INTERVIEW[インタビュー] RSS

Y’S

インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)

「自分が歌ってるワケだから、自分の気持ちを自分の言葉で隠さず歌いたいというか。その方が『刺さる』と思うし。例えば俺のことを『チャラいヤツ』って見てる人がいるんだったら、良い意味で裏切れるだろうな、っていうのは考えたし、みんながそういう風に俺のことを思ってくれればくれる程、俺的にはしてやったりというか」

 ここ数年はSIMON“TEQUILA, GIN OR HENNY”やTRIGA FINGA“GYAL IS EVERYTHING”といった楽曲での好演を筆頭に、数多くの重要曲にフィーチャリングMCとしてヴァースをキックしていたY'S。フィーチャリングを通してMCとしての価値を高めるというのは、HIP HOPの定番的な勝ち上がり方だが、Y'Sはそのフォーミュラを日本で活かしてきた好例だろう。そんな彼が、満を持して自身名義のニュー・アルバム「Love Hate Power」をリリースする。
 
 ラッパーとしての顔以外にも、代官山にショップ:YELLOW SUBMARINEを構え、ファッション方面でも知名度が高いY'Sだが、彼のニュー・アルバムは、正に彼と同郷のKOHHが“FUCK SWAG”で「結局見た目より中身」と訴えているのと共鳴しているかの如く、“自分自身”で勝負しているのがやはり印象に残る。他のMCとの共演を通して自己を確立してきた男が、今度は自分の作品で何を語るのか。初見のリスナーはもちろんのこと、ここ数年の彼の動向をチェックしてきた人にも是非チェックして頂きたいアルバムだ。
 


 
■1stアルバム「YELLOW BLACK」がリリースされたのっていつだっけ?
「2007年ですね。で、その後2009年にEP『INTELLIGENT』が出て、その後は空いたっすね」
 
■それを考えると、自身名義の作品としてはかなり久し振りだね。それでここまでご無沙汰感ない人も珍しいな、と(笑)。
「ハハハ、確かに。それは一番ありがたいですね」
 
■自身名義の作品が出ていない期間は、メンタル的にはどんな感じだった?
「結構悩んでた期間もかなりあって。アルバムとEPを出して、『もっとドンと行きたい』と思ってたから『そこでどうしたらいいんだろうな?』って模索してました。そしたら、思いのほか客演に呼んでもらうことが増えて、逆にラッパーとしての自信が付いてきた期間でもありますね。ポンポン出すのは、それこそカネ引っ張ってくればいいことだし、出来たことだと思うんですけど、やっぱりドンと行きたいから、そこで自分がラッパーとして足りない部分がいっぱいあるんだろうな、と思って」
 
■いろんなアーティストに話を訊くと、アルバムが出したくても出せない時期はやっぱり辛い、と言う人が多いんだけど、Y'S君の場合は、客演の激増によって手応えを掴むようになっていったんだね。
「そうですね。それを掴みたくて、自分の作品を出してない間、いろんなことをしてたんですよね。クラブに行ったり、DJ TY-KOHとかとツルんだりとか、いろんなことをすることで『自分がどこの立ち位置にいるのか?』というのを冷静に見てた期間だったから、全然マイナスじゃなくてむしろプラスなのかな、って」
 
■以前のY'S君が「足りなかった」部分って、自分では何だったと思う?
「一番はストリートのプロップだと思います。別にやることは変わらないんですけど、俺がいろんなヤツと繋がって、いろんなヤツとパーティをしていく中で、『Y'Sってファッション(関係)でしょ?』とか色眼鏡で見られてたのをどんどん払拭できた。で、それが自分にとって自信になったから、ラップにもそれがちゃんと影響されてるかな、っていうのはあるっすかね」
 
■フィーチャリング仕事が増えたことによって、いろんな曲を書くことになるワケだから、必然的にY'S君のラップも一皮剥けていった気がするんだ。で、その「一皮剥けたY'S」の現時点での集大成が今作な気が個人的にはしてて。ここ数年、ラッパーとしての自分にどんな変化があったと思う?
「え……難しいな(笑)」
 
