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インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)

「自分のラップは、取り敢えず『トラックのノリを一番掴む』ことですかね、分かりにくいかもしれないけど。最近、トラックがカッコ良くてもラップが『浮いてる』曲が多いな、って思ってて、そういうのは音楽として成立してない気がするんです。俺らの世代は、そういう部分もひっくるめてやらないとダメなんじゃないか、って思ってやりましたね」

 グループ、ソロ関連作含め、ここ1〜2年の東京アンダーグラウンドHIP HOPの話題をかっさらっていった感のあるFla$hBackS。同グループから、KID FRESINO、Febbのソロ作に続く形で、jjjのソロ・アルバム「Yacht Club」が満を持してリリースされた。
 
 そもそもFla$hBackSの1stアルバム「FL$8KS」のトラックの大部分をjjjが手掛けていたこともあり、サウンド面でのFla$hBackSサウンドのアイデンティティをjjjのトラックと位置づけているリスナーも多いことだろうが、同級生のFebb/KID FRESINOより若干歳上のjjjは、また彼らと感性の違うクリエイター/ラッパーだということが、「Yacht Club」を聴くとよく伝わってくる。本作を聴くリスナーの多くは、既発のFla$hBackS音源の多くをチェックしている人たちだと思われるので(ここ1〜2年でそこまでのブランド性を確立したというのは素晴らしいことだ)、そういったリスナー的な勝手な比較も含めて本作を聴いてみると、よりjjjのアーティストとしての魅力が浮かび上がってくるかもしれない。「Yacht Club」は間違いなく、日本が誇る新たなサンプリング・マエストロの会心作だ。
 
 
■2年前に初めてFla$hBackSとしてのインタビューをやらせてもらったときに、jjj君のキャリアの始まりはスクラッチDJからだったって話を訊いたんだけど、改めてその頃の話を教えて頂きたく。
「YouTubeが流行り始めたぐらいの頃で、俺、スクラッチの音が好きだったのでDMCの動画とかよく観てたんですよ。Q-BERTが特に好きで、調べてたら彼がQFO(ターンテーブルとミキサーが一体型のVESTAX社製ターンテーブル)っていうターンテーブル出してるっていうのを知って、それを買ったのが最初ですね。HIP HOPを聴き始めたきっかけは、日本語だとRIP SLYMEですかね。海外のだと、CHAKA KHAN“I FEEL FOR YOU”(でのMELLE MELのラップ)が多分初めて聴いたラップなんですよね」
 
■jjj君の年齢(25歳)を考えると、意外な入り口だね!
「親が80年代の洋楽ヒット・ソングが好きで、そういう当時のCMとか映画のタイアップ・ソングを集めたようなコンピが、家に結構あったんですよね。a-ha“TAKE ON ME”とかが入ってるような、良いトコ取りしたコンピをずっと聴いてたっすね。聴いてた曲は全部憶えて自分で歌えるようにしよう、って思ってたんですけど、“I FEEL FOR YOU”のラップだけ何言ってるか分かんないし、歌詞とかも追いつけなくて憶えられなかった(笑)。それが小5ぐらい、90年代後半〜00年代前半の話ですね。同時期にTVでRIP SLYMEを観て聴くようになって」
 
■スクラッチに興味を持ったきっかけは?
「DJ FUMIYAの影響ですね。RIP SLYMEのライヴ映像とか観てると、後ろでDJが何かやってて、何をやってるのかさえ分からなかったけど、調べていく内にバトルDJの存在を知って、元々DJ FUMIYAもバトルDJだったってことを知ったんですよね。音としてスクラッチの存在は知ってたから『こうやってこの音を出してたんだ!』って。俺、ジャグリングよりずっとコスってる音と映像が好きで、『コレだったら俺でも出来そうだし楽しそう!』と思って始めました」
 
■でも、二枚使いとかに興味なかったとは言え、最初に買ったターンテーブルがQFOっていうのはヤバいよね(笑)。
「俺もよく言われたっすね、『いきなりそれだ!?』みたいな(笑)。で、練習するようになったんですけど、『どうやらジャグリングが出来ないとルーティンは出来ないくさい』ということが分かり、でもQFO一台しか持ってなかったから、バトルDJへの道はそれで遠ざかっていきました(笑)」
 
