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「FRESH BOX(β)」/LBとOtowa

LABEL :

JPRAP.COMにて無料配信中
DL LINK
TITLE :

FRSH BOX(β)

ARTIST :
LBとOtowa

TRACK LIST :

01.“Good Morning”
02.“Fresh Box feat. IK”
03.“Buddhist Bounce feat. GOBURIN”
04.“3Kings feat. サムライコスメチック”
05.“Loop”
06.“Hungry Monsters Kitchen feat. MICHO”
07.“Man In The Mirror”
08.“Beautiful Lady feat. MICHO”
09.“Working Everyday”
10.“Festival”

REVIEW

 日々Amebreakを隈無くチェックして頂いている読者、そして毎日のようにネット上を流れるフリー・ダウンロード音源をチェックしているアンテナの高いリスナーは彼らの名前を既に耳にしていることだろう。MCのLBとトラック・メイカーのOtowaからなるユニット:LBとOtowaは、それぞれ出身地も活動拠点も異なるが(LBは新潟出身/東京在住、Otowaは福井出身/山梨在住)、MySpace上での交流からユニットへと発展した、“いまどき”な経緯で結成されたタッグだ。LB/Otowa共にビート・ジャック物やフリー・ダウンロード曲の積極的なリリースで徐々に名前を上げてきたが、Amebreak的には昨年末開催されたL-VOKAL & AKLO“BETTER HALVES”リミックス・コンテストでOtowaがプロデューサー部門でAmebreakの最優秀賞を獲得し、ラップ部門で参加していたLBは惜しくも優秀賞とはならなかったが、次点として取り上げられたのが記憶に新しい(って、選者は筆者なのだが)。

 同じくミックステープやフリー・ダウンロード曲で昨年その名を大きく上げたAKLOやKLOOZが、その拠点をネット上に置きながらも積極的にPVやライヴ出演などを通して顔を売っているのに対し、LBとOtowaはその素性含めいまだヴェールに包まれている部分がほとんどだ。だが、そんなミステリアスな部分が多いだけに、この度ドロップされたフリー・アルバム「FRESH BOX」はなおさらフレッシュな驚きを与えてくれる。

 特徴的なシンセ・パッド・フレーズの下に時折トリッキーなドラム・パターンを入れてくるOtowaのトラック。そしてその上に乗る、一定のレンジを超えることなく感情を込めていくという、近年の(国産)“SWAG”ラッパーの系譜を感じさせながら、日本語としての聴こえとのバランスも意識していると思われるLBのラップ。このアルバムからは正規アルバム・リリース前のアーティスト特有の(良くも悪くもな)いびつさはあまり感じられないし、冒頭の“Good Morning”あたりの若手(?)らしからぬ“枯れた”雰囲気は、DRAKEの「SO FAR GONE」の1曲目“LUST FOR LIFE”を彷彿とさせるものがあり、既存の日本語ラップ・ミックステープとは一線を画す趣がある。DRAKEが共同プロデューサーのNOAH "40" SHEBIBと共に作品全体のムードの統一という価値観をミックステープに与え、濫造され続ける他のミックステープとの差別化を計ったのと同じように、「FRESH BOX」も現行の日本語ラップ・ミックステープ・シーンに新たな流れを提示しようという志を感じさせる。

 先述したような外観のスマートさは高く評価できる一方、例えば“Buddhist Bounce”や“Hungry Monsters Kitchen”といったフロア向けのチューンではもう少し毒気とインパクトが欲しいところだし、どれか一曲、突出したキャッチーさのある楽曲があればかなり衝撃的な一枚となった可能性があるが、厳し目に書いてしまうと、本作はまだその地点には至っていないと思う。だが、一部を除いてその拡散範囲の限界が垣間見れてしまっている感のある日本語ラップのフリー・ダウンロード・ムーヴメント(この点に関しては後日改めて書きたいと思っている)において、(無形ではあるが)そのパッケージの良さを提示できた意義は大きい筈だ。是非ダウンロードしてみてご自身の耳で確かめてみてほしい。

文:伊藤雄介(Amebreak)