■ラップを書く上で、以前と意識面でどれくらい違う?
「あ、もう全然違うと思うっすね。例えば昔とかは、ざっくりとした着地点しか見えないで書いてたと思うんですよ。それよりもっと明確に自分の言いたいことが言えるようになったし、頭4小節/ケツ4小節をスッと書いてから全体を作るとか、スゲェ考えて作るようになった。それこそ作詞についての本とか、読んだんですよ。ラップに関係があるのか分からないけど、そういった本を読んで勉強したかったんですよね。ボイトレも1年以上行ったし。それも、もしかしたらラッパーとして考えたら必要ないことなのかもしれないけど、一回全部そういったことを経験してみようと思ったんです。自分的には、そういったことが良い方に作用したと思います」
 
■Y'S君は、ファッション方面での露出も多いし、外側にはあまり泥臭い姿は見せてこなかったと思うから、そういった“下積み”っぽい話は新鮮だね。
「やっぱり、刀は磨かないと錆びるのと一緒で、磨くことが一番大事だな、って思ったんですよね。プロのサッカー選手や野球選手もそうだけど、試合で活躍したり良いパフォーマンスしたいってなったら、やっぱり試合以外での部分が大事じゃないですか。そういった部分は意識したっすかね。だから、クラブとかに無駄に遊びに行かないとか、女遊びを『そんなに』しないとか」
 
■「そんなに」だ(笑)。
「(笑)自分の中である程度絞っていって、削ぎ落とす努力はしてみようって。音楽をやるって部分ではHIP HOPも他のジャンルも変わらないと思うから、音楽をやってる人がやっている努力はしてみよう、と思ったんです」
 
■そういう意識になったきっかけはあるの?
「FOREFRONT RECORDSからアルバムを出そうってなったときに、そういうことはスゲェ話しましたよ。今までは自分ひとりでやってたんですよ。アルバムやEPも自分がやりたいことをやったし、誰にも関与/左右されないとこでやってたけど、みんなが命賭けて神輿担いでくれるってなったら、本人が努力してないと担げるモンも担げないですよね。だから、そういった部分は最低限努力しよう、ってなったし、本当の一流はそういうことをしてますよね」
 
■当たり前の話だけど、客演が増えたのは自然に、だよね?
「そうですね。全部オファーもらって」
 
■Y'S君的には、どの辺りから「客演が増えてきたな」って実感した?
「“TEQUILA, GIN OR HENNY”とか“GYAL IS EVERYTHING”辺りだと思うんですけど、あの時期に『良いヴァース蹴ってくれるんだな』って理解してもらえたのかな、って。あと、俺的に結構デカかったんだろうな、っていうのは“STAND HARD REMIX”なのかな。BACHLOGICやJIGGが俺のことを面白いと思ってくれて、誘ってくれたのもデカイな、って思いますね」
 
■客演仕事を通して学んだことは?
「客演って、キャンバスが既にあって、ある程度『こういう絵を描いて下さい』っていうモノがあるじゃないですか。そのリクエストに対してちゃんと当て込むってことですかね。それまでは多分、客演依頼が来ても『自分は言いたいことは言いたい』とかで、そういった部分はあまり気にしてなかったと思うんです。それが今はないというか、曲を壊さない程度でテーマに応じて、っていうところはスゲェ勉強になりましたね」


 
■ここまで自身名義の作品を出すのを控えてたのが、「今だ」となった理由は?
「SIMON君が『B.U.I.L.D.』を出したぐらいのタイミングですね。その時期に『あ、次は俺だね』と自然に思えた。今までは『俺、アルバム出してぇ』とか、ざっくりした感じだったのが、同年代の人の作品で刺激になったことで、もうちょっと具体的に『俺ならこういうことをしたいな』という考えが出て来たんです。俺がSIMON君やT.O.P.君、KOHHと同じこと歌ってもしょうがないし、針の穴を通すような細い部分を狙わないと、オリジナリティって出ないと思うんですよね。ありがたいことに、俺の近くにいる人たちが濃いから、逆にその人たちと被らないようにしよう、って」
 
■今作のジャケはなかなか強烈だけど、こういうアートワークにした意図は?
「取り敢えず、パンチがあるモノが欲しかったんですけど、軽く後付けになるけど、結局コレ(HIP HOP)に縛られてるっすよね。コレに命賭けて、コレのために生きてるから」
 
■じゃあ、この心臓=HIP HOPと。
「そうです。『俺はコレに賭けてる』っていうことがこういうイメージになったというか。あとは、つまんないジャケにしたくなかった。賛否両論あっていいんですけど、一生忘れられないジャケにしたかったんですよね(笑)。(アートワークのデザインを務めた)FLJの大野さんと密にやり取りしてこういう感じになりました」
 