■トラックとラップは、どっちを先に始めたの?
「ラップですね。高校のときに、友達がラップ・グループをやるっつって、そいつは俺がバトルDJを目指してるっていうのを知ってたから、まずライヴDJを頼まれたんです。でも、ターンテーブルを二台持ってなかったから全然練習とかも出来なくて、本番は震えながら針をレコードに落としましたね(笑)。そのときは、ビートとかインストとかも分かってなくて、『みんな何の上でラップしてるんだろ?』みたいな感じだったんですけど、その友達から『12インチにインストが入ってる』って教えてもらって、THE PHARCYDE“RUNNIN'”の12インチを渋谷に買いに行きましたね。ラップはその後で、リリックって、ラッパーじゃなくてもラップが好きなら勝手に書き始めるんですよ。それでスゲェ書き溜めてたら友達にバレて、『じゃあやればいいじゃん』みたいになって、やり始めた感じですね」
 
■トラックは何がきっかけで作り始めた?
「スクラッチが大好きでずっとやってた頃、自分のコスリをMDに録音して友達に聴かせてたんです。それの延長で、コスリの音を組み合わせたりドラムを組んだりしたらいいんじゃないか?って思うようになって」
 
■長年Q-BERTの相方だったD-STYLESのアルバム「PHANTAZMAGOREA」みたいに、ドラムから上ネタまでスクラッチのループで組み立てるようなトラックを作ろうとしたんだ。
「そう、キックとスネアをドラム・スクラッチして、それを録音したのが始まりだと思うっす。C2CとかBEAT JUNKIESみたいなことをひとりでやりたくて。その後、本格的にトラックを作ろうと思ったんですけど、最初に買ったソフトがEDIROLかなんかので、サンプリングが出来ないヤツだったんですよね。『買ったけど……コレ、サンプリングできないじゃん!』って(笑)」
 
■調べてから買えばいいのに……。
「QFOもそうだったけど、バカなんですよ(笑)。でも、そのソフトがきっかけでシンセとかの“弾き”を覚えたんですよね。だから、それはそれでよかったな、って今は思うっす。で、その後にMPC500を買いましたね。それが2007〜08年ぐらいです」
 
■jjj君のトラックのスタイルは、もちろんサンプリング主体のモノなんだけど、ループ主体というより、ネタを細かく刻んで打ち込むのが特徴的だよね。サンプリングを始めた頃からそういうスタイルだった?
「そうですね。ループをフレーズで使うっていうより、音を細かくして楽器みたいに使うのがスゲェ好きだったんです。色んなヤツからの影響があって、いつの間にかそういう音作りが好きになってましたね。DR. DREやNOTTZ、ALCHEMIST、PHARRELL、DJ PREMIERとか、単音の鳴り方が面白い且つノリ、グルーヴが個性的なやつが好きで、自分なりに研究してます」
 
■J DILLAとかは好きじゃなかったの?
「J DILLAもすごい好きだったす。J DILLAはとにかくベースにハマったすね。あと、やっぱあのクオンタイズ。BACHLOGICが何かのインタビューで(SLUM VILLAGEの)『FANTASTIC VOL.2』を推してて、『BACHLOGICが言うんだったら聴いてみよ』って思って聴いてみたんですよね」
 
■ソロとしては、以前配信でインスト主体の「ggg」を2012年にリリースしてたけど、今回のようなしっかりとした形式のモノではなかったよね。今作の構想はいつぐらいから練っていた?
「いや、全然計画してなかったんです。下高井戸のショップ:Trasmundoのハマさんから『jjjのアルバムを出したいって言ってる人がいる』ってSPACE SHOWER MUSICのA&Rを紹介されて。最初は出す気がなくて、ふざけて『RIP SLYMEとか客演に呼べたらやるっす』みたいに答えたら『出来るかもしれない』って言われて『あ、イケるんだ!』みたいな(笑)。それなら面白そうだし、やってみようかな、って」
 
■それが去年ぐらいの話だよね?Fla$hBackSメンバーで言うと、その頃にはFebb君はソロの構想を練っていただろうし、KID FRESINOもアルバムを出してたよね。でも、jjj君はソロを出す考えはなかったんだ。
「もっとビート・メイカー的な立ち位置でやっていこうとしてたんですよね。いろんな人にトラックを渡してたけど、まだ自分の中でソロを作れる準備は整ってなかったので、もっと作り込めるようになってからソロ・アルバムを考えようって思ってたんです」
 
■Fla$hBackS「FL$8KS」リリース以降、Febb君/KID FRESINO君のソロ作も高評価だったし、一気に流れが変わっていったと思うんだけど、そういった状況に対してはどう思っている?
「なんか……不思議っていうか、こんな風になるとは思ってなかったですね。こんなに、みんなの耳にちゃんと入ってくれるんだ、みたいな。すごい嬉しかったけど『こんなんでいいのか?』みたいな感じはどっかにあったっすね。技術的には、最初の頃と比べてちょっと作り方は変わったかもしれないけど、マインド的には最初の頃とあまり変わってないですね」
 
