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ANARCHY

インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)

「HIP HOPからスターが生まれて、HIP HOPがチャートの1位から10位まで独占するような時代。一番言葉に重みがあるし、メッセージもあって、最高な音楽やと思ってるからHIP HOPを選んで、HIP HOPをやってるワケじゃないですか。だから、そういう時代が来ると思うし、将来像で言うとそれが俺の持ってる今のヴィジョンかな。音楽も国も全部、全てを良く進めるためのひとつになるのがHIP HOPやと思ってるんです」

 以前、RYUZO氏が「いつかANARCHYをメジャーに持って行きたい」と語っていたのを、先ほどふと思い出した。もう5年以上前の話だ。そして2014年、ANARCHYはついに「NEW YANKEE」でメジャー・デビューを果たした。
 
 HIP HOPのスタイルも、聴き方も、成功モデルも10数年前に比べて多様化している現在において、“メジャー・デビュー”というフレーズにどこまで意味があるのかは筆者には分からない。だが、現在公開中のANARCHYのドキュメンタリー『DANCHI NO YUME -Dreams Of The Project-』を観ても分かるが(観れる人はこの映画は絶対に観た方がいい。ANARCHYのドキュメンタリーだが、HIP HOPドキュメンタリーとして観ても優れた出来だ)、文字通り“無”の状態から着実にスターダムを駆け上る“不良”の姿はやはりグッとくるものがあるし、デビュー初期の彼から追っている筆者のようなリスナーにとっては、たまらなくエンターテイニングなHIP HOPドラマだろう(そして、今作をきっかけに彼のリスナーになった人は、ここからそのドラマを観ていくことになるのだろう)。そして、2008年にリリースされた2ndアルバム「Dream and Drama」期のANARCHYを追った『DANCHI NO YUME』を観ればより分かることなのだが、ANARCHYの核にある部分は、音楽性がダンス・ミュージック寄りになったとしても、リリックが団地のリアリティに偏っていなかったとしても、昔と何ひとつ変わっていないのだ。
 
 世間の常識にとらわれず、型破りでイケてる生き方を目指す“ニュー・ヤンキー”の“今”と“未来”を訊く。
 


 
■アルバムの話に入る前に、ドキュメンタリー映画『DANCHI NO YUME』が公開されたけど、あれはどういう映画?
「結構前、5~6年前に撮ったんですけど、『Dream and Drama』を作ってるぐらいのときなんで、結構遡るんですよね。“GROWTH”のPVを撮ったSAMってヤツが『PV撮るから映画も撮らせてくれ』って言ってきて。彼の映像を色々観たら、クリエイターやったし、NYの人の考え方とか教えてもらって。そんなヤツらが自分の地元に来て、半年ぐらいマンション借りて泊まりこんで撮影したんですよね。だから、俺の地元のヤツらと一緒に遊んで、パーティ行ったりしながら撮ったから、あの頃の俺らの時間が真空パックされてる感じですね」
 
■その映画では、当時のANARCHYの将来像だったりとかも語られてるのかな?
「正直、あまり覚えてないんですよ。一回観ただけで。自分の生活を見せているから、自分が観るのは逆に恥ずかしかったりするんですけど、それが俺のホンマのリアルなんで、それを恥ずかしがっててもラッパーやから仕方ないな、って。せっかく完成しているモノだから、この機会に観てもらおう、と。今回の初回限定盤に付けた『痛みの作文』の文庫本も、別にアルバムに付ける必要はなかったかもしれないけど、それで俺のことをより知ってくれたり、自分の音楽をもっと深く聴いてくれたらありがたいです」
 
■今年の元旦に、AVEX傘下にレーベル:CLOUD9CLIQUEが設立されて、ANARCHYが第一弾アーティストとして契約したというニュースが話題になったね。
「CLOUD9CLIQUEは、まず俺をリリースするために作ったチームで、これから他にもいろんなことをやっていきたいと思ってます。CLOUD9の話は、発表する1年ぐらい前から進めてましたね」
 
■ということは、「DGKA (DIRTY GHETTO KING ANARCHY)」はメジャー進出のプランがあった上でのリリースだったわけだよね。
「そうですね。メジャーに挑戦する前に聴かせ切りたいこともあったし、幅を広げるためにもやったし。まあ、プロモーションですよね。で、その次はお金払って買うような作品を作る、っていう提示でもあったんで、今回はそういうアルバムを作りました。『DGKA』では、自分を出せたっていう感じがしてます。クラブでかかるような曲もいろいろ作れたし、そういう曲は今まであまり作ってなかったんで。でも、クラブって俺らの遊び場やし、あそこで流れている音楽でみんな踊ったり楽しんだりするわけだから、そういう音楽が作れるようになってきたかな、って。だから、やった甲斐がありました」