■さっき、「俺ならこういうことをしたい」と思うようになった、と言ってたたけど、今作ではどういうことをやりたかった?
「言いたいことをオブラートに包むんじゃなくて、言いたいことを言いたいように言いましたね。万人に受けようと思ったら、もうちょっと全体像を見たり、HIP HOPの『村の外』の人たちのことも考えて作るべきだけど、それをある程度排除したというか。細かいところで色々捻ってはいるんですけど、あんまりフロウとかリリックを詰め込み過ぎないで、難解にしないようにしましたけど、エッジの利いたモノにしようと思いましたね」
 
■今作は、予想以上に人間臭いアルバムだと思ったんだ。そういった部分は出さない人は絶対出さないよね。
「伝わらないのがイヤだったんです。俺、そういった部分ではT.O.P.君とかすごい好きなんですけど、自分が歌ってるワケだから、自分の気持ちを自分の言葉で隠さず歌いたいというか。その方が『刺さる』と思うし。今だとある程度フロウとかでごまかして、みたいな人がいっぱいいる中で、俺が聴きたかったり『良い曲だな』と思うような曲って、やっぱ『刺さる』曲だったりする。でも、それだけだと古臭いから、そこに今のビートだったり今のライム感だったりを足した上で、熱いアルバム/曲にしようと思いました。例えば俺のことを『チャラいヤツ』って見てる人がいるんだったら、良い意味で裏切れるだろうな、っていうのは考えたし、みんながそういう風に俺のことを思ってくれればくれる程、俺的にはしてやったりというか」
 
■今作の大部分のトラックをJIGGが手がけているけど、彼とはどういう風に繋がっていったの?
「もう思い出せないぐらい古くて、俺が10年ぐらい前に渋谷VUENOSでライヴしてたら、『ヤバイじゃん!俺、トラック作ってるから一緒にやろうよ』って話しかけてきて。で、俺が1stアルバム出したぐらいの頃に彼がGUNSMITH PRODUCTIONに入って、そこからですね。で、『INTELLIGENT』はほとんどJIGG君と一緒に作った作品ですね。もう、音楽の部分で一番信頼してますね。だから、一番一緒にやってて楽なんですよ。あと、彼のセンスを信じているから、自然の流れでこうなってますね。彼と音楽的にどうっていう話はしなかったですけど、『ちゃんと音楽をやりたいね』ってことは話しましたね。HIP HOPとして成立してるけど音の鳴りが悪いとか、トラックとラップのキーが合ってないとか、それもHIP HOPの良さではあると思うんですけど、本当に自分たちが良い作品を作りたいんだったら、そういった部分をちゃんとクリアしたかったんです」
 
■“Popping Tags”ではファッショについてラップしてるよね。ファッションという要素はHIP HOPにおいてどれくらい重要だと思う?
「どれくらいだろうな?別に、何でもいいと思うんですけどね」
 
■「身の丈に合ったモノがいい」って曲でも言ってるもんね。
「そうそう。それでハイ・ブランドはイヤだ、っていうことを歌ってるんだけど。イヤだ、というか、それがオシャレって風には俺はなりたくないというか。そういった流れがここ何年かで目立ったから『そういうんじゃないでしょ?』って思ったし、向こうのヤツらとかも別に“普通”ですからね。オシャレを気にしてるというより、レコ屋でレコード掘ったり新譜チェックするのと同じテンションで服やスニーカーをチェックしてますね。だから、『服に命賭けてる』とかもまったくないんですけど、音楽と一緒でちょっとヒネリを入れたい、ってだけなんですよね。そういう考えだから、オシャレの定義が俺の中では分かりづらいんだけど、服は大事だと思いますよ。自分を表わすモノだし、オシャレに気を使ってるヤツは、多少なりとも自分に意識があるワケだから、精神がルーズじゃないと思うんです」
 
■これは、リスナーの意識というより、主に業界内での意識だったと思うんだけど、「服屋兼ラッパー」っていう肩書きは、ファッション・アイコンとして露出面でメリットがある一方、所謂コアなところからはなかなか認められない、っていう傾向、あったよね。
「あったあった。すごいあったと思うっすよ。それはめちゃくちゃ感じてたけど、自分の名前が全国区になるためにはそれが手っ取り早かった。あと、服屋やってストリートにいれば、そこで出会う人もいっぱいいるから、そっちのメリットの方が強かったかな。だって、音楽の部分に関しては、最終的に捲ればいいだけの話じゃないですか。デメリットの部分でダメになっちゃう人はそこまでだった、っていうことじゃないですかね」
 
