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Jinmenusagi

インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)

「『自分がヤバイぜ!』ってやっていく内にヤバイ人たちと知り合っていくワケじゃないですか。『君もヤバイね。俺も他にヤバイ奴を知ってるんだけど』みたいな繋げ方というか。多分、似たようなコンセプトでSEEDAさんは『CONCRETE GREEN』を始めたんだと思うし。それでこそ、時代を投影できる気がするんです」

 2012年に1stアルバムをリリースして以降、驚異的なペースで音源を制作し続け、(主に海外の)ラップ・スタイルの更新と歩幅を合わせつつ進化してきたJinmenusagi。そんな彼が、特に日本語ラップ・シーン界隈での注目度という意味において、大きく飛躍を遂げた2014年から今年までの締め括りとして完成させたのが、前作まで所属していたLOW HIGH WHO?から離脱し、自主レーベルからリリースされるニュー・アルバム「ジメサギ」だ。
 
 ここ数年の世界的なラップの流れを考えると、まず頭に浮かぶのがアトランタ・トラップ・スタイルの席巻だろうが、韓国のKEITH APE“IT G MA”がUSでも大きなバズを起こし、エイジアン・トラップなるサブジャンルまで生まれるという状況になっている。本来、ドラッグ・ディーリングやドラッグ・カルチャー自体と親和性の高いジャンルだけに(そのあたりはnoiseyのドキュメンタリー映像を参照するべし)、そういったメンタリティが日本を含めたアジア人の価値観にどうフィットするのか、というのが個人的に疑問ではあったが、音楽スタイルに限定して考えれば、英語圏のリスナーにとっては“IT G MA”のような韓国語/日本語のラップは、むしろ英語以上にフリーキー且つ呪術的な響きに聴こえてウケているのではないか、と個人的には考えているのだが、実際はどうなのだろうか。
 
 閑話休題。最先端のラップを常にチェックし、自身のラップへ貪欲に取り入れてきたJinmenusagiがこの流れに乗ろうとするのは必然だ。前作「LXVE 業放草」と比較すると、トラックからラップまで、あらゆる面で違う次元の内容となっているが、この応用力と瞬発力の高さこそがJinmenusagiの真髄だということが、この作品でハッキリ示されていると思う。
 
 
■前作「LXVE 業放草」は、ビートの選び方だったりラップがストーリーテリング重視だったり、それ以前のJinmenusagi君の作品と比べるとかなり異質な作品だったよね。とは言え、前作の評価含め、去年は大きく飛躍を遂げた年だったと思うんだけど、自分で振り返ってみてどう?
「前作は、メッチャ良いアルバムだと思うんですけど、端的に言うとすごく難しい -- 咀嚼に時間がかかるアルバムだったと思います。だから、名前が売れ始めたタイミングで出すモンじゃなかったな、と」
 
■ハハハ、なるほど。
「ちょっと思い入れが強すぎたというか」
 
■エモいアルバムだったもんね。だから、Jinmenusagi君のアーティスト性を拡める上では、今作の方がしっくり来るな、と僕も思って。
「前作よりも、多くの人に知ってもらうという意味ではタイミング的にも内容的にもバッチリだと思います。前作で、言いたいことがだいぶ出てしまったので、今作ではシンプルに言葉遊びが出来たというのはありますね」
 
■言いたいこととは、具体的に何だった?
「自分の経験則を元に他人へアドヴァイスするっていうのが、俺のラップなんですよ、多分(笑)」
 
■「俺はこうだったから、君もこうした方がいい」とか、「俺はこうだったから、君はそうならないように」みたいな?
「そうです。今でもそういうスタイルで作ってると思いますけど、人生とか対人関係についての話、自分が音楽をやっていく上での悩みとか、そういうことは前作で語り尽くしたし、もういいかな、って。ラッパーって『キャラ勝負』だと思うので、言葉遊びをしていく中で、俺しかぶっ込めない言葉を今作では増やしたっていう感じですね」
 
■そういう意味では、今作ではよりラップ全般におけるテクニックを意識してると思うんだけど、前作ではそういう部分はどれぐらい意識してた?
「前作では、テクニックの振り幅が『話を進行させてまとめていく』ことに集中してたんですよ。今回はそういうことより、曲単位で面白い言葉を放っていくことに集中してます。毎回、同じことをやるのはイヤで、それは今までのアルバムでもそうだったんですけど、逆に言うと今作のラップが出来たのは『LXVE 業放草』があったからで、今作のラップに行くためにはアレが必要だった」
 