■Fla$hBackSは、全員ラップもトラックもこなすという、よくよく考えると凄いグループだと思うんだけど、メンバー間でライヴァル意識とかはある?
「俺は、自分で言うのもおかしいけど“お兄さん”的な立ち位置なんで、ふたりの意見を尊重してますね。だけど、他のふたりはバチバチかな(笑)。俺は、取り敢えず良いトラックができたら先ずふたりに送ります」
 
■他のメンバーからjjj君がここ数年で受けた影響はある?
「あー、めちゃめちゃあるっすね。今でもそうだけど、あいつらと俺が聴いてる音楽が全然違ってて、そこのギャップが面白くていろいろ教え合ったりしてました。例えばFebbとかは、DIPSET関連はあまり聴いてなかったんですけど、俺が好きで薦めてたら、数年経って『HEATMAKERZ超ヤバい』みたいになってたり(笑)。逆に俺は、2000年代以降のヤツが好きだったんで、BOOT CAMP CLIK関連とかあまり聴いてなかったんですけど、そういうのは彼らから影響を受けましたね。後は、普通に生きてる中での物事の考え方だったり、捉え方がふたりは変わってて面白いです」
 

■今作「Yacht Club」は、“yacht”という曲もあることから、その曲からタイトルにしたんだと思うんだけど。
「“yacht”は、“漂流”してる感じっすかね。嵐の中の海を、ひとりで漕ぎながらいろんな島に行って、いろんな人と会って、みたいのをこのシーンに喩えてラップしてみました」
 
■HIP HOPシーンでのjjj君の動きをヨット航海に喩えてるんだよね。
「嘘つきとかもいるし、天候とか雲行きがすぐ怪しくなるとか。残酷な言い方だけど、『自分の心配だけしてやれよ』みたいな感じですね」
 
■この曲聴くと、すごくしんどそうな航海だな、って(笑)。jjj君は、アーティストとしてこのシーンをサヴァイヴしていくのはそこまで大変なことだと思ってるのか、って感じたんだけど。
「しんどいっていうか、『こういう感じか〜』って。Fla$hBackS出した後、やっぱり揚げ足とってくるヤツとかヘンな言い方してくるヤツとか結構いて、どこ行っても『お前ら大丈夫?』みたいに言われたりして、そういう方々に対して『ってかもっと自分の心配した方がよくないですか?』って思ったんですよね。この曲が一番最初に出来た曲なんです」
 
■グループとしてアルバムを作るのと比べると、今作の制作はだいぶ作り方も違ったんだと思うけど、ラップ面においてはどんなことにこだわった?
「自分のラップは、取り敢えず『トラックのノリを一番掴む』ことですかね、分かりにくいかもしれないけど。最近、トラックがカッコ良くてもラップが『浮いてる』曲が多いな、って思ってて、そういうのは音楽として成立してない気がするんです。俺らの世代は、そういう部分もひっくるめてやらないとダメなんじゃないか、って思ってやりましたね」
 
■こうしてソロ作としてjjj君のラップを聴くと--HIP HOPへの入り方やルーツが違うから当たり前ではあるんだけど--やっぱりFebb君ともKID FRESINO君とも全然違うタイプのラップだな、って思ったんだ。簡単に言うと、例えばFebb君は、ラップの内容が断片的で、KID FRESINO君はパンチライン重視だよね。jjj君はそういうタイプとも違って、曲ごとにしっかりコンセプトを立ててリリックを書いてるタイプだな、って思ったんだ。
「ふたりは、テーマの捉え方が自由ですよね。でも、俺はテーマを等身大に透かして凝り固めちゃうとことかあるんで」
 
■だから、同じグループでも彼らの方がいろんな意味で「若い」んだよね。
「あいつらはひっちゃかめっちゃかなんですよね(笑)」
 
■良い風に解釈すると、より自由だよね。
「そうそう。俺は出来ないから、それが羨ましかったりもしますね。あと俺の場合は、トラックが結構とっ散らかってるから、テーマをちゃんと決めないと釣られてラップもどんどん変な方向に行っちゃう、っていうのもあるかもしれない」
 
■とっ散らかってる、というのは?
「なんか、『バーン!』『グチャーン!』みたいな(笑)」
 
■(笑)音数が多いということ?
「そうです。だから、Fla$hBackSで言ったら“COWBOY”とか、俺は絶対にラップできないな、って。あの曲はテーマ決まってる方だと思うけど」
 