■あと、Y'S君は自分でショップを経営したりしてるけど、そういった部分をラッパー面での“見栄”として使ってないよね。
「全然使ってないですね(笑)」
 
■客演の多さからも、Y'S君のハッスル・ハード振りは分かるし、Y'S君の存在がそういったステレオタイプをある程度覆す一因になったのかな、って思う。そのステレオタイプを俺も持っていなかったかと言われれば、あったと思うし。ましてや、10年ぐらい前の頃って、ニトロ周辺の盛り上がりからストリート・ファッションが盛り上がっていった一方、SCARSみたいな人たちが出て来て、カウンター的な機能を果たしてて……。
「『CONCRETE GREEN』の流れですよね」
 
■2000年代中盤以降に、よりストリートでアンダーグラウンドな才能がいっぱい出て来て。そういう意味で言うと、Y'S君にとって難しい時期もあったんだろうな、って。
「めちゃくちゃ難しかったと思うっすよ。でも、318が言ってくれてたんですけど、『みんな色眼鏡で見て、Y'Sとかのこともマイナスから入るじゃん?だけど、好きだったヤツのことを嫌いになることは出来るけど、嫌ってるヤツを好きにさせることが出来るんだったら、ギャンブルとして超レヴェル高いんじゃない?』って。その通りだと思うし、自分が服屋だったことが最初はデメリットだった部分もあったけど、捲っちゃったら『強い』な、と思ったんです」
 
■318はぶっ飛んでるヤツだけど、そういう良いこと言うんだよな……(笑)。でも、彼はT.O.P.やKOHHのプロデュースで今Y'S君が言ったことを実際に証明してる。で、318繋がりで訊くけど、“プリンス”ではKOHHとMONY HORSEが参加してるよね。彼らはY'S君と同じ北区・王子の出身で、この曲は別に地元讃歌というわけではないんだけど、KOHHの出現によって、東京のHIP HOP的には空白に近いエリアだった王子が注目されてると思うんだ。
「王子は、何もないんですよ。ベッドタウンみたいな感じだし、団地を囲むように真ん中が住宅街。暴走族とか超多かったし、川沿いの土地でよくありがちな、原付き2ケツとかしてる女とかも普通にいる、みたいな。MUNEO45は『あそこはクイーンズみたいだ』って言ってましたね」
 
■MUNEO45!全国流通クラスのラッパーで言うと、やっぱりY'S君が最初なの?
「だと思うすよ。俺は先輩にラップをしてる人はいなかったですね。いないからラップを始めたっていうのもある」
 
■そうすると、“プリンス”じゃなくて“キング”だね。
「いやいや(笑)。でも、1stアルバムのときのプロフィールに『北区・王子出身』って書いてあったから、KOHHも『王子にラッパーいるんだ』って衝撃受けたって言ってくれてましたね。彼みたいなラッパーが出て来たのは、超嬉しいですね。本当に弟みたいに思ってるし、成功を心から望んでます」
 

■“Run Way feat. 鋼田テフロン”では自分のルーツについても歌ってるけど、例えばY'S君に決定的な影響を与えたMCっている?
「俺の中ではニトロの人たちがデカかったなー。“東京弐拾伍時”も、久しぶりにドキドキした。なんか東京っぽかったというか、オシャレだったっていうのもあると思うし、ガキのときって『ここのスキルがこうだからヤバイ』という風には思わないし、感覚で感じ取るモンじゃないですか。『さんピンCAMP』のヴィデオとか観ててSHAKKAZOMBIEも好きだったんですけど、ニトロと共通してるのってそこなのかな、って。オシャレでいて、東京っぽいし、不良っぽくもあるっていうのは、やっぱりドキドキしたっすかね。それこそ俺とかサ上、TARO SOULとか、DELIさんやDABOさんのツアーの前座をやってましたけど、あの当時のあの熱量って、途轍もなかったな、って。お客さん全員将棋倒しになるぐらい人いたし、『コレが売れてる人たちなんだな』っていう衝撃が凄すぎた。俺は『さんピン』の頃は映像を通してでしか知らないけど、その熱量を目の当たりにしたというか」
 