■前作では、日本のHIP HOPシーンに対しての言及があることからも、そこに対しての愛憎があったことは明らかなんだけど、今作ではそういった対象がハッキリしている怒りみたいなモノはないよね。例えば今作で参加しているY'Sのストリート・アルバム「SMALL ASIAN THE MIXTAPE」に大フィーチャーされてたり、DJ CHARI“CHECK IT (チェキ) feat. Jinmenusagi, YOUNG HASTLE & Y'S”や「CONCRETE GREEN 13」への参加やライヴ出演など、所謂「王道な」日本語ラップ・シーンからの注目は、『#FIGHTCLUBJP』ムーヴメント以降特に高まってきてるけど、自分では率直にこの流れをどう受け止めてる?
「嬉しいですけど……今は忙しくて考えるヒマがないんですよね。ベース・ミュージックとかとも繋がりがあるし、過去にいた所謂ネット・ラップだった人たちとも今でも仲が良くて、そういうイヴェントにも声をかけてもらえている。それに、Y'SさんやYOUNG HASTLEさんが出るようなイヴェントでもマイク持ったりもするんですけど、今のバランスが一番良いなっていう思いはあります。均衡が上手い具合に取れてきたのが2015年だったのかな、って思ってますね。前作出した時点で同じことを聞かれたら、もっと言いたいこともあったと思うんですけど、前作を出して一旦カラになったことで -- “永田農法”ってあるじゃないですか。わざと枯れた土地でトマトや玉ねぎを育てると、生で食べられるくらい甘くなる、みたいな。今回のアルバムはそういう感じなんですよ。“素”が出て来た。シーンに対する愛憎とかは、今も全然あると思うんですけど、今は敢えて口に出そうとは思わない。前は前で、面白いことが出来てたと思うんですけど、より音楽として/人間として完成度が高いのは今作なのかな、って気持ちは少しあります」
 
■“Uganda Tiger”では「前のアルバムで相当病んだ」ってラップしてるけど。
「前作を作る過程で自分を客観視しすぎて、それで疲れた。バッド入ったし、アルバム出した後にそれがきっかけで当時の彼女と別れたとか」
 
■あー、結構当時の交際について言及してたもんね。
「意外とみんな、冗談が通じなくてつまんねぇな、って。親も自分の音楽を聴くんですけど、歌詞カードの内容が全てだと思っちゃって色々言われたし。ていうか、事実であろうかなかろうが、創作物なんだからうるせぇな、って思ったんですけど(笑)、そこを気にしてたら面白いことは書けないんで。自分を曝け出して書いたことで病むなんて、自分のキャパに合ってない感じがしましたね。結果的に、前作は音楽ではなく、自傷行為の代替品として受け取られちゃったので。『それやっていいのって、EMINEMぐらいのもんだろ』とも思いました」
 
■まだ実際にぶっ壊れきってなかったから、病んでしまったということか。前作では、特にトラックの選び方で今の日本語ラップ・シーンに合わせたって言ってたよね。実際、その成果はあったと思う?
「ないです。サンプリング・トラックが好きな日本語ラップ・リスナーが聴いてくれたってだけで、それが悪いってワケじゃないんですけど、前のアルバムの作風を気に入ってくれる人たちに向けては、もう二度と作りたくないですね。今までの日本語ラップである程度出来上がってる成功の図式をなぞってるだけだと思うので。これからは、海外の成功の図式をなぞりつつ、日本の10代後半ぐらいの人たちに『こういうのを日本でやれるといいよね』っていう種を蒔いて、『彼らがまた新しいモノにしてくれないかな』っていう気持ちの下で、自分が一番好きな音でラップしたって感じです。インスピレーションを受けるのは、いつも海外の音楽なので」
 
