.fc2.com/blog-entry-645.html

EVENT INFO
SOUTHSIDE MOVEMENT
 
日時:9月22日(木/祝前日)
場所:渋谷club asia
LIVE:INGLORIOUS BASTARDS/RUMI & SKYFISH/ISSUGI × DJ SCRATCH NICE/PONY & D.D.S/MEDULLA/ROCKASEN/YUKSTA-ILL(TYRANT from名古屋)/EmceeSTATE(from神戸)/NAGAN SERVER(from大阪)/ILL BROS(漢/TABOO1/DJ BAKU)/GAPPER(PSG)/SIMILAB/ERA/DOOBEEIS meets BOOT/茂千代 & DJ KENSAW(from大阪)/THE LEFTY(K-BOMB × JUBE)
DJ:DJ NOBU(FUTURE TERROR)
BAND:LIFE STYLE(from鹿児島)/PAYBACK BOYS/ROCKCRIMAZ
SOUTHSIDE CAST LIVE:EL-NINO/CUBE c.u.g.p/SMOKIN EKS TENSION/PRIDE MONSTER FAMILLIA/CULT/サクリファイスビリジアン/POCKY/天神YOUNG GUNZ(REIDAM × ツチノコJUNKTION)/ILL FRIENDS/BOOTY'N'FREEZ & O.D.B CLICK/DJ MOTORA(from長崎)/Q-ILL
DJ:OLIVE OIL/DADAISM DJ'S/RYUHEI(from熊本BOOT)/KOHKI(SEVEN UP)/SHOE(ILL TURNTABLISM)/HELF-GOTT(ILL FRIEND)/YUDAI(BACKWARS)/SHIGGE(信狂楽団)/JOE THE SOULDEEPER(SOUL DIGGER)

 
 
 
 

Pickup Disc

TITLE : inglorious LP
ARTIST : INGLORIOUS BASTARDS
LABEL : PRESIDENTS HEIGHTS/PHWD-002
PRICE : 2,520円
RELEASE DATE : 7月20日