 
■実際、「DGKA」からの音楽的な流れは今作でも受け継がれてるよね。そういったタイプの曲は、これまでも作りたかったけど作れなかった?
「あんまり書きたいと思ってなかったのかもしれないです。でも、いろんなタイプの音楽ってあるし、『音楽ってもっと幅広いな』って、いろんな場所行って思ったりもしたし、自分の考え方がちょっと狭かったな、って思ったんですよね。もっと音楽を楽しめるし、どこでかかっても楽しめるような音楽を俺も作りたいな、って思うようになったんですよね」
 
■ANARCHYの聴いてる音楽の好みが変わってきたというのはある?
「いや、それはあまりないですね。昔からクラブでかかるような音楽は好きだったけど、それを自分の音楽でやろうとは思ってなかった。自分のカラーを自分で決めつけすぎてた部分があったと思うんですよね。でも、俺にはもうちょっと“色”があるんですよ。それを自分でも思ったし、それを表現したいな、って」
 
■これまでのANARCHYの“色”って何だったと思う?
「青色。でも、俺は黄色もオレンジも好きだし、もっと明るい色も好きなんですよね。今は何色もある感じです。いろんなことが出来るなって、自分の可能性を感じてるし、まだ自分が知らん色の出し方もあるかな、って思ってます」
 
■でも、その初期の色彩が好きでANARCHYのファンになった人も少なからずいる中で、ここまでカラフルなANARCHYを見せると戸惑うリスナーもいるかもしれないよね。その戸惑いをどうポジティヴなリアクションに変えていくか、というのが今のANARCHYには問われている。
「自分ではそういうことはあまり考えてないです。自分のためにアルバムを作ってるし、それがどう捉えられるかは分からない。でも、分かってくれる人は分かってくれるから、あまり怖くない。だから、戸惑ってんと付いて来い、って感じですね」
 
■確かに、ANARCHYの核にある“成り上がり”精神は初期からブレてないよね。
「俺もそう思います。核の部分って、その人の人間性やと思うんです。俺の中で俺が変わらへん限り、音楽の芯の部分は変わらないと思ってます」
 
■「NEW YANKEE」という今作のタイトルはかなり絶妙だと思ったんだけど。
「『DGKA』の曲の中のリリックで使った言葉なんですけど、『響きが良いな』って思って。ヤンキーって、一般的にはダサいモンになってるけど、俺の中でのヤンキーは、DIPSETみたいなのなんですよ。だから、ヤンキー=カッコ良いモン、ってことを教えたいんです、イズムとか考え方とか……このタイトル、みんなメッチャ引っかかってるんですね(笑)。俺、そこまで考えてないっす、正直。でも、今の俺を表現できてる言葉だと思うし、昔から変わらへん部分でもあるし、街のヤンキーのままな部分もあると思う。でも、そこら辺のダサいヤツらとは違うよ、って意味でもある。今の元気がない若い子たちに『もっと熱くなってムチャしてもいいんじゃないの?』って思いも伝えたいし、逆に昔からツッパッてきた50~60歳のオッチャンたちにも『今もヤンキーやってるよ』ってメッセージを送ってる。昔も、ツッパッて頑張ってた人っていっぱいいたわけじゃないですか?だから、上の世代も下の世代にも提示できたらな、って」
 
■多分、大なり小なり一般の人はヤンキーに対してステレオタイプなイメージを持っていて、だからこそ「NEW YANKEE」というタイトルに反応するんじゃないかな。最近では“マイルド・ヤンキー”なんて言葉も出て来てるぐらいだし。
「逆に、みんなが言うヤンキーってどんなのなんですか?見て分かるんですか?」
 
■見た目で言うと、上下セットアップとか、髪染めてるとか……かな……。
「それはただのダサいヤツやないですか!そういうのは俺、ヤンキーと思わへんもん。ただのダサいヤツ」
 
■まあ、偏見なんだけどね。でも、偏見に晒されるようなことをポジティヴな解釈で提示するというのは凄くHIP HOP的でもある。
「コンビニ前でたむろしてるようなヤツはダサいヤンキー。俺は、バット持って歩いててほしいです」
 
■それがカッコ良いヤンキーなの?(笑)
「見たら多分『あいつ、ヤンキーやな』って思う。みんな同じ服着てたりとか、軍団がいたりとか……看板背負ったりするワケじゃないですか、ヤンキーって」
 