■“業放キープローリン”でもラップしてるけど、今作からLOW HIGH WHO?を離れて自主レーベルからのリリースになったよね。それって自分の活動上、大きな変化だった?
「レーベルというか、自分だけ、みたいな感じですね。今まで人に任せてたことを自分でやるようになるというのは、『社会に出る』ということでもあると思うんです。俺の中でLOW HIGH WHO?のボスのParanelは“スタッフ”というより“師匠”的な存在だったので、そこから巣立ったというか。前よりも自由な音作りが出来るようになったと思いますね。前のレーベルでも制約があったワケではないですけど、自分はそのレーベルの色の一部でしかなくて、自分は元々どこにも属せないタイプの音楽だと思ってたから、インディペンデントになるしか選択肢がなかった。あと、コレは結構問題発言かもしれないですけど、現状俺が所属して『やったぜ!』ってなるレーベルが存在しないのが問題ですね。『このレーベルに入りたかった!』って俺がなったり、『ヤベェ、あのレーベルに入ったんだ!』ってリスナーがなるようなレーベルがない。それは、俺がこれから頑張ればいいだけの話なんですけど」
 
■じゃあ、Jinmenusagi君がどこかの所属アーティストになるとしたら、そのレーベルには何が必要?
「まず、絶対的にフレッシュな音楽をやってること。前衛的な部分と流行ってるモノを取り入れることが出来るレーベル。あとは、裏方スタッフが一定数いて、精神的な音楽とは別にビジネスとして動かす音楽を理解できてること、所属アーティストがみんなカッコ良くて、それぞれのアーティストが音楽だけで食えてること。日本のレーベルだったら、海外とやり取りがあるところがいいですね」
 
■今作のリリックでも言及しているけど、「ラッパーたるもの、ラップだけでメイクできてナンボ」という理想があるの?
「まだその考えは持っていたいですね」
 
■でも、本当に自分が好きな音楽を自由に作りたいのだとしたら、売れる/売れないという考えを外してやった方が出来るモンじゃないの?
「仕事として、『コレでメシ食うぜ』ってなった場合、自分がカッコ良いと思うモノと世間の流れのそれぞれの円が重なる部分にハメて作っていくのが、音楽でご飯を食べる人の能力だと思うんですよ。ラッパーだったら大声で韻踏むだけじゃなくて、言葉選びだったりファッション・センス、発言力やメディアの露出、そういった全部の要素のバランスがキレイであればある程、音楽で仕事が出来るんだと思うし、そこを目指したいんですよね。好きなモノだけ作るんだったら誰でも出来ますよ。パブリックに出た瞬間、その音楽を聴くのは自分だけではないので。まあ、でも、そういうことを言っといて今作はかなり好き勝手にやりましたけどね(笑)。自分が『キャラ勝負でいこう』って決めたというのもありますけど、外仕事を重ねていく内に作った自分のソロ作なので、だいぶちゃらんぽらんにやってました」
 
■「キャラ勝負」というのは“Su My Di”でラップしてる「ジメサギになりきりたい」ということ?
「外に出た瞬間、それ(ジメサギ)でいたいというか」
 
■ジメサギという“キャラクター”を言葉で説明すると?
「理想はSLIM SHADY(EMINEM)ですよね、やっぱり。オルター・エゴではないんですけどね、芸名なんで。『本当はこうしてやりたいけど……』みたいなところをやっているというか。ラップ始めたきっかけがEMINEMなんで、影響は受けてますね。そういうキャラを演じて面白い、みたいな」
 
■最初の方でも話したけど、今作は、前作と比べると真逆にも等しいアプローチだよね。
「前作だけ、メッチャ特殊なんですよ。それは俺の全作品を聴いたことがある人なら分かると思うんですけど」
 
■毎作、違うアプローチでアルバムを作るという意味においては、前作も地続きではあるけどね。
「違うなりに、一応文脈はしっかりあるんですよ、基本的には。だけど、『最近、洋楽かぶれになった』とか言われるようになって、『それは見てくれる人の母数が増えたからですよ』って言ってくれる人もいるけど、前のアルバムで誤解を与えてしまったな、って。『日本語ラップに認められてぇー!』って思いすぎた、っていう。『ちゃんと自分と向き合った上で、その話を上手く伝えられれば人気が出るんだ』みたいに思っていた。だけど、それってやっぱり向き/不向きがあると思うんですね。当たり前なんですけど、それに後から気付いた。あのアルバムでは俺がスゲェセンシティブで -- まあ、センシティブだけど -- ひと昔前の文系ラッパーみたいな感じに思われちゃったというか。そういうフィールドのところにも仲が良い人は多いけど、俺はもっと『オラついた』音が好みなんですよね。性格はそうじゃないですけど」
 
■「オラついた」というのは?
「イキったというか、尖った音というか。だから、KEITH APEの“IT G MA”も好きだし、RAIDER KLANとかもスゲェ好きなんですよ」
 

