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Kダブシャインと剣桃太郎が和解

文:Amebreak

 既にAmebreakでの両者のインタビューでも明らかになっていた剣桃太郎とKダブシャインの確執だが、先日両者による話し合いが行なわれ、和解という形に収束した。

 これまでの経緯を書いておくと、剣桃太郎のアルバム「斬」にボーナス・トラックとして収録された“きたないおっさん”というKダブ・ディス曲への共演を剣側が提案したが、Kダブが拒否。明確な回答がない段階で剣の所属レーベル:KIXエンターテイメントのオフィシャル・インフォでKダブのクレジットが記載されてしまうというトラブルも発覚。結局“きたないおっさん”はKダブのパートをラップ抜きの状態にしたヴァージョンで発表、Amebreak含め各メディアのインタビューで同曲やKダブに対する剣のディス発言が掲載される。

 その後、剣はアルバムのリリース・パーティで、今後はステージ上でKダブのディスはしないと発言。「斬」の追加プレスでも“きたないおっさん”は収録されていないという(Amebreakはこの発言を当時把握していなかった)。上記の発言を知らなかったKダブは、先日Amebreakに掲載されたradio aktive projeqtのインタビュー内でこの一件に関して初めて口を開き、剣へのディス発言を展開。Kダブの発言を受けて、最終的には当人同士による話し合いが行なわれ、各々が持っていた意見を交換。それぞれが抱えていた誤解が解けたことにより、今回の和解へと至ったものだ。

 以下は、9月某日に剣/Kダブ同席で収録された発言だ。

Kダブシャイン(以下K)「俺は、彼がイヴェントをやったりとか、若手の面倒見が良いとか、(シーンに)貢献しているという話は訊いてたから、正直モメたくはないと思ってた。ライヴで俺のことをディスるのをやめるっていう話や、アルバムの次のプレスにはあの曲を入れないって宣言してたっていう話も知らなかった。もし知ってたらああいう風に発言しなかったと思う」
剣桃太郎(以下T)「そういう風に俺が言ったのも、要はあの曲を渡して何も入れなかったっていう時点でもう終わったモンだと思ってたんだ。『何も言うことないんだな』って思ったから」
K「『こっちもやる気ないし、向こうもやる気ない』って思ったんでしょ?俺もそこでやめとけばよかったんだけど、俺の発言がネットに出たってことで、これ以上モメるよりは会って話した方が良いと思ったんだ」
T「元々、『渋谷のドンだ』って言ってたことも、そうじゃないのにそう言ってたわけで、今回もそう思ってないのに言ったからこういう風になってるってことだと思うんだけど」
K「俺が俺なりに持ってる信念とは別の意味で伝わる時もあると思うし、今回も一回収まったものに対して俺が火を投げ込んじゃったみたいなところがあるから、そこは俺も落ち度があったと思ってる」
T「凄いシンプルな感じで、俺はラップでやり返してくれたら何の問題もなくて、それに対して俺が応えるだけだったんだけど、ああいう形でやりもせずも言われちゃうとちょっと頭にきて。しかも、そういう風に俺とKダブとの関係をそういう風に見られたら嫌だから、だったらちゃんと話をしとこうかな、と思った。あと、これは言い訳になっちゃうけど、(アルバム発売前にレーベルのサイト上でKダブの)名前が載ってたのは俺も知らなかったんだ。別に俺が出してくれって言ったわけでもないし。曲に関する構想をレーベルに話したら、それがそのまま進んじゃった」
K「まあ、だからここからは細かいことは全部水に流して和解するっていうことでプラスにしたいな、って思ったんだ」
T「最初からずっと俺は『渋谷のドンじゃない』って言いたいだけで、『B-BOY PARK』で会った時に『俺はリリカル的にドンなんだ』って言ったからああいう(曲の)形を取っただけだし。『暴力的なドンだ』って言ってたら俺はぶん殴ってたし(笑)」
K「俺は最終的に渋谷で貢献して何かのためになりたいと思ってるんだ。そこを常にイメージして『渋谷のドン』って言葉に込めてるんだ。俺もこういう言葉を使うことに対するリスクは知らなくはないけど、ラップは見栄の張り合いみたいなところもあるから、キャッチフレーズ的に使っていた。今回は今までの奴らのビーフの処理の仕方とは違うから、前向きに働くと思う。HIP HOPに自浄作用があるってことを世の中に示せると思うし」
T「俺が思うに、ぶっちゃけ(Kダブの)ラップは良いと思うんですよ。俺も同じようなこととか言ってるし。だから、何でKダブシャインという名前に対してそんなに腰が引けてるの?もっと俺たちに突っ込んでこいよ、って思ってたんだ」
K「俺がディスるのは『ザ・芸能』というか、HIP HOPを安売りするような奴らが許せないから、HIP HOPを真剣にやってる奴らにはそれだけでプロップなんだよ。だから、そいつらからディスられてもめちゃくちゃムカついたりはしないんだよね」
T「今後どうなるか分からないけど、それはお互いの問題で、一緒に曲をやるかもしれないし、またディスり合うかもしれないけど、この件に関しては俺も言いたいことは言えたから納得してる」

 今回の和解に関して、どのように考えるかは読者それぞれの判断に委ねたいと思うが、取材後両者は固い握手を交わしてその場を去ったことは記しておきたい。ヴァイオレンス的な結末にせよ、曖昧なままの自然消滅にせよ、こういった形でハッキリと当事者同士で解決した日本のHIP HOPのビーフは殆ど例がないだろう。最終的には両者のHIP HOPアーティストとしての責任感が解決したと言えるのかもしれない。