■よりパーソナルなルーツを語っている曲としては“Oyaji”という曲があって、この曲も今作の人間臭さを象徴してるよね。
「親父が3年前ぐらいに死んだんですけど、そのときに『コレは絶対トピックとして使おう』と思いましたね。親父との仲とか、家庭環境は恵まれてなかったんで」
 
■この曲を聴いた限りだと、親父さんは家を出ていったんだよね?
「17歳のときに親父が借金作って。親父もお袋も家出てっちゃって、俺と姉ちゃんだけが取り残されたんですよね。で、業者の取り立ての電話とかいろいろあってめんどくさくなって、俺も姉ちゃんも家出て一家離散みたいな感じになるんです。だから、親父のこともムカついてたんだけど、死んでしまったんで、コレをちゃんと歌うことが俺が親父に送れる最大のラヴ/リスペクトかな、って」
 
■奇しくも般若君もニュー・アルバムで父親のことを歌ってて、般若君の方は愛憎入り混じった感じで書かれていたけど、Y'S君はハッキリ父親に感謝してるよね。
「多分、死んだことが(感謝するようになった)きっかけですね。親父に会いに病院に行ったら、看護婦とかに『「息子に会いたい」ってずっと言ってた』って言われたし、会ってみたら許せましたね。親父は親父で大変なことがあったんだろうな、って感じれたから、そこで『ありがとう』って思えたんです」
 
■Y'S君の考える「良いラッパー」の定義って、昔と今とで変わってたりする?その答えに、ここ数年のY'S君の成長の秘密がある気がするんだけど。
「変わってると思います。昔は良いラップをするヤツ=良いラッパーだと思ってたんですけど、今は『人としてちゃんとしてるか』っていうことがすごい気になる。いろんなラッパーと会うようになって、一番食らうのがその部分なんです。しっかりしてて、人間として芯がちゃんとあって、ラップがホットなヤツがやっぱ良いラッパーなのかな、って。どんだけ良いラップしてても、プライヴェートがクソだったらやっぱりダメだと思うんですよねー。そこはアメリカと日本の大きな違いだと思う。向こうも多分、本当に売れてるヤツはちゃんとしてるんだと思うんですけど」
 
■アメリカの方が規模も大きいだけに、ごまかしも多少効きそうだよね。
「そうなんですよ。でも、日本だとそれじゃダメなのかな、っていうのは感じますね。すげぇルーズなヤツとか、いっぱいいるじゃないですか?でも、そうだとラップがどんなに良くても絶対に売れないって思っちゃう。別に毎日パーティしてようが何してようが別にいいんですけど、中身がちゃんとしっかりしてないと、どんだけホットなラップしててもウソに聴こえちゃいますね、今は」
 
■その定義の変化は、Y'S君自身にも当てはまるよね。今作の内容もそうだし、ライヴを観てても以前より“人間味”を感じるというか。
「そうですね。そこは俺の中ですごい変わった部分かもしれないです。ライヴ中のトークとかも、ラッパーっぽくカッコつけて喋るというより、普通にひとりの男として喋ってるし、それはやっぱりいろんな街でライヴをしてきたからだと思うんです。ただの“SWAG”みたいなモノでは、地方に行けば行くほど盛り上がらないですよ」
 
■今作を作っての手応えは?
「もちろん、悪くない筈です。あとは聴く人がどう捉えるかってとこなんですけど、俺自身はもう自分のモノに飽きちゃってるから、今月末(取材時)からまた制作始めます。完成してから『良かった、安心した』みたいな気持ちはまったくなくて、それより『もっとこういうことしたいな』って気持ちの方が強い。このアルバムを作ってたときより今の方が制作意欲がハンパじゃないんですよ。だから、どんどん作ってヴァージョン・アップしていきたいな、って」
 
 
EVENT INFO
WAX x DANCE HOLIF presents
Y’S NEW ALBUM「LOVE HATE POWER」 RELEASE PARTY

日時:8月24日(日)16:00開場
場所:渋谷HARLEM
料金:3,000円(ドリンク代別)
LIVE:Y’S
FEATURING ARTISTS:YOUNG HASTLE/KUTS DA COYOTE/DJ KEN WATANABE/十影/RAW-T & SPECIAL DANCERS

 
 

Pickup Disc

TITLE : Love Hate Power
ARTIST : Y’S
LABEL : THE FOREFRONT RECORDS
PRICE : 2,592円
RELEASE DATE : 8月6日