■チーマー的な?
「そんなカッコ良いモンじゃないです。そもそもそんなにヤンキーのことが好きなワケじゃないし。でも、カッコ良いヤンキーっているじゃないですか。永ちゃんとかヒロトとか、俺の中でヤンキーなんです」
 
■ヤンキー“精神”が大事、ってことだね。
「そう。だから暴走族かどうかも関係ない」
 
■ANARCHYは、暴走族もやってたワケだよね?一方で、HIP HOPにハマって、地元の周りの連中もヤンキーからB・ボーイに変えていった。暴走族的なモノへのカウンターとしてB・ボーイに変わっていった、っていうのもあるのでは?
「その通りですね。初めから分かってたことなんです。そもそも暴走族に興味はなかったし、単車も興味なくて、特攻服とか要らんし、みたいな。ただケンカがしたかったためだけに暴走族をやったし、元々HIP HOPにしか興味がなかったから、HIP HOPが“ニュー・ヤンキー”だと思って今までやってきてたんです。で、それを堂々と言える時が来た、って感じかな」
 
■でも、HIP HOPが持つヤンキー性というのはすごく大事なテーマだよね。例えば、さっきDIPSETを挙げてくれたけど、みんながオシャレでイケてるモノだと思ってるUSラップの多くが、ヤンキー・メンタリティ丸出しだったりするわけで。近年で言うとMEEK MILLの"I'M A BOSS"とか、モロにヤンキーノリだよね、PVも含め。ANARCHYの今作でも“THE THEME”とかにそういったノリを強く感じるんだけど、USメインストリームのアプローチでクオリティの高い日本語ラップは増えてきたけど、そういったヤンキー・メンタリティをバランス良く入れられている曲はそう多くない。……話は変わって、メジャーから作品を出すということで、制作面でこれまでと違う考えはあった?
「そうですね。HIP HOPを広めるのがメインで、それと同時に俺の結果が付いてくると思ってるんです。だから、『広げたい』という気持ちは込めて作りましたね。それがなかったらわざわざメジャーでやらんかったと思うし、今まで通りのやり方でアルバムを作っていたと思う。メジャーでやることで、ラジオでもっと流れたり、渋谷で宣伝バスが走ったりするワケじゃないですか。それって今まで出来なかったことでもあるし、そうやってちょっと気にかけてくれる人が増えてHIP HOP聴くようになってくれたらいいな、って。やっぱりHIP HOPとかがちゃんとチャートに入っているような時代にしたいじゃないですか、俺らからしたら。それが、俺のHIP HOPへの恩返しでもあるし、それこそが若くてCDも出してないヤツらへのフックアップでもあると思うんですよ。そういう気持ちは今作で意識してたから、意識的にちょっと分かりやすくリリックを書いてみたり、いろんなパターンも作りたかった。アルバムの中で一曲でも刺さる曲があればいいと思ったんです。今までは『このアルバム一枚でHIP HOPのヤツらをギャフンと言わせたろ』って思って作ったことが多かったけど、今回はそうじゃなくて、『一曲一曲、どれか刺さればいい』と思ってる。だから、『このアルバムの中のこの曲が大好きやねんな』ってアルバムを買ってくれてもいいんです」
 
■分かりやすい曲を書くという行為は、ANARCHYにとって難しかった?
「結構楽でしたね。そこに関しては重く考えてなかった。例えば“Shake Dat Ass feat. AISHA”とかは、ゲットーな俺の友達でなくても、男がみんな持ってる“中2”な部分を出せば、みんな分かってくれるんじゃないかな?って思って作りましたね」
 

■本当に多要素なアルバムだと思うけど、大きく分けると三つの大きな要素があると思うんだ。ひとつは“The Theme”“Shake Dat Ass”のような享楽的な要素。もうひとつは『日本人であること』や『日本に住んでいるからこそ生まれてくる感情や感想』。最後は『自分のルーツに忠実である』ということ。意図的にこうした大まかなコンセプトは組み込んでいったの?
「いや、勝手に、です……凄いっすね、分析(笑)。享楽的な要素は、クラブの影響が大きいかもしれないですね。クラブでかかってノレる曲は意識してたし」
 
■それは、「DGKA」でも意識していた部分だよね。
「そうですね、延長線上にあると思います」
 
■クラブによく行くようになって、変わった部分ってある?
「そんな、クラブ・デビューのヤツみたいに(笑)」
 
■(笑)前のインタビューでは、「以前はクラブにいても楽しくなかった」って言ってたんだよね。
「酒が好きじゃなかったんですよね。で、酒が好きになった……それだけじゃないんですけど(笑)、前も話したけど、30歳になったときに『もっと楽しんで生きていこう』って思ったし、『明日死ぬかもしれないから』っていう気持ちもデカイです」
 