■あと、コレはFla$hBackSのみんなに共通する点なんだけど、ライフ・ストーリーや今の自分のライフを曲であまり表現しようとしないよね。
「つまんないからじゃないすか(笑)?別にハスラーでもなんでもないし、前Febbとも話してたんですけど、『どれだけ“言いてぇことなんか別にねぇ”っていうのをカッコ良く言うかが俺らの感じだよね』って」
 
■なるほど!でも、それって難しくない?
「難しいですね。『俺はこうだ!』っていうスタイルの定義とか、“気持ち”を歌うことが多いかもしれないです。でも、説教くさいラップはマジ嫌なんで。KID FRESINOはその点、自分の気持ちの言い方だったりをラップするのがどんどん上手くなってると思います」
 
■フィーチャリングは、基本jjj君と親しい人たち中心だと思うけど、シンガーのACOさんとRIP SLYMEのSUさんはそうではないよね。彼らを起用した理由は?
「ACOさんは、曲作ってるときに女性の声を入れたかったんですよね。で、“wakamatsu”の“和”な感じのトラックに上手くハマってくれるシンガーって考えたら、ACOさんかな、って。担当A&Rの人が、ACOさんのA&Rもやってたから会わせてもらって。それこそDRAGON ASH“GRATEFUL DAYS”とかでACOさんを最初に知りましたね」
 
■SUさんは、先ほど話してくれたように、「RIP SLYMEを呼びたい」という希望が叶った形だよね。
「最初はRYO-Zさんとかも考えたんですけど、『SUさんを使ってるヤツってあまりいないな』って思って、超面白いかも!って思ったんです。あと、俺のこういうラップに対して、SUさんがどう返してくるのかに興味があった。SUさんのラップって、真剣な曲でもどっかに笑いがあったり、変態なところがあったりするじゃないですか。そういうラップがこのアルバムにあったら面白いし映えるな、って」
 
■ヴェテラン勢と仕事をしてみての感想は?
「ふたりとも、同じ目線で話してくれましたね。こっちが気を使う隙を与えない感じで、すごいやりやすかったっすね。SUさんとか、ホントに『昔から知ってた人なんじゃないか?』ぐらいの感じで、俺がラップを聴いて思ってたそのまんまの人でした。今回、ミックスをD.O.I.さんにお願いしたんですけど、俺のアルバムやってるのと同時期にRIP SLYMEの制作もやってたみたいで、D.O.I.さんがFla$hBackSの音源とか聴かせてくれたらしいんですよね。それで気に入ってくれたらしく、ライヴにも誘ってもらって遊びに行って話した、みたいな感じでしたね」
 
■ミックスをD.O.I.さんが手がけているというのも大きなトピックだよね。日本語ラップ・シーンとも縁深い人だけど、売れっ子だから最近はビッグ・ネームとの仕事が多くて、jjj君のような若手と仕事をしたというのが、個人的にかなり熱い。実際にD.O.I.さんと作業してみて感じたことは?
「声が超“立った”すね。実際、録音はそんなに良いところで出来なかったんですけど、ミックス終わったらすごい音が粒立ってて、マジでビックリしました。D.O.I.さんは、『荒れてるモノを整える』のがスゲェ上手かった。今回は、トラックのミックス自体は結構自分でやったんですけど、マスタリングのときにD.O.I.さんが調整してくれて、俺のやりたいことを分かってくれて、余計なことはしないけど出す音は出すみたいに掴んでくれて、そこはスゲェ上がったっすね」
 
■トラックも全曲自分で作ってるけど、どんなことを念頭に置いて作った?
「最初は、“yacht”みたいな無機質で殺伐としたトラックばっかのアルバムにしようと思ってたんですけど、作っていく内に『別に、コレは俺が聴きたいようなヤツじゃないな』って思ったんです。『何イキがってるんだ』みたいな(笑)。もっと自分が楽しく聴けるモノがいいな、と思って、こういう感じにしましたね」
 
■結果的に、“yacht”や“tenchu feat. MUTA, KIANO JONES”のようにハードなトラックは何曲かあるけど、全体としては明るいイメージになってるよね。
「ぽいすね(笑)。でも、実はもう一曲入る予定の曲があって、それが入れば完璧にオレンジ色の『Yacht Club』って感じだったんですけど、それは2ndに取っておこうかな、って」