 
 
■今作でJinmenusagi君は、昨今のシーンを席巻してる“トラップ”のスタイルを大幅に取り入れたラップをしてるけど、具体的にどんなラップ・スタイルにチャレンジしようとしたのか、説明をお願いしたいんだけど。
「実は今回は、あまり『ちゃんと』ラップしてないんですよ。リズミカルにギャグを言ってる感じですね。トラップには、盛り上がる部分が必ずあって、ベースが抜けてスネアがバンバンバンバンって入るところでみんな飛び跳ねる、みたいな。そのビートを際立たせるためには、そこに誘導するためのラップが必要なんですよ。それを究極に極めたというか。だから、あまりラップしてるという感覚じゃなくて、『ふざけてる』って言った方がいいかもしれない。ちゃんとラップしてる曲は後半の“Ugnda Tiger feat. ANPYO”とか“このままで feat. サトウユウヤ”とか……」
 
■それは分かる、歌詞カードを見ても後半の曲の方が文字数多いし(笑)。だから、メロを意識したりとか、そういう意味では手数が増えてるんだけど、言葉の量はある意味徹底的に簡素化していってるんだよね。トラップというスタイルの性質上、必然的にそうなっていくよね。
「口語体で韻を踏もうとするあまり、文節の区切りがなくなって長くなってしまわないようにして。あと、昔、父親にしつこく『結論からモノを言え』って言われてきてたんですけど、それは今もすごくよく考えてて。『長ったらしいと分かりづらいよな』と思ったから、“ガウチョはダサい”みたいな感じになる。結論から言おうとするあまり、結論の単語だけ羅列してるような曲もありますね。『ジキルとハイド/ハイジとペーター/あぶない刑事』(“Su My Di”)っていうリリックがあるんですけど、コレは接続詞がないから、自分でも何を言おうとしたのかよく覚えてない(笑)」
 
■今作を作る上でインスパイアされたラッパーや作品はある?
「KEITH APEが一番デカイですね」
 
■USのトラップじゃないんだね。
「USはメッチャ大好きでずっと追ってますけど、言語の音域が違ったり、信じられないぐらいアカペラの処理が雑な曲とかがたまにあったりするから、そういうところはまだマネできねぇな、って思うんです。THE COHORT(KEITH APEやOKASIANらが所属する韓国のクルー)は、2011年にOKASIAN/REDDY/HWAJIがPUSHA-Tの“TROUBLE ON MY MIND”でビートジャックしてたのを聴いた頃から追ってて。『CONCRETE GREEN CHICAGO ALLIANCE』やFlammable & DJ BEERTのミックステープに彼らが参加してたりするのを追ってたら、“IT G MA”で『やっぱりこの人たち来たな』って思って。だから、大好きで、それ故にかなり彼らに寄っちゃいましたね。韓国語のラップって、撥音便が日本語に近いから分かりやすいんです。俺は面白いラップを聴くと『ここどうやってるんだろう?』ってロジックを考えるんですけど、そのロジックの分解がしやすい。だから、『俺はここをこうしてみよう』とかも考えられる」
 
■じゃあ、KEITH APEが“IT G MA”でUSから注目されたという流れは、勇気づけられたりした?
「アガリますけど、最初、OG MACOが怒ってたツイートを見て、『やっぱモノマネに思われてるんだな』って。それぐらいブラック・カルチャーのイメージって強大なんですよ。だけど、KEITH APEがバズったことによって黄色人種のトラップ・ミュージック=エイジアン・トラップの流れが出て来たんで、『この流れ、俺も絶対参加したい』っていう意味合いが強いですね、今作は。だから、この流れだったりビートの感じを分かってるのは俺しかいないと思ったから、自分で大部分のビートを作ったんです」
 
■このタイミングでこういうアプローチになるというのは、世界的なラップの流れを踏まえると納得がいくんだけど、こと日本語ラップに限って言うと、“IT G MA”のリミックスでも参加していたKOHHが「DIRT」でセンセーションを巻き起こした直後のタイミングだけに、なかなか難しいタイミングなのでは、とも思ったんだけど?“後追い”のレッテルを貼られやすいタイミングだよな、って。
「めっちゃぶっちゃけた話をすると、サウンド面では『DIRT』より遅れてると思います。だけど、俺のアドヴァンテージはプロデュースも自分でやってること、インディペンデントであること、言葉の選び方が面白いこと、そしてこの一枚にこういう客演陣を呼んだということだと思います。だから、KOHHさんに関しては『羨ましい』という気持ちは正直あるけど、俺も俺でこの作品を作れた嬉しさがすごいありますね」
 