■「日本人であること」だったり「日本に住んでいるからこそ思うこと」という要素は?コレは今作で新しく出て来たANARCHYだよね。
「ね」
 
■「ね」って(笑)。
「こういう曲を書きたいな、と思うようになって」
 
■昔から?
「いや、最近です」
 
■それは、震災の影響とか?
「いや、そういうことではないんですよね。オトナになってきて、ニュース番組とか結構好きになってきて。実際、難しいんですけど、ちゃんと考えたら面白かったりもするし、自分もいち国民やってことを理解するようになってきたというか。俺らが意見しいひんかったら国は変わらへんワケやないですか?それに、俺はラッパーやし、ラップの力って政治家の言葉より若いヤツらに与える影響が大きいと思うんですよ。そう考えたら、しっかりしたことを歌える時が俺にも来たのかな、って。俺のラップがきっかけで『じゃあ、俺ももっとニュース観てみようかな』とか『選挙行ってみようかな』とか、20歳ぐらいのガキが思うかもしれないじゃないですか。それでちょっとでも世の中が変わっていくかもしれんし、そういうことをラッパーの口から言っていくことって大事やな、って。(Kダブ)シャインさんとかは昔からやってたことですよね」
 
■会社員みたいに言うな(笑)。
「(笑)でも、俺らはシャインさんの言ってることでさえ『難しいな』って思ってたんです。それは、俺らの考えが浅かったんですけど、そういった内容に興味を持たせなかった政治/社会にも問題があるな、って。でも、シャインさんはいち国民としてそういうことを歌ってたワケだし、そういうことって俺でもアホなりに歌えるな、って」
 
■頭良かろうが悪かろうが、自分の意見を述べることが重要だからね。「ラッパーが伝えることによって、社会が変われば」っていう願いがある?
「うん、それもあるし、『自分たちがこの国の一員や』っていう意識も高めたい。それがあれば『日本人としての誇り』ももっと持てるじゃないですか」
 
■ANARCHYは、日本がどういう国になっていけばいいと思っている?
「それは難しいですね……いっぱいあるでしょ」
 
■「NEW YENKEE」の享楽的な要素も踏まえると、「もっとエンジョイできる国になってほしい」というのはあるのでは?
「ああ、それはもちろん。でも、自分たちにとって良い風になってほしいことだけじゃないですからね、国が変わるっていうのは」
 

■“Right Here”や“Moon Child feat. KOHH”のような、自分のルーツについて歌っている曲もあるよね。
「その要素は抜くワケにはいかなかったですよね。“Moon Child”や“Right Here”のような曲がなかったらANARCHYのアルバムじゃないと思うんです」
 
■元々ANARCHYが持っていた要素だよね。“Moon Child”は、父子家庭で育ったANARCHYと、母子家庭で育ったKOHHが、それぞれが育ってきた環境について歌っているけど、ANARCHYが成長していく上で母親がいなかったということはどう影響したと思う?
「もし母親がいたら、今とは違ってたでしょうね。どう変わったかは分からないけど、こうはなってなかったと思う。でも、母親も音楽好きだったし、オトンもミュージシャンやから、音楽はやってたかもしれないですね。でも、俺が今持ってるハングリー精神とかは、母親がいなかったからだと思うし、そういう意味ではいなくてよかった、って思ってます。片親だったことで、経験できなかったことも経験できたと思うし、それが歌になって俺のカラーのひとつになったワケやから、逆に感謝してますね。子供の頃は、片親なのがイヤだったかもしれないけど、そう思わんようにしてましたね。周りに同じような環境の友達ばっかりだった、っていうのもあったから、俺にとっては大したことじゃなかったです」
 
■“Moon Child”のような曲を作ることで、リスナーにどう感じてほしい?
「今、俺が言ったみたいなことを思ってほしいんです。『親がいいひんぐらいで人生終わったみたいな顔してるなよ』みたいな。どっちみち、生きていくのは自分なワケじゃないですか。『親がいなくたってダチは作れる』って歌ってるんですけど、親がいなくなったり死んじゃったりするのは仕方ないことだし、それを受け入れることが大事やな、と。こういうメッセージは1stアルバムの頃からずっと歌ってきてると思うんです。俺は音楽をネガティヴなモノとして考えたことがなくて、どんなゲットーなことを歌ってても、ポジティヴなモノにしたい」
 