 
■以前はMPC500を使っていたみたいだけど、今の制作環境は?
「今は、Roland MV-8800を使ってます。MPCで言うとMPC4000みたいなヤツのRoland版ですね。あとはKORGのmicroXとE-MuのMo Phattも使ってます。D.O.I.さんにmicroX使ってるって話したら『お、良いの使ってるねー』って言われて『あ、いいんだ』みたいな(笑)。microXは、生音っぽい音が出て良いんですよね。使っててもシンセだって思われない。Mo Phattは、取り敢えず出音が超良いっす。MV-8800とも相性良いっぽいし」
 
■MV-8800使ってる人は、最近あまり聞かないなー。昔はJERMAINE DUPRIとか使ってたけど。
「RZAも使ってましたよね。他の人がどうやって使ってるのかマジ気になります。MPC500が壊れたときに、修理しに楽器屋に持って行ったら、『直すんだったら新しいの買った方がいいっすよ』って言われたんです。で、その店員がRolandの回しモンみたいな感じで、『MPCが欲しい』って言ったら『MPCとかないっしょー。取り敢えずコレがヤバいんだよね!』ってMV-8800を薦められて(笑)。展示品だったから7万円ぐらいで買えたからよかったんですけど、最初は出音が好きじゃなくて『マジしくった!』って思ったんですけどね(笑)」
 
■また機材で失敗(笑)。
「そうなんです。でも、結局慣れればなんでもアリってことなんです(笑)」
 
■サンプリングとシンセの比率はどんな感じ?
「サンプリング6:シンセ4って感じですね。音源は、聴こえないところとかで隠して使ってますね」
 
■意外と“弾き”も多いんだね!でも、トラック作りの軸は当然サンプリングにあると思うんだけど、jjj君はネタの掘り方などでこだわりはある?
「ソウルだったら76年リリースは絶対買う。ロックだと80年代とか69年とか……」
 
■リリース年なんだ。
「年は結構見てるっすね。AORもスゲェ好きだし、80年代のよく分かんない、誰も使わないようなディスコとかも使ったりします。あと、俺はあんまり高いレコードは買わないっすね。川崎のTOPSっていうレコード屋で、昔『フリー・レコード』ってタダのレコードのコーナーがあったんですけど、それで作っていったっすね。『FL$8KS』はほとんどそれです(笑)。本当にアルケミスト--錬金術って感じですね」
 
■最初の方に話したように、jjj君のトラックはループというよりチョップ主体で、USで言うとSKI BEATZを彷彿とさせる刻み方だと思うんだけど、「チョップの醍醐味」ってどんなところにあると思う?
「やっぱ、『操っちゃってる』感が出るとこかな(笑)。普通の音楽だったら絶対こんな音出せないじゃないですか。一気に全部の音をバンバン連打するとか、『最強じゃん!』みたいな。サンプリングは最強だと思うっす。作曲できなくても曲が出来ちゃうとか、スゲェっすよね(笑)」
 
■jjj君の中で、今熱いクリエイターはいる?
「ちょっと前だと、スーパーアグリーってヤツが好きですね。SKI BEATZ周りのヤツっぽいんですけど、ドラム・キットが全部似てるけどノリが超カッコ良くて、ネタのぶっ壊し方が好きです。よくSoundcloudで聴いてました。あとは、、最近のILLMINDとか面白いです」
 
■アルバム一枚作って、今はラップとトラック作り、どっちにより魅力を感じてる?
「やっぱりラップが上手く録れてハマったときは、トラックが出来たときより遥かに嬉しいですね。ラップの方が難しいんで。遅いトラックに日本語でどれだけハメるかっていうのは、スゲェ難しい」
 
■Fla$hBackS/ソロ含め、今後はどういう風に動いていく?
「取り敢えず、ソロで2ndアルバム出したいっす。こないだスゲェ良いトラックが出来て『コレは2ndっしょ!』みたいな感じになったんで、そこからですね。Febbも新しいクルーみたいのをやるっぽくて、それと俺のソロが一段落してまた一個上に行ったときに『FL$8KS 2』をやれたらいいな、って。俺は基本、プロデューサーとして上を目指したいですけど、外人のラッパーともやってみたいです。向こうのヤツらから俺のトラックはどういう風に見えるんだろ?載せるんだろ?っていうのが気になる。あと、D.O.I.さんの仕事とか見てエンジニアもやりたくなってきたっす。絶対難しいんだろうけど、そこがデカイ目標ですね」
 
 

Pickup Disc

TITLE : Yacht Club
ARTIST : jjj
LABEL : SPACE SHOWER MUSIC
PRICE : 2,484円
RELEASE DATE : 11月26日