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「DON'T WORRY BE DADDY」/ECD

LABEL :

P-VINE/FJCD-006

PRICE :

2,415円

RELEASE DATE :

3月7日
TITLE :

DON'T WORRY BE DADDY

ARTIST :
ECD

TRACK LIST :

01.“Recording Report”
02.“まだ夢の中”
03.“対自核”
04.“ときどきあそこに”
05.“5to9”
06.“家庭の事情”
07.“大原交差点”
08.“たった一滴で”
09.“Wasted Youth”
10.“にぶい奴らのことなんか知らない”
11.“Sight Seeing”

REVIEW

 若手の大注目SALU、バンドとラップとの混淆を提示した鎮座DOPENESS & DOPING BAND、中堅として日本語ラップの凄味を見せたサイプレス上野とロベルト吉野、配信と手売りというスタイルに打って出たDARTHREIDER……等々と、3月7日一日をとってもこれだけの注目のリリースが展開され充実した様相を見せる日本語ラップ・シーン。その中において、ECDはその同日発売の「DON'T WORRY BE DADDY」の一曲目、“Recording Report”で「やばい新人の噂でもちきりの界隈を/にっちもさっちももうどうにも/こうにも行き詰まりのクソ親父の/ラップでジャックする今回も/お馴染みのチキチキと耳に痛いの/日々のひしひしと募る焦りを/RECしました」とラップする。勿論、このリリースの重なりは偶然だろうし、この曲がトップにきたのもまったくの偶然だろう。しかし、ここから感じるECDの状況認識には思わず背筋が伸びるような感覚を覚える。デビューから25年という時を経ても、当然のごとくECDは“現役”であり、彼でしか書けないラップを描くという決意めいた感情をこのラインからは感じるし、以前から発表されていた曲とはいえ、この特異日には特に響く言葉だろう。まるでこのアルバムを祝うかのようなミラクル。
 
 そして、そこからスタートする11曲は決してタイトルにあるように、安楽的/希望的に「DON'T WORRY BE DADDY」と語るのではなく、そこには当然のごとく焦燥も不安も、記憶も記憶も未來もある。そしてそういった様々な状況を受け止めながら、同時に過去に放った「BIG YOUTH」の感情を保ちながら、いかに家族を養う/子供を育てるかという事実も含めた、「どう現実を引き受けるか」という強い感情を感じる。
 
 どう生きるか/どう生活するか。それは常に日本語ラップのひとつの、そして大きなテーマであり、ECDはアルバムの制作を通して常に「その時の回答」を提示してきた。このアルバムには「今のECD」が前作「10 YEARS AFTER」からの引き続くスピットと共にパックされる。現在、彼の関わっている原発問題など「震災以降」への視点や、そしてエンジニアリングを手がけたというイリシット・ツボイがサウンド面でどういった影響を及ぼしたのかなどは改めて今後掲載されるインタビューで語っていただく予定なので、そちらも期待していただきたい。

高木“JET”晋一郎