■確かに、USのゲットー出身のラッパーとかは、暗くて辛い環境をそのままハードなモノとして描くこともあるけど、ANARCHYの場合はそういう曲って実はないよね。
「環境をプラスに変えてきたのかもしれないです。でも、みんなそうであった方がいいですよね」
 
■“Moon Child”と“Right Here”は、ある意味では繋がってる二曲だよね。“Moon Child”で片親の生活環境について歌ってて、だからこそ仲間という存在がANARCHYにとって重要だし、だからこそ“Right Here”の「仲間とここまで来た」というフレーズがある。「仲間とここまで来た」っていうフレーズは、聴く人によっては「俺はここまで到達した」という風に捉える人もいるよね。
「みんなそう思うかもしれないですね。俺はいつも『ここまで行く』と思って階段を上っていってるんです。だから、一年前でも一年後でも俺はこの曲を歌えると思う。でも、敢えてこのタイミングで歌ったっていうのは、やっぱり今の自分の状況があるからだとは思います」
 
■今、実現していることは「ROB THE WORLD」の頃想像してた?
「うん。もっと凄くなってると思ってた。根拠はなかったかもしれないですけど、自信があった。実際、その頃思ってて実現したこともあれば、出来てへんこともいっぱいある。俺、今ぐらいの歳になってたら宇宙に行ってると思ってた」
 
■宇宙だ(笑)。
「宇宙船の中でPV撮ってると思ってた」
 
■だいぶ先走った未来観を持ってたんだね。
「そんぐらい頭が飛んでなかったらここまでやってない(笑)。今も行きたいですよ、宇宙。いつ行けんのかな?って。10年後には行ってたいですね」
 
■「ROB THE WORLD」の頃、ミュージシャンとして描いていた将来像はどんなモノだった?
「『ROB THE WORLD』を出したらスーパースターになれると思ってたけど、スーパースターにはなれなかった。だけど、スーパースターにはなれなかったけど、ラッパーにはなれましたね」
 
■「NEW YANKEE」を出すことによって……?
「スーパースターになると思ってる」
 
■その根拠は「ROB THE WORLD」の頃より明確なんじゃない?
「いや、変わんないです(笑)」
 
■でも、あの頃より、より現実的なモノとしてあるんじゃないかな、って。あの頃より手が届きそうな感覚はない?
「今までやったら、コレをいろんな人に話すと鼻で笑われてて、それも逆に面白かったりしたんです。『じゃあ、なったろ』って。みんなが『ちょっと近づいたんじゃないかな?』って思ってくれたら嬉しいですね。でも、俺はいつもその気持ちでやってるんです。HIP HOPからスターが生まれて、HIP HOPがチャートの1位から10位まで独占するような時代。一番言葉に重みがあるし、メッセージもあって、最高な音楽やと思ってるからHIP HOPを選んで、HIP HOPをやってるワケじゃないですか。だから、そういう時代が来ると思うし、将来像で言うとそれが俺の持ってる今のヴィジョンかな。別にHIP HOPやってるヤツだけが良い思いできる、ってワケじゃなくて、音楽も国も全部、全てを良く進めるためのひとつになるのがHIP HOPやと思ってるんです。実際、USだとキーになってるじゃないですか」
 
■そうだね。オバマが大統領になった背景には、確実にHIP HOP世代の存在がある。
「そういう部分は日本でも大事だと思うし、自由に意見できたり表現できる環境は大事ですよね」
 
■ちなみに、近い話だと次の動きについてはどう考えてる?
「うーん、次やることとか、ですよね?」
 
■ちなみに、「DGKA」のときに同じ質問したら「ローラと付き合いたいです」と答えてました。
「(笑)ローラとはまだ会えてないですね」
 
■あの発言、評判良いですよ。
「マジすか?(小声で)みんな好きやなぁ……」
 
■ちなみに、“Shake Dat Ass”で「道端アンジェリカとチューしたい」と、ANARCHYの浮気性な部分が顕わになってしまったけど。
「いや、それはみんなの気持ちを歌ってるだけです。みんなチューしたいでしょ?俺含め。伊藤さんもチューしたくないですか?」
 
■まあ……出来るに越したことは、ない……。
「そういう、ただの“中2”症について歌ってるんです、コレは(笑)。ある意味ピュアっすよ。でも、気ぃ変わるのは確かに早いんで、今はラブリの方が好きですね」
 
 

Pickup Disc

TITLE : NEW YANKEE
ARTIST : ANARCHY
LABEL : CLOUD9CLIQUE
PRICE : 4,104円(初回生産限定盤)/3,024円(通常盤)
RELEASE DATE : 7月2日