 
前のインタビューで、“土俵”についての話をしたよね。どの土俵に向けて自分が表現するかということが、以前よりもハッキリしているというニュアンスで話していたと思うんだけど、今作が向いている“土俵”は、具体的にどんなところ?
「敢えて言えば海外ですね。理想は海外、実際に売ってるところは日本語ラップ、理解してくれる人たちがいるのは例えばベース・ミュージックの人とか。それぞれ違うと思うんですよね。ツイスター・ゲームみたいにこんがらがっちゃうのは、俺はしょうがないんですよ」
 
■それは、いろんなシーンと一定の距離感を保ちながらそれぞれの現場で活動しているJinmenusagi君らしいところかもしれないけど、特定のフィールドで完全にロックしきれてないというジレンマはあったりする?
「あー、ありますね。だけど、俺みたいなスタンスの方が、今後絶対に面白くなる気がしてるんです。どこかひとつのシーンに絞るというより……まあ、東横線も地下鉄と繋がって便利になったし、『副都心線と東横線と半蔵門線、どれに乗ろうかなっ』って気分になれるみたいな……よく分かんないですけど(笑)」
 
■全然分かんねぇ(笑)。
「なんていうんですかね……別モンが繋がってるというか。日本語ラップの品川駅になりたいです」
 
■ハブ的な?自分が仲介者になっていろんなシーンを繋げる立場になりたいということ?
「あ、そういうのも全然面白いと思いますね。『自分がヤバイぜ!』ってやっていく内にヤバイ人たちと知り合っていくワケじゃないですか。『君もヤバイね。俺も他にヤバイ奴を知ってるんだけど』みたいな繋げ方というか。多分、似たようなコンセプトでSEEDAさんは『CONCRETE GREEN』を始めたんだと思うし。それでこそ、時代を投影できる気がするんです。去年のインタビューでも『自分の土俵を作りたい』って言ってたんですけど、あれから一年間頑張って『やっぱり自分が好き勝手やるには、自分の土俵を作らないといけないんだ』って、よりハッキリ分かりましたね」
 
■“Su My Di"では「なんもねえなここには/目指せAmerica」と言ってるね。
「アメリカだけが正解じゃないですけど、一番分かりやすいのでそう言いました。本当に言いたいのはその後の『好きなように言えばいいよ どのみち俺は/“狭いところでくすぶってるタイプの人間じゃねえな”/って小学生の頃からずっとずっと考えてた』っていうところですね。そこが本当の素の、本音ですね」
 
■近い将来の動きに関しては、どんな風に考えている?
「KEITH APEに影響を受けてこのアルバムが出来たっていう話をしましたけど、それは自分的にスゲェ満足だし良いモノが出来たけど、それだと後追いには違いない。コレでバズったとしても『いや、アメリカでサウスの音でラップするアジア人って言ったらKEITH APEがいるし』みたいになっちゃう。だからというワケではないですけど、今年の二月に出したミックステープ『恐怖』はベース・ミュージックでラップしたんです。ドラムン・ベースとかJUKEとかヴォーグ・ハウスとかで。それが結構楽しくて、ああいう音にラップを載せてると、トラップに載せるよりもっと自然と“ジメサギ”が出て来るんですよね。『ジメサギ』でユーモアのエッセンスを盛り込めるようになったのは、自然とベース・ミュージックのビートジャックで書けたことによって『あ、こういうのが面白いよね』って気付けたからなんです。だから、やるとしたら次はもっとベース・ミュージックに寄せた作品を作って、それがヨーロッパで受けるようなことをやってみれたら面白いんじゃないかな、って。伝わりやすいから『目指せAmerica』って言いましたけど、もうそこじゃないな、って。ラップはもちろんアメリカでメッチャ流行ってるけど、そことはもうちょっと違うところでやれたら、2020年の流行に向けて動けるんじゃないかな、って。まあ、でも前のインタビューで『Zineを作りたい』って言っといて全然作ってないから分からないですけど(笑)」
 
 

Pickup Disc

TITLE : ジメサギ
ARTIST : Jinmenusagi
LABEL : インディペンデント業放つ
PRICE : 2,000円
RELEASE DATE